回生ブレーキってどんな仕組み?メリット・デメリット【プロが解説】

減速エネルギーにより発電するシステム

トヨタ プリウス 1.8L 2ZR-FXE エンジン+モーター


「回生ブレーキ」という言葉が自動車の世界で広まったのはハイブリッドカーの登場によります。つまり1997年にトヨタがプリウスを発売したときから一般ユーザーが回生ブレーキを利用するようになりました。この自動車用語以外で「回生」という言葉を目にするのは「起死回生」という四字熟語くらいでしょうが、その意味は「蘇る」ことです。つまり回生ブレーキというのは、なんらかのエネルギーを蘇らせることなのです。

具体的には、減速エネルギーを蘇らせます。従来のクルマではエンジンブレーキ、メカニカルブレーキ(ディスクブレーキやドラムブレーキ)を使ってクルマを減速させます。エネルギーというのは何かに変換する必要がありますが、メカニカルブレーキでは摩擦を利用して運動エネルギーを熱エネルギーに変換しています。エンジンブレーキも、ポンピングロスを利用しているので同様です。いずれにしても、熱になって放出しています。つまり捨てているのです。

ハイブリッドカーの燃費には回生が効いている

トヨタ プリウス 2018


回生ブレーキというのは、その捨てているエネルギーを蘇らせます。具体的には、駆動用モーターなどの抵抗によって車両を減速させ、その運動エネルギーによってモーターを回すことで発電しています。外部充電機能を持たないハイブリッドカーのバッテリーを充電するには発電用モーターをエンジンで回すということもありますが、基本的には減速エネルギーを利用した回生ブレーキによって行ないます。従来は捨てていたエネルギーを電気に変換して溜めておくのです。

溜めた電気は、駆動に使います。捨てていたエネルギーを利用できるのですからエネルギーの収支が変わってきます。ハイブリッドカーが燃費に有利であるメカニズムのひとつが、この回生ブレーキによる充電とモーター駆動にあるのです。


回生ブレーキだけで停止までコントロールできる

ブレーキペダル


この回生ブレーキは、ほぼすべてのハイブリッドカーが持つ機能です。ISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)を採用したマイルドハイブリッドでは、エネルギー回生による部分が、ほぼ唯一の燃費改善要素といえるほどです。モーターが大きくなるほど回生ブレーキによる発電量も増えます。PHEVやEVは下り坂で航続可能距離が増えるというのは、回生ブレーキによってそれなりにバッテリーが充電されるからです。

このように強力な駆動用モーターは、強い回生ブレーキ力を発生させることができます。エンジン車においてエンジンブレーキはあくまで補助的な減速機能で、停止はメカニカルブレーキが担当しますが、大きなモーターを積んだ電動車両であれば停止まで回生ブレーキによって行なえます。その一例が、日産のe-POWERでドライブモードを選ぶと味わえるワンペダルドライブです。ノートe-POWERなどはメカニカルブレーキをまったく使わずに停止することが可能です。また、多くのハイブリッドカーでは回生ブレーキとメカニカルブレーキをミックスして、エネルギーを上手に利用する仕組みが採用されています。

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