パワーだけがスポーツじゃない…アンダーパワーだけど楽しい国産スポーツカー7選

マツダ ロードスター 20150520

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スポーツカーと言えばパワーだけだと思っていませんか?圧倒的なパワーで攻めるのも緊張感があって楽しいものですが、アンダーパワーながらも「よく馴染んだスニーカー」のように、意のままに操る楽しさがあります。最近のその手の車はほとんど電子制御化されて燃費嗜好なので、古いクルマが多いのですが、今回7台ほどピックアップしてみました。
Chapter
1. 日産 マーチ(K11)
2. トヨタ MR-S
3. ダイハツ エッセ
4. スズキ アルトバン(HA23V)
5. マツダ ロードスター(NA6C / NB6C / ND5RC)
5. ホンダ シビックMX(EG4)
7. スバル レックスコンビ4WD(KH2)

1. 日産 マーチ(K11)

歴史的傑作コンパクト、日産マーチの2代目K11は乗っていて本当に面白いクルマ。それも、当時の試乗会などで「加速は初代のスーパーターボ以上なんです!」と言われた1,300ccモデルではなく、1,000ccモデルこそが至高です。

ノーマルでも構わず楽しめるのがK11マーチ1,000のいいところで、踏めばマフラーの音は頼もしく、ボディ剛性はK12より劣ってはいるものの車重は軽くて、低い速度で挙動が大きいため、日常のスピードレンジでスポーティなドライブの感覚が味わえます。

昔の走り屋でも、道幅が狭くツイスティなコースで軽自動車に対抗できると言えばK11でした。

2. トヨタ MR-S

トヨタの実用エンジンはよく言えば普通、ハイメカツインカム化してからは無駄にパワフルであったため、軽量FRのKP61やその先代のKP47を除くと、「アンダーパワーだけど楽しい」クルマは少ないです。

その中でも割と新しくて楽しいアンダーパワースポーツと言えばMR-Sでしょう。

ミッドシップにマウントされた2.8リッターの1ZZ-FEは140馬力と普通のエンジンそのもので、セリカ用の2ZZ-GE(190馬力)に載せ替える人もいましたが、これもそのままで十分です。

下手にパワーがある分振り回すのにも気を遣うSW20型MR2と違って、MR-Sはアンダーパワーな分「踏まないと走らない」ことが魅力。しかもアクセルで大きく破綻しないのがまた良しでしょう。

頑張ってスポーツ走行してない時はオープンエアを楽しめるのも良かったですね。

当時は今みたいにDCTのようなセミオートマが主流ではなかったため、シーケンシャルシフト採用モデルは車椅子のドライバーにとっても楽しみやすい1台でした。

3. ダイハツ エッセ

ダイハツの6代目L250系ミラをベースに、「THE K」のコンセプトで軽自動車の原点に立ち返った好燃費で親しみやすいデザインだったのがエッセ。

58馬力のKF-VEは、パワフルではなかったものの前述のK11マーチ1,000と同馬力で、下からのトルクがあったのでタイトコーナーからの立ち上がりなんかは小気味良い感じ。

しかも、あえてスペース効率を突き詰めずに前後左右から上に向かってすぼまるようなデザインからルーフが軽くて、パイロンスラロームなんかで攻め込むと、「あれ?これホントにミラがベース?すごくワイドトレッドに感じる!」というわかりやすさがありました。

当時から燃費スペシャルのエッセ エコがありましたが、後継モデルはそれを突き詰めたミライースになってしまったのが少し残念です。

4. スズキ アルトバン(HA23V)

ダイハツの軽が出るなら、スズキでは5代目アルトの商用モデル、HA23Vアルトバンが挙げられるでしょう。

正確にはそのK6A(54馬力)搭載モデルが軽い•速いと言う理由で、デビューから16年たった現在でも軽自動車レースでは主力の1台となっているほど人気です。

スペック上の馬力こそダイハツなどに劣るものの、ビッグボアでよく回りつつ下からのトルクもある名機K6Aは、NAでも良い走りをします。

スズキの軽ボンネットバンでは最後の3ドアモデルとなりましたが、レースで人気な1台なだけあって、この5MTモデルで程度の良いものは中古車でも結構タマ数が少ないです。

