K6AターボやRB26等…チューニングベースとして多く使われる国産エンジン9選

センチュリー V12

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世の中には数多くのチューニング・エンジンがあります。元々の2倍、3倍のパワーを絞り出すのは当たり前。スペシャルパーツとの組み合わせは無数に存在します。

しかし、そのベースとなるためには「素質」が必要。その素質を持ち、数々のチューニングエンジンのベースとなった国産エンジンを9つほど紹介します。
Chapter
チューニングのベースとなる「素質」
スズキ K6Aターボ
ダイハツ JB-DET
日産 A12
マツダ 13B
ホンダ B16B
ホンダ F20C/F22C
日産 L型シリーズ
日産 RB26
トヨタ 1GZ-FE

チューニングのベースとなる「素質」

世の中に優れたエンジンは数限りなくありますが、チューニングのベースとなるにはいくつかの「素質」が必要。

名車に搭載された上で、チューニングを縛るような規則の少ないステージで活躍の場を得て、多くの実績を残す機会に恵まれたエンジンは十分な「素質」があると言えるのではないでしょうか。また、素質は十分なものの、他の傑作エンジンの影に隠れてしまうケースもあると思いますし、その逆にライバル不在で一人勝ちなエンジンもあります。

その意味ではモータースポーツでは元々のポテンシャルの高さから大活躍したものの、規則でチューニングの縛りが多かったエンジンというのは、チューニングのベースとなる「素質」を得る機会にあまり恵まれなかったと言えるかもしれません。

スズキ K6Aターボ

3代目アルトワークスに採用されると共にスズキスポーツチューンでラリーやダートトライアルに投入され、ダイハツの4気筒DOHCターボ「JB-JL」を搭載したミラX4を散々に打ち破った名エンジンがスズキのK6Aターボ。

スズキスポーツからリリースされていた豊富なチューニングパーツで軽自動車レースのターボ車クラスでは定番中の定番となり、現在もアルトワークスをはじめ、多くのレース用軽自動車に搭載されています。

ダイハツ JB-DET

旧規格軽自動車時代の「JB-JL」でスズキK6Aに苦杯を舐めさせられたダイハツが、新規格軽自動車向けに送り出した新型4気筒DOHCターボエンジンがJB-DETです。

ダイハツ自身がストーリアX4用に713ccにストロークアップしてタービン等を換装、各部を強化したメーカーチューンドエンジン「JC-DET」を作ったことをキッカケに、JC-DETの純正パーツ流用、あるいはオリジナルパーツも使ったチューニングエンジンが多数登場し、「軽自動車界のRB26」とまで言われる名エンジンに育ちました。

ダイハツの新規格軽自動車には容易に搭載可能な事から、このエンジンを搭載した軽ミニバンのムーヴを展示してある中古車店からエンジン盗難事件が多発したという出来事まであったのです。

日産 A12

かつてB110型サニーに搭載されてTSレースに登場し、トヨタのDOHCレーシングエンジン「4K-R」を搭載したパブリカ・スターレットとの激しいバトルの末、最終的にはTSレースがB110のワンメイクになる原動力となったのが、A12をベースとした数多くのチューニングエンジンです。

何という事は無い平凡な実用OHVエンジンのはずなのに、熟成を進めた結果、10000回転で170馬力オーバーを叩き出すほどの「素材」を持ったA12は、数多くのチューナーを産んだ事で、搭載されていたB110サニーと共に伝説となっています。

マツダ 13B

言わずと知れたマツダ ロータリーの傑作はチューニングベースとしても注目を集め、純粋に13B自体をチューニングした数百馬力のモンスターエンジンも作られ、RX-7に限らず多くの車に搭載されています。

ロータリーエンジンの構造上、ローターを重ねていく事が可能なため、最近では原型の2ローターのみならず4ローター、6ローターといった倍々方式でチューニングエンジンが作られるという異色のエンジンでもあるのです。

ホンダ B16B

名車Ek9シビックタイプR用のエンジンとして開発されましたが、チューニングベースとしてはDC2インテグラタイプR用のB18CスペックRより盛んなのがB16Bです。

兄貴分のB18Cなどのパーツを流用する事で排気量アップも容易で、ターボに頼らないメカチューンでも10000回転以上回して230馬力オーバーを叩き出し、高回転型テンロクDOHCの決定版と言って良いでしょう。

ただし、ベースエンジンとしては耐久性の面でタイプRではないシビックSiRに搭載されたB16Aの方が優れているという意見もあります。

ホンダ F20C/F22C

S2000専用エンジンであり、それゆえに多くのチューニング例があるのがF20Cと、その2.2リッター版F22Cです。

国内ではターボチューンで350馬力くらいが限界のところですが、海外では実に1300馬力オーバーとまるでRB26や2JZのようなパワーを叩き出す、素質ゆえなのか強引にそうしたのか気になるチューンドエンジンが存在し、S2000でのゼロヨン世界記録7.17秒を叩き出しています。

今後が楽しみなエンジンのひとつですね。

日産 L型シリーズ

4気筒のL13から6気筒のL28まで数多くのバリエーションを誇り、チューニングの話には事欠かない国産旧車の大鉄板チューニングベースが日産のL型エンジンです。

6気筒のL28をベースにボアアップ、大型タービンをドッキングしたハイパワーエンジンも有名ですが、4気筒2リッターのL20BをベースにDOHCヘッドを載せた、写真のLZ20Bもメーカーチューンドエンジンとしてサファリラリーでのダットサン710(日本名バイオレット)や、国内シルエットフォーミュラレースでのシルビア、910ブルーバード、スカイラインRS用に搭載されて活躍しました。

日産 RB26

最後のスカイラインGT-Rとなった日産R34と共に廃盤となって早14年が経つにも関わらず、未だに新作チューニングエンジンが登場する息の長いエンジンがRB26です。実用性を考慮しても1000馬力級エンジンが可能なだけでなく、2000馬力級エンジンまで存在し、そのポテンシャルの底は一体どこにあるのかわかりません。

直列6気筒エンジンとしては最強な事から、日産車に限らず直列6気筒エンジン搭載車であればあらゆる車種に載せられる傾向があります。

トヨタ 1GZ-FE

最後は現行センチュリー用のエンジン。

国産市販乗用車用V12エンジンとしては唯一無二の存在なため、「どうにかしてこれをブン回して楽しもう!」とチューニングベースとしても度々登場します。

センチュリーそのものをデフ直結とファインチューン程度でドリ車としたケースでは巨体を軽々とスライドさせ、さすがDOHC5リッターV12エンジン!と思わせる大迫力の走りを見せれば、フルコン制御で高回転まで回せるようにしてスープラに搭載され、レーシングカーのようなサウンドを響かせる事もあるのです。

しかし、なにぶん量販車とは言えないセンチュリー用ゆえに、そう簡単に入手できるエンジンでは無いのが残念ですね。


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