最近、フラップタイプのドアハンドルが減ってきた理由

ドアハンドル フラップタイプ

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ドアハンドルには、ドア外側のアウタードアハンドル(ドアアウトサイドハンドル)、ドア内側のインナードアハンドル(ドアインサイドハンドル)のほか、バックドアハンドル(テールゲートハンドル)がある。年々、インナードアハンドルの形状も変わってはいるが、アウタードアハンドルの方がより変わっているのだ。高級車を中心に多くあったフラップタイプのドアハンドルが減ってきた理由とは?

文・塚田勝弘
Chapter
今はグリップタイプが主流?
フラップタイプは利点もあるが欠点もある
ホンダS660はユニークなフラップタイプ

今はグリップタイプが主流?

日産 マーチのアウタードアハンドルは、大きなくぼみ(凹み)の上にハンドルがまたぐように配置されている。これは、ネイルなど爪を伸ばしている女性でも開閉しやすく、爪や車をキズつけないための配慮で、カワイイ見た目だけの造形ではない。なお、マーチはインナードアハンドルにも同じ配慮が見られる。

ノートなど他の車種にも同じような形状が見られ、他メーカーでもこうした配慮をしている車種がある。余談だが、あまりに爪を伸ばしていると運転に支障がありそうという他の心配もしたくなるのだが。

マーチも採用しているのはグリップタイプで、コスト的には少し割高だったが、近年ではこうしたコンパクトカーや軽自動車でもグリップタイプが増えている。長い爪を守るにはグリップタイプの方が形状的にも作りやすそうだ。
さらにほかの利点は、グローブなどをしていても操作がしやすいため、クロカン4WDなどもグリップタイプが主流だ。ただし、ジャガーランドローバーがヴェラールなどで採用しているように、普段はアウタードアハンドルが格納されていて、ドアロックを解除すると電動で自動的に展開(出てくる)するタイプも出現してきた。

スマートな見た目に加えて、スポーツカーであればわずかで空力性能を向上させる効果も期待できそうだ。

ほかにも、フォルクスワーゲンなどの欧州車がグリップタイプを採用し続けているのは、万一の事故時にロープやフックなどを引っかけて救出しやすいようにするという安全上の理由もある。

フォルクスワーゲンなどでは、メーターの30km/h、50km/hなどの目盛りが赤く色分けされている車種もあるが、ひと目で街中などの