5. マツダ ロードスター(NA6C / NB6C / ND5RC)

あえてスペック上のパワーを追及せずに楽しい国産車といえば、触れないわけにいかないのがマツダの歴代ロードスターでしょう。

スペックにおいて最も優れているのは3代目のNCECですが、2リッター170馬力は少しアンダーパワーとは言い難いところ。

初代NAや2代目NBの1,800ccモデルも同様で、時期によってはギア比の問題でちょっと「楽しいとは言い難い」モデルもありましたから、これも除外です。

となれば1.6リッター(125馬力)のNA6CとNB6C、その原点に回帰してあえて北米仕様の2リッターエンジンを積まない1.5リッター(131馬力)のND5RCこそ、この記事のタイトルにふさわしい車と言えるでしょう。

これもMR-S同様決してパワフルではありませんが、その分だけ「踏まないと走らない楽しみ」がありました。

同じアクセルワークでも、より高回転域で繊細さが要求されますが、それがハマった時の心地よさ、これぞアンダーパワー車の魅力ですね。

こういった点は、直線はガツンと踏めば何とかなって、コーナリングでは一転、神経質になるが電子制御デバイス頼みとなるハイパワー車では味わえない話です。

5. ホンダ シビックMX(EG4)

ホンダからはMTRECを搭載したビートやトゥデイも候補に挙げられましたが、隠れた楽しいクルマとして是非ともこのシビックMXをご紹介。

1.6リッターVTEC(160馬力)のEG6のようにハイパワーではありませんが、デュアルキャブのD15B(100馬力)がまたよく回ります。

これが同じD15Bでもインジェクション(130馬力)だと絶対的なパワーはあっても、何か面白くありません。

どのみちDOHCでもVTECでも無いのならば、回して楽しい方が断然いいね!と思いながらとことん踏み込んでいくのが良いのです。

スペックにおいては劣ってはいても、調子さえ良ければ踏んで面白いのがキャブレター車の醍醐味なんです。

7. スバル レックスコンビ4WD(KH2)

今回紹介する7台の中で最低馬力!しかも550cc時代のスバル軽自動車レックス、それもNAで4WD限定です!

筆者は一度だけ代車で乗りましたが、2気筒3バルブSOHCのEK23(36馬力)が回らない走らない、そのくせうるさい!

まだ高速道路で軽自動車の最高速度が80km/h時代に作られ、排気量も今より小さいという事もあってか、高速道路(乗った時はもう100km/h制限時代でした)に入ってもメーター読みで105km/h出すのが限界でした。

しかしとても楽しかった!

というのも、高速を降りて山道に入った瞬間、サスペンションが絶妙なバランスで動いてくれて、とにかく踏んで踏んで踏みまくれました。また、ちょっとした路面のギャップでポン!と跳ねても全く不安を感じさせず、そのまま踏んでいけます。まるでラリー車のようですね。

ボロボロのクルマでショックアブソーバーなどもヘタリきっていただろうに、不思議でしたね。

おかげで1日しか借りなかった代車を車屋に返す時に、「タイヤがツルツルになってるじゃないですか!」と言われてしまったこともいい思い出です。

その後やはり代車でFFのKH1レックスにも乗りましたが、特に面白く無かったんで、「やはりスバルは軽自動車も4WDが最高だ」と思ったものでした。


皆さんにも、「ああ、そういえばあのクルマ、パワーは無かったけど、楽しかったな」と思う1台はありませんか?

以上、勝手ながら選ばせていただいた、アンダーパワーだけど楽しい国産スポーツ7選でした。
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