「三角窓」が無くなっていった理由とは?

さわやかな走行風をもたらす三角窓

かろうじて筆者(40歳代)は三角窓を経験している世代です。とはいっても子供の頃に助手席で、という経験になります。筆者の体験はハコスカ(ふつうの2000GT)でした。おもむろに三角窓を回転させるとさわやかな走行風が車内に吹き込む心地よさを覚えています。

にわかにオープンエア感覚をもたらす三角窓とハコスカの記憶は鮮明です。風に当たりながらのドライブはそれだけでもスポーティな感じがして楽しい記憶だったように思います。夏でしたがクーラーは回していませんでした。

ジャーナリストの三本和彦さんがご自身の番組「新車情報」でさかんに「三角窓を復活させてほしい」とメーカーの開発者に訴えていましたが、その気持ちも良くわかるというものです。何よりさわやかで心地よく、換気にも役立ってくれる三角窓。

これはご存知フォルクスワーゲンビートル。1970年代までは三角窓を備えたクルマがたくさんありました。窓を開けて走る、風に当たりながら走る気持ちよさを味わえた時代です。

しかしそんな気持ちよさをかなぐり捨ててしまった、その理由とは一体どこにあるのでしょうか。

時代とともに三角窓は姿を消していきました。

理由その1:エアコンの普及と気候変化

自動車に求められる要素、要求は年々高度なものになって行きます。1980年代に入ると自動車はより贅沢志向、快適志向の度を深めていきました。そんななかでカーエアコンというのはクルマを快適に乗りこなすための必需品となっていった観があります。

エアコンによる完全な冷暖房と換気機能をもって、たとえば窓を開けて風を入れるという機会はなくなる方向になって行きます。必然的に三角窓の必要性も無くなっていったというわけですよね。

また、地球温暖化や湿度の上昇などの気候変化、加えて大気汚染なども加わって、積極的に外気に触れようという気持ちにさせない事情もありました。エアコンの普及はそんな環境事情ともリンクしていて、三角窓の淘汰を早めた観があります。

理由その2:コスト

トヨタ ヴィッツ

ご覧の現行型ヴィッツにも三角窓はありますが、これは開閉できません。ほかにもミニバンタイプの車種で多く見られます。小さくても開閉できれば役立ってくれそうなものですが、やはりそうはならない理由はあるはずで、ここで考えられるのは「コスト」の面です。

ヴィッツのようなケースで開閉できない三角窓が備わるのは上下開閉できるドアガラスの面積を制限するためという理由があります。ドア内部のガラスを格納するスペースの問題やガラス自体の重さがパワーウインドウ機構に与える負担を軽減するため、という目的もあります。いわば開閉できない三角窓はなにもそうしたくて備わっているわけではなさそうです。

またそうした副次的な理由の三角窓ですから、積極的にコストをかけて回転式開閉機能を昔のように与えるという考えにも至らないのでしょう。

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