格好いいのに…!なぜSUVはスクエアボディが少ないのか?

スクエアなクロカン4WDに共通する点

メルセデス Gクラス(W460)1982年

スクエアな形のクロカン4WDには、ある共通点があります。それは、どのモデルにも長い歴史があることです。SUVが登場する以前は、背の高い四駆と言えば、クロカン4WDでした。

日本にもトヨタ ランドクルーザーや日産 サファリ(パトロール)、三菱 ジープ/パジェロ、いすゞ ビッグホーン、そしてスズキ ジムニーといった四駆が市場を賑わしていました。海外では、ランドローバー ディフェンダーやメルセデス・ベンツ Gクラス(ゲレンデヴァーゲン)などがありました。

これらはすべて、アメリカで生まれたジープを目指して造られています。そして、80年代までは、どのモデルもスクエアだったのです。

スクエアなボディにはメリットが多い

トヨタ ランドクルーザー 70

ジープがスクエアだったのには、いくつかの理由があります。軍用車だったジープは、大量生産する必要があります。天板を折り曲げるだけの四角いボディであれば、コストを下げられ、生産効率もグッと上がります。

第2の理由は、四角ければ車両の四隅を感覚的に掴みやすいからです。オフロードには様々な障害物があり、時として車両がギリギリ通れるような空間を走らなければなりません。そんな時に必要になるのが、車体の大きさを正確に把握することなのです。

第3の理由は、積載性です。ランドクルーザーが僻地などで使われているのを見ると、人も荷物も満載状態で走っています。スクエアであれば、少しでも多くの人や荷物を載せることができます。

こうして列挙すると、スクエアなボディにはメリットが多いように思われますが、なぜ昨今のSUVは異なっているのでしょうか。

なぜSUVはスクエアなボディが少ないのか

スズキ ジムニー 2018

第1に考えられるのは、エクステリアデザイン。90年代前半に、ライトクロカンやSUVといったカテゴリーが誕生します。これらはクロカン4WDのようなスクエアなボディではなく、ステーションワゴンのような曲面を多用したボディが採用されていました。それは、より都市部にマッチし、どんなシチュエーションでも肩肘張らずに乗れるという主旨からでした。

さらに燃費性能がいいということも、大きな理由です。四角いボディは空間効率が良くても、空力的には投影面積が大きいために不利。それが燃費の悪化に繋がってしまうわけです。

2000年代は世界的にガソリンが高騰し、どのクルマでも燃費性能が重視され始めた時期です。大きなボディのSUVはその多くがモノコックボディを採用し、軽量化に努めました。さらに、ボディを空力性能を上げたデザインにすることも求められたのです。

安全性という点も忘れてはなりません。特に歩行者保護性能を考えると、やはりフロントノーズがスラントしたボディデザインの方が有利です。もちろん、最新のGクラスやジムニーなどはバンパーの形によって十分な歩行者保護性能を考慮していますが。

そして、最後に付け加えるなら、デザイン上の個性の出しやすさも要因と言えます。四角いボディだと、なかなか個性を演出するのが難しいと言えます。現行型ジムニーが、エクステリアパーツを多少変えるとGクラスやディフェンダーそっくりになってしまうことが、それを表していると言えるでしょう。

ただし、昨今のSUVを見回すと差別化が非常に難しくなっており、ユーザー側も少々食傷気味になっています。そのため、ジムニーのようなスクエアなデザインが再評価されているのかもしれません。

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