ベンチレーテッドディスクブレーキのメリット・デメリット

ベンチレーテッドディスクとは?

ディスクブレーキ

まずは簡単に、ブレーキシステムを説明しましょう。

自動車のブレーキは、ドライバーがブレーキペダルを踏むことで、自動車の各輪に装備されたブレーキが作動することはご存知かと思います。ざっくりといえば、ブレーキペダルとブレーキは、ブレーキフルードと呼ばれるオイルで満たされたチューブで連結されており、パスカルの定理によりブレーキペダルを踏む力がブレーキに伝わり、タイヤの回転を止めるのです。

タイヤの回転を止めるブレーキには、車輪とともに回転する円盤をブレーキパッドが挟み込んで止めるディスク式と、車軸とともに円筒形状のパーツ(ドラム)の内側にブレーキシューを圧着させるドラム式があります。

ディスク式に使われるディスクのベーシックなかたちは、1枚の円盤によるソリッドディスク。ベンチレーテッドディスクブレーキは、ソリッドディスクを2枚使用し、その間に放熱版を挟んだ構造になっています。

このベンチレーテッドディスクには、ディスク表面に溝を彫り込んだスリットローターや細かく開孔したドリルドローターがあります。

では、そんなベンチレーテッドディスクのメリット・デメリットはなんでしょうか?

ベンチレーテッドディスクブレーキのメリット

ブレーキ

ベンチレーテッドディスクブレーキには、ソリッドディスクやドラム式と比較して、どのようなメリットがあるのでしょうか。

その①:放熱性に優れる

ブレーキは物理学的には、運動(回転)エネルギーを摩擦で熱エネルギーに変換して、運動エネルギーを減少させる装置と定義付けられるでしょう。つまりタイヤの回転をブレーキパッドやブレーキシューの摩擦力で停止させる際、ブレーキは熱を放ちます。

ブレーキに熱は付き物でありながら、大敵です。それはブレーキが熱を帯びると、フェード現象やペーパーロック現象を誘発し、ブレーキを動作不能に追い込むからです。さらにブレーキパッドやブレーキシューが焼け落ちてしまうこともあり、その際は修理が必要となります。

ドラム式の場合、ブレーキで発生した熱はドラムの内側に閉じ込められるため、放熱性が低くなります。ソリッドディスクはドラム式と異なり、熱を閉じ込めることはありませんが、スポーツカーのような高性能車に対しては放熱性は不十分です。

一方ベンチレーテッドディスクの場合、ディスク間に設置された放熱板が空気を効率よく排出するので、ディスクの温度上昇を抑えることができます。ブレーキによって運動エネルギーから変換された熱を、外に流しやすい構造なのです。

その②:制動性に優れる

ブレーキが排熱性にこだわる理由は、ブレーキ性能を維持し、安定した制動力を得るためです。ベンチレーテッドディスクは、ソリッドディスクやドラム式と比較すると排熱性に優れるため、長時間のスポーツドライビングでも、ブレーキの性能を維持できる可能性が高まります。

その③:ルックスが良い

ベンチレーテッドディスクに限らず、ディスクブレーキ全体にいえることですが、ドラム式と比較すれば、圧倒的にルックスが良いと筆者は思います。このあたりは、各々の好みと言うことで…。

ベンチレーテッドディスクブレーキのデメリット

ブレーキに大敵の熱を効果的に放出できるベンチレーテッドブレーキですが、デメリットもあります。

その①:交換部品が多い

ベンチレーテッドディスクに限らずディスク式は、ドラム式とは異なり、ブレーキをメンテナンスする際、ブレーキパッドだけでなくディスクの交換が必要になります。

これはブレーキシステムが作動する際、ブレーキパッドがディスクに接触し、摩擦でディスクも削られているからです。ドラム式ならばブレーキシューだけを交換するのが一般的なので、ドラム式と比較すると維持費が高くなります。

その②:ホイールが汚れやすい

前項で触れたディスクの削りカスは空気中に飛散したり、道路に積もったりします。時にはホイールも汚します。

その③:耐久性に注意!

ベンチレーテッドディスクのなかでもスリットローターやドリルドローターは、ディスクが部分的に薄かったり開孔されているので、フラットな面を持つベンチレーテッドディスクと比較すると、ディスク強度がわずかに落ちるケースもあり、クラックという細かいひび割れが発生します。

街乗りなら心配もいらないのでしょうが、サーキット走行を楽しむのであれば、ディスクのこまめな点検は必須です。

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