かつては金属が主流だった車のバンパー…最近のバンパーに使われることが多い素材とは?

メルセデス 350 SL バンパー 金属

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バンパーはクルマにとって、とても大事な役割を果たしています。単なる衝撃吸収のためのパーツではなく、いまではデザインイメージを決める要素としても大事な存在です。その昔は金属が主流でしたが、現在はどんな素材が使われているのでしょうか?


Chapter
バンパーの目的とは?
バンパーのデザイン
バンパーの素材…かつては金属が主流
1990年代にはほとんどが樹脂製に
現在のバンパーの素材はPP(ポリプロピレン)が主流

バンパーの目的とは?

公道を走る市販車には、必ず付いている前後のバンパー。

外部から衝撃を加えられた時に、変形や脱落することでショックを吸収し、バンパーの内部に組み込まれた衝撃吸収材がクッションの役目を果たし、クルマ本体への衝撃のみならず、乗員への衝撃も吸収し和らげてくれます。

欧米では、バンパー=ぶつけるものという認識で、フランスやイタリアでは、狭いスペースに縦列駐車している場合などは、前後に停まっている車のバンパーを押して移動させ、自分の車を出す…ということもあるようです(そのため、縦列駐車時はサイドブレーキを引かないことが原則)。
 
一方、日本はほんの数センチの小さな傷がついただけで大騒ぎになることも少なくありません。

バンパーのデザイン

バンパーは衝撃を吸収して安全性を高めるだけではなく、近年は車全体のイメージを決定づけるデザインの大きな要素となっています。それゆえに、最近の車はバンパーだけが独立したデザインの車は少なく、グリルからバンパー、アンダースポイラーまで一体型のものが主流です。

つまり、どこからどこまでがバンパーなのか?明確ではないデザインが増えている分、バンパーによってシャープでスポーティなイメージやボリューム感を出すなど、ドレスアップ面でも大きな役割をはたしているのです。

バンパーの素材…かつては金属が主流

かつてバンパーの素材は、鉄が主流でした。金属系の素材は、メッキ加工がされていました。1980年代頃までは、ボディから簡単に取り外せる分離型の金属バンパー(棒状)が一般的で、金属製タイプは強固で多少の衝突なら傷が付く程度で変形することはなく、変形したとしても板金修理で簡単に直すことができたのです。

しかし、変形する場所によってはバンパーがボディに食い込むなどして、塗装を傷つけることなどがあり、コーナー部に樹脂性のブロックを配置し、干渉したときの衝撃を弱める工夫がされるようになりました。

1990年代にはほとんどが樹脂製に

スタイリングや空気抵抗の低減を意識したデザインが増えてくると、ほとんどが樹脂製となりました。

軽量でデザインの自由化は進みましたが、強度はいまひとつで軽い衝突でも割れたり、塗装が剥がれたりして修理の際は丸ごと交換することが多かったようです。

当時、高級車やスポーツカーなどに用いられたウレタンバンパーは柔軟性があり、ぶつけてへこんだとしても数時間で復元するというメリットがありました。ポリウレタン樹脂は耐衝撃性、屈曲性に優れ、衝突の際、多少の変形が起こっても復元しやすい性質を持っているのでバンパー用材料として都合が良かったのです。

しかし、コストが高く、樹脂部にキズが付くと当時の技術では修理ができずリサイクルもできないという弱点もありました。

現在のバンパーの素材はPP(ポリプロピレン)が主流

2000年に入ると、樹脂素材の修理技術やリサイクル技術の大幅な進化が見られるようになってきました。素材はポリプロピレンが主流となり、見た目も美しくボディと同色に塗装されデザインの要素となりました。

フロントはヘッドライトやフォグランプなどが埋め込まれ、リアはマフラーと一体型となり、さらに近年は歩行者に衝突した際に歩行者への被害軽減を目的とした安全対策が進められています。

エアロパーツやリヤスポイラーやグリルなどにはABS樹脂が使われることもありますが、ABSやFRPは衝突などの衝撃で破断すると鋭い切り口になり大変危険ということで、メーカーでは使われていません。

バンパー素材はこれからもさらに進化していくのでしょうか?ぶつけても傷がつかないバンパーが欲しいですね!

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