トヨタとスズキが提携を発表!不動の人気車種ジムニーは今後どうなっていく?

過去、トヨタと提携したメーカーの車種制限

トヨタとスズキの業務提携によって気になるのが、スズキ独自車種が今後どうなっていくかでしょう。過去にトヨタと提携した自動車メーカーは、いずれもトヨタと真っ向から競合するような車種は共同開発車以外リリースしないようになっています。

例えば、乗用車がコンテッサ1車種のみだった日野は、乗用車事業そのものを停止してバス・トラック専業メーカーとなりました。

ダイハツも当時の独自乗用車コンパーノの生産を終了し、後継車はパブリカの兄弟車コンソルテになっています。その後も小型乗用車開発を計画したものの、「まずは軽自動車の基盤を固めてはどうか」というトヨタの「助言」もあって、画期的なコンパクトFFハッチバック、シャレードまで自粛していました。

そのシャレードにしても、大型化してスターレットと競合するようになると積極的な販売政策は取りにくくなり、後に軽自動車をベースとしたトヨタ小型車のボトムレンジ開発(現在のダイハツ ブーン / トヨタ パッソ)へと切り替わりました。

また、スバルは水平対向エンジンを搭載したシンメトリカルAWD車という「個性」でトヨタ車と競合せずに済みましたが、トヨタ傘下のダイハツと競合する軽自動車事業から撤退、名車サンバーは今やダイハツ ハイゼットのOEM車です。

唯一無二の軽オフローダー、ジムニーはどうなる?

サンバー(スバル独自モデル)の末路を知っている人からすれば、今回の「トヨタ・スズキの提携劇」で一番気になるのがスズキ ジムニーでしょう。ホープスター ON 4WDとして生まれ、製造権をホープ自動車から購入、全面的にリファインして軽オフローダー・ジムニーが登場したのは1970年。

それ以来、パジェロミニやテリオスキッドを除けば本格軽オフローダーは存在せず、それらライバルも今はありません。普通車版ジムニーシエラの1,000~1,300ccクラスまで視野を広げても、いすゞ ユニキャブやダイハツ タフト / トヨタ ブリザード、三菱 パジェロジュニアなどライバルはごくわずかでした。

最後の1,300ccオフローダー、ダイハツ ビーゴ / トヨタ ラッシュが2016年3月に生産終了したことで、ジムニー/ジムニーシエラのライバルは完全に消滅しています。トヨタといかなる意味でも競合関係に無く、仮に生産終了したとしてもトヨタグループから代替車を提供できるわけではない以上、ジムニー系を廃止する理由はありません。

ジムニーにとっては、むしろチャンスかも?

逆にジムニーをトヨタやダイハツに供給する可能性もあります。

2014年までマツダがジムニーの供給を受け、AZオフロードとして販売していた実績がありますから、突飛な話でもありません。

そうすれば、日本のみならず世界中のトヨタ販売網を使ってジムニーを拡販するチャンスと言えるでしょう。

その際にはトヨタの品質基準をクリアすべく、トヨタ側からの要望を受け入れる必要性はあるでしょうが、自動ブレーキなど運転支援技術も含め、ジムニーが得られるものも多いはずです。

この先も世界中の市場でジムニーが生き残るためには、むしろ今回の提携はメリットが多いと思われます。

その他の車種ラインナップはどうなる?

スズキ ワゴンR

しかし、それ以外の車種ラインナップは非常に微妙な立場にあります。1台1台は非常に優れているとはいえトヨタやダイハツと競合する車種も多く、何より現在のスズキの優れた燃費性能を支える副変速機付きCVTは、日産系の部品メーカー、ジャトコの製品です。

こうした基幹部品で関係が深かった日産とは今後どうなるのでしょう。近年はマツダ以外に日産や三菱とのOEM供給関係が深くなっていたので、トヨタと提携したからと言って、軽自動車で安易にダイハツとOEM関係になるわけにはいきません。

逆にスズキ車をトヨタやダイハツ、スバルにOEM供給した場合、日産・三菱・マツダと合わせて日本の軽自動車はホンダ以外全てスズキ車になりかねませんから、共同記者会見で「独禁法」を気にしていたのはそういう意味もあるのでしょう。最近は軽自動車以外に、小型車でも複雑なOEM供給関係がありますから、車種ラインナップの見直しは簡単にはいかなそうです。

最後に、スズキの基幹事業のひとつである二輪車でも、先日トヨタと関係の深いヤマハとホンダの提携が発表されており、こちらもスズキが今後どう動くのか注目されています。これからしばらくの間は、日本の自動車メーカー関連で大きなニュースが続く事になりそうですね。

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