フォグランプの黄色が減っている理由とは?

ヘッドライト

フォグランプの定義

まずは、フォグランプの定義について確認してみましょう。フォグランプは、法規上では「霧灯」の名称とされ、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の前方を照らす照度を増加させる灯火装置とされています。「道路運送車両の保安基準」より、霧灯に関する個所を以下に抜粋します。

※今回の記事で取り上げるのは、車両前部に装着される「前部霧灯」に関してとなります。

【前部霧灯】
第三十三条  
・自動車の前面には、前部霧灯を備えることができる。
・前部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の前方を照らす照度を増加させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
・前部霧灯は、その性能を損なわないように、かつ、取付位置、取付方法等に関し告示で定める基準に適合するように取り付けられなければならない。
・自動車には、前部霧灯の照射方向の調節に係る性能等に関し告示で定める基準に適合する前部霧灯照射方向調節装置(前部霧灯の照射方向を自動車の乗車又は積載の状態に応じて鉛直方向に調節するための装置をいう。)を備えることができる。

また、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示<第一節>第199条(前部霧灯)」によって、おおよそ下記のような内容が定義され、この細目は2006年1月1日以降に生産される自動車に適用されます。

・他の交通を妨げないものであること
・白色または淡黄色で、全てが同一のものであること
・同時に3個以上が点灯しないように取り付ける事
・上縁が地上800mm以下、下縁の高さが地上250mm以上の位置に取り付けられている事
・照明部の最外縁は自動車の最外側から400mm以内に取り付けられている事
・点灯状態を運転者に表示する装置を備える事

フォグランプの色は何色がよい?

いきなり固い内容となってしまいましたが、まずフォグランプとして使ってよい色は、白色または淡黄色という事がお分かりいただけたかと思います。…ということは、黄色系のフォグランプも使用してOKなのに、最近は減っているということになりますね。では、黄色系も使ってもいいのになぜ白色が増えているのでしょうか?

本来は水の粒の集まりである霧の中で視認性が高いのは赤色と言われており、最も透過性が高く遠くまでよく届くそうです。ところが、赤色の灯火の使用は尾灯やパトランプ(警光灯)などにしか認められないため、前照灯や霧灯には使用することができません。

そのため、赤色光に次ぐ霧中透過性を持つ中間の波長の黄色光が良いとされ、反射して運転者の視界を妨げない単色光の黄色が、過去には霧灯に多く使用されたのです。しかし、単色光が運転者に錯覚を起こさせたり、距離感をつかみにくいという現象が知られるようになり、遠距離は黄色、近距離は白色の光が照射されるように色分けされた電球も流行しました。そして、現在は白色が使用される割合が高く、前照灯と同じようにHIDや色温度が高く青白い光を発するものが流行となっています。

ちなみに、2006年以前の保安基準では、光度が1万カンデラ以下という規定もありましたが、現在は撤廃。それに伴い、以前より明るくて眩しいライトが増えていると思われます。また、日本では霧灯の使用についての法的基準は特になく、「夜間やトンネル内等、前照灯が必要な場合は原則ハイビームで走行し、先行車や対向車がいる場合はハイビームを消してロービームにするか、フォグランプで走行すること」とされています。

では、自動車メーカーのオプション設定はどうか?

かつては、ディーラーオプションなどでフォグランプが用意されている場合、白と黄色を選べることが多かったように思います。しかし、最近は黄色のフォグランプ自体を設定していないケースが多いようです。では、売れ筋のクルマはどうなのでしょうか?調べてみました。

●軽自動車
・N-BOX:ホワイトのみ(LED)
・タント:白のみ(LED)
・ワゴンR:黄の設定あり(白・黄を用意/IPF)

●乗用車
・アクア:白のみ(ハロゲン)
・カローラ:白のみ(LED)
・フィット:黄の設定あり(ハロゲンは白・黄を用意。LEDは白のみ)

売れ筋のクルマに限って言えば、黄色のフォグランプを設定している車種もありますね。販売台数が多いということは、さまざまな用途やユーザーの嗜好に対応する必要がありそうです。それほど売れるものではなくても(黄色のフォグの)設定はしておこうという、自動車メーカー側の配慮かもしれません。

黄色のフォグが減っている理由

これまでの内容から考察すると、黄色のフォグランプが減っているのは、特に白が視認性に優れているからという理由ではないようです。また、黄色から白になると色温度は上がりますが、光の強さである光度が上がるわけではないので、色味よりも光の強さ自体の方が視認性には影響が大きいと考えられます。

最近はHIDやLEDの前照灯などが増えつつあり、白系の灯火類を装着している率が高いようです。見た目重視で、フォグランプも光度が高い同色系が好まれていると思われます。

いかがでしたでしょうか?フォグランプ黄色が減っている理由を調べてみましたが、一番の理由は「流行」という結論となりそうです。

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