歴代スカイラインGT-Rはどんな伝説を残してきたのか?

世界で偶像化されるGT-R

スカイライン R34

映画「ワイルドスピード」に登場したGT-Rは世界中でインパクトを残しました。故ポール・ウォーカーもR34GT-Rを自身で所有しているほどのお気に入りだったエピソードも有名ですね。それと同様に世界規模で「GT-R」の名を知らしめたのは、プレイステーションソフト「グランツーリスモ」だったかもしれません。加えて言えば日本人にニュルブルクリンク北コースを知らしめた意義もあったかもしれませんね。

もうひとつの理由は、日本以外の国でスカイラインGT-Rは生産・販売をしていなかった事。つまり海外では、どんなに欲してもなかなか手に入らない「貴重なクルマ」という評価なのです。

以前の記事で、北米の輸入制限が、25年経過した車齢のクルマは除外される、という事を紹介しました。R32GT-Rが高値で海を渡り取引されていく、そんな状況になっています。いうなれば私達の想像以上に海外でGT-Rは偶像化されている、といえるのではないでしょうか。

今回はそんなGT-Rの伝説にスポットを当ててみましょう。

スカイライン神話のスタートS54B…PGC10型・KPGC10型 (ハコスカ)

スカイライン C10

1964年に開催された「第2回日本グランプリ」において、当時世界最強と呼ばれたポルシェ カレラ904GTSに、一周のみとはいえ、プリンス スカイラインGTがリードした事が、スカイライン神話のスタートといえるでしょう。

このとき、スカイラインのドライバーであった生沢徹選手と、ポルシェに乗る式場壮吉選手の間で、ちょっとした密約あったと言われています。

いずれにしても、まだ黎明期にあった日本のスカイラインが、先進国であるドイツの誇るポルシェの前を走ったことは、多くの人の脳裏に焼き付く事になったのです。

そのプリンス スカイライン(S54B型)の後継として、1969年にデビューしたモデルがGC10型スカイラインです。

その最強バージョンがGT-R(PGC10)には、当時のレーシングカー、プリンスR380に使用されていた直列6気筒DOHCエンジンを叩き台に設計されたS20型エンジンを搭載されていました。

後期型のKPGC10型は、2ドアクーペボディがベースとなり、ホイールベースが70mm短縮され、そのことによるボディ剛性の向上と旋回性能の向上で競争力がさらに向上したと言われています。リアのみに装着されたオーバーフェンダーもこのモデルの特殊性を示していますね。

このハコスカGT-Rは、1972年9月に開催された 「'72GCシリーズ 富士インター200マイルレース大会」スーパーツーリングTS-bcレースまでの間の戦績において、通算52勝を数達成したほど実力を示しました。

197台のみの生産… KPC110 (ケンメリ)

わずか197台のみの生産で、現在ハコスカ以上のプレミア価格で取引されている「悲運のGT-R」ともいえるのがKPC110、所謂ケンメリGT-Rです。

先代より搭載されていたS20型エンジンが、当時のマスキー法の関係から厳しくなった排ガス規制をクリアできず、少数販売となったそうです。このためか、公式なレースにも参戦せず、戦績を残す事なく消えた幻のGT-Rともいえますね。

このKPC110型GT-Rを最後に、「GT-R」の名は長きにわたり封印される事になります。

RB26DETTを搭載…BNR32型

平成元年、日産が培ったハイテクをフルに奢った次世代GT-Rが、BNR32型です。恐らく皆さんがGT-Rと聞いていまだに真っ先に想像する、そんな強い印象を残したクルマでしょう。

当時日本はバブルの影響で経済も絶頂期でした。各メーカーもこうしたハイテクマシンをリリースするのがブームでもありました。このR32の特筆すべき点は、レースを主眼に置いたエンジン、RB26DETTを搭載したことでしょう。2.6Lという微妙な排気量も当時の日本ツーリングカー選手権の「過給係数」を配慮した排気量であり、出自からして「レースありき」だったといえます。

またトラクションを十分に確保する可変4WDシステム、アテーサE-TS、また4輪操舵を行うスーパーHICASを搭載、当時としては突出した性能を誇り、実際レースシーンでもでも連戦連勝と結果を残したマシンです。

マイナス21秒のロマン…BCNR33型

1995年に発売された、この平成二代目GT-Rから本格的に「ニュルブルクリング北コース」でのテスト・開発が行われました。公式タイムは、プロトタイプモデルが「7分59秒」を記録。先代BNR32より21秒ラップタイム短縮したことから「マイナス21秒のロマン」というキャッチコピーも生まれています。

エンジンは引き続きRB26DETTを搭載。280PS/37.5kgf·mを発揮。足廻りにはブレンボ製ブレーキキャリバーを全車標準装備。R32と比べてR33は車体が少し大型化されており、全長が130mm、ホイールベースで105mm拡大、またボディ剛性も強化されています。つまりR32GT-Rの弱点をつぶし、正常進化させたモデルがR33GT-Rといえます。

最強のスカイラインGT-R…BNR34

実質最後の「スカイラインGT-R」がこのBNR34型。R33よりもホイールベースを約50mm縮めることでハンドリングを向上。またより剛性を持たせたボディ、電動化し熟成されたスーパーHICASによるトータルバランスは最も高く、スーパー耐久シリーズではフェアレディZに2004年に引き継ぐまで、シリーズチャンピオンを獲得、最強のスカイラインGT-Rとして君臨しました。

このR34までは日本のみでの生産・販売だったモデル。それ故に海外でも「伝説のマシン」として偶像化しています。

スカイラインGT-Rと日本人の精神

後継のR35型は、世界戦略を持たせたモデルとして、スカイラインの冠を外し、「GT-R」として世界中で評価をされているのは周知のとおりです。その価格に比して、圧倒的なパフォーマンスを誇り、世界に名だたる「スーパースポーツ」を駆逐する実力を備えています。

戦後の高度成長期を経て、果敢にポルシェに挑めるレベルのクルマに育ったスカイラインGT-Rには、日本人の精神が受け継がれていると思えてなりません。

今後新型となるR36GT-Rはいずれ発表されるでしょう。パワートレインがハイブリッドなのか、EVなのかはまだわかりませんが、そんな日本人のモノづくりの矜持をどうか引き継いだGT-Rを発表してほしいですね。

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