マツダ RX-7(FD3S)の1型〜6型までの各型はそれぞれ何が違うのか?

マツダ RX-7

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日本車の場合、量販車なら平均すると4年程度でモデルチェンジ、あるいはビッグマイナーチェンジが行われます。一方スポーツカーなどは、どちらかといえば長く作られ、そのなかで頻繁に改良を受けるモデルがあります。マツダのFD3S型RX-7もそんな1台でした。
Chapter
スポーツカーは寿命が長い事が多い
1型から6型まで存在するFD3S
段階的にピュアスポーツへの道を進んだ1型~3型
マツダ RX-7となり丸型3連テールランプとなった4型
ついに280馬力規制に到達した5型とスポーツABSの制御が緻密化した6型
2002年にはマツダ RX-7 (FD3S FD 加速)における最後の限定車が発売された
ノーマルが少なくなったRX-7でも現在は車検証で判別は容易

スポーツカーは寿命が長い事が多い

量販車のなかでもコンセプトが陳腐化せず、安価であることも求められるため、小改良や数年に1度のマイナーチェンジを受けて長く作り続けられるクルマがあります。一方、開発費がかかる割に頻繁な性能向上が求められ、おまけに販売台数も少ないので開発費の回収ができず、結果的に長く作り続けられるクルマもあります。

スポーツカーの場合はどちらかといえば後者のケースが多く、なかには日産 Z32 フェアレディZのように経営悪化と販売台数の落ち込みでマイナーチェンジもままならず、商品価値が落ちてさらに販売台数が落ち込み、と負のスパイラルに落ち込むことも…。

そんななか、マツダの歴代RX-7は、他に派生車種などを作りようの無いピュアスポーツカー、しかも3代目のFD3Sはユーノス コスモが1996年に生産終了してからは、世界でただ1台のロータリーエンジン量産車だったこともあり、11年もの長い期間生産されることになったのです。

1型から6型まで存在するFD3S

当時、"走りのマツダ""ロータリーのマツダ"であったため、マツダ RX-7はZ32のようになかば放置状態ということは無く、合計2回のマイナーチェンジと5回の小規模変更が行われています。

なかでも3代目のFD3S型は、デビュー当初の1型から、2002年8月に生産終了するまで、6タイプで分類する仕方が主流になっています。では、それぞれの型を見ていきましょう。

段階的にピュアスポーツへの道を進んだ1型~3型

先代のFC3S型は、13Bロータリーターボを段階的に185psから最終型のRX-7 ∞(アンフィニ)で215馬力までパワーアップさせてきましたが、マツダの新ブランドであるアンフィニ RX-7として1991年10月にデビューした3代目は、そこから255psへと一気に40psものパワーアップを果たしました。

そのデビュー当時の姿が1型で、グンと低くなった車体に、インタークーラーを前置き化したことでさらに低くなったボンネット、クサビ型のウェッジシェイプボディから流線形の滑らかなボディライン、1980年代のイメージから完全に一新したのです。
しかし、2年とたたない1993年8月には小改良で2型に移行し、サスペンションセッティングを見直してダンパーが大型化、バンプラバーの素材をゴムからウレタンに変更。タワーバーのリジット化やリアクロスメンバーへの補強バー追加、インテリアにも見直しが図られました。

90年代当初のスポーツカーやスポーツグレードは、増大したパワーに対して、まだサスペンションジオメトリーやダンパー容量の適正化という面で追いつかず、熟成不足で販売されたモデルがあり、トヨタ SW20型MR2などもかなり初期に変更を受けています。

FD3Sも例外では無かったわけですが、この小変更の機会に2シーターグレードのタイプRZとタイプRIIバサーストが設定されました。なかでもタイプRZは加速重視のファイナルギア(減速比4.3)が設定され、高速コースよりジムカーナのようなタイトなセクションを得意とするモデルになります。

1995年3月に登場した3型では、このタイプRZに17インチ大型ブレーキディスクが設定されました。この3型までの3年間で、FD3Sはピュアスポーツとしての下地をつけていったといえるでしょう。

マツダ RX-7となり丸型3連テールランプとなった4型

1996年1月には中期型となる4型に変更、直後にアンフィニ店の廃止(ユーノス店との統合でマツダアンフィニ店へ)とブランドの廃止で、それまでのアンフィニ RX-7からマツダ RX-7となります。

心気一転、エンジンを制御するECUも8ビットから16ビットに変更されてより緻密なエンジン制御が可能となり、吸気系の改良やブーストアップでMT車は265馬力にパワーアップします(AT車は255psのまま)。

また、4人乗りのタイプRSにも2シーターのタイプRZと同じファイナルギアと大型ブレーキディスクが装備され、4シーター版ピュアスポーツグレードとなりました。

外観もリアコンビネーションランプが丸型3連式に変更にされ、リアウイングも大型化されたため、アンフィニエンブレムかマツダエンブレムかの違いも含め、ノーマル状態の車両なら4型以降とそれ以前のFD3Sでは識別も容易です。

ついに280馬力規制に到達した5型とスポーツABSの制御が緻密化した6型

1999年1月から生産された5型では、ついに当時の馬力自主規制値、280psにパワーアップされました。それまで、最高出力では劣っても軽快でバランスの優れたピュアスポーツというポジションだったFD3Sですが、ついにハイパワーも手に入れたのです。

ただし、最廉価版のタイプRBは265psのままで、AT車も255psで据え置き。5型以降は、最高出力が3種類存在することになりました。当時のマツダ車で採用されていた5角形フロントグリル(FD3Sの場合はバンパー開口部)が採用されるなど大きな変更がありましたが、それ以上に大きな変更が中身にありました。

ラジエーターなど冷却系の改良で容量の拡大や効率化やタービンの変更、インタークーラーの配管形状と材質変更で効率アップ、排気系の改良とボディ底面の空力改善でダウンフォース強化、新設計のロータリーハウジングなど、多数の改良が施されたのです。

かなり大きな変更があった事から、現在に至るまで「極力ノーマルで改造点を少なくしたいなら、ベース車は5型以降」とされています。最終型で2000年9月から生産された6型では、ABS制御コンピューターも8ビットから16ビット化し、EBD(電子制御ブレーキシステム)の採用もあって、ブレーキ制御も緻密になりました。

2002年にはマツダ RX-7 (FD3S FD 加速)における最後の限定車が発売された

2000年9月に最終型となる6型が生産開始され、その2年後となる2002年4月には、マツダ RX-7(FD3S)のラストを飾る限定車「スピリットR」が登場しました。タイプAとタイプB、タイプCが用意され、全ての仕様で13 B – REWエンジンを搭載。

3仕様ともBBS社製17インチホイールやレッド塗装ブレーキキャリパー、専用のソフト塗装インテリアパネルといった専用装備を備え、さらに洗練されたエクステリアとインテリアを手に入れました。

スポーツカーでは最も重要視したい最高出力はどうでしょうか。2シーター5MT仕様のタイプAの最高出力は280ps。4シーターで5MT仕様のタイプBも同じく280ps。4シーターで4AT仕様のタイプCは、255psとなっています。

最高出力が異なるタイプA・BとタイプCの違いは明瞭。では、同じく最高出力280PSを誇るタイプAとタイプBでは何が違うのでしょうか。その答えは車両重量にあります。タイプAは、レカロ社製専用レッドフルバケットシートの2シーターを装備したことにより、車両重量を10kgの軽量化に成功。

さらに、ドリルドタイプ大径4輪ベンチレーティッドディスクブレーキと高剛性ステンレスメッシュブレーキホースを新たに採用したことにより、制動力を格段に向上させています。また、このマツダ RX-7 スピリットRの販売台数は1,500台。2020年現在は販売していないため、手に入れたい方は中古車を探す必要がありそうです。

マツダ RX-7 FD3Sの中古車はいくらで買える?

多くのクルマ乗りの憧れとなっていたマツダ RX-7( FD3S)は、2003年に販売を終了しており、2020年で手に入れるには中古で購入するしかありません。マツダ RX-7(FD3S)を中古で購入するには、いくら用意すればよいのでしょうか。 

アンフィニ RX-7(FD3S)
平均価格:204.6万円
価格帯は110万円~498万円

マツダRX-7(FD3S)
平均価格:283.4万円
価格帯:134.8万円~985 万円

※ 2020年5月24日現在大手中古車サイト調べ

価格帯が幅広い理由は、RX-7の販売期間が11年と長く1型から6型までのすべてのモデルが対象となるからでしょう。なので、型やモデルごとに価格帯が異なる可能性があります。特にアンフィニ時代の年式が古い1型や2型の状態がいいものや限定車のスピリットRは、その希少性から高値で取引されています。

1型・2型やスピリットRの購入を考えている方は、とくに時間をかけてリサーチする必要がありそうです。

ノーマルが少なくなったRX-7でも現在は車検証で判別は容易

古くてもまだまだ現役のスポーツカーにはありがちですが、FD3Sもフルノーマル車は非常に少なく、特にMT車では希少でしょう。ノーマル車が増えてくるのは、むしろもっと古くなってコレクターズアイテムのようになってからです。

そのため1型や6型といっても年式以外で判別するのは難しいのですが、生産が切り替わる微妙な時期だと初回登録年月日でも難しくなるので、その場合は車体番号の最初の1桁を確認すると良いでしょう。1型なら1で始まり、6型なら6で始まるので、車検証で確認しておくと、愛車の紹介がしやすいかもしれませんね。
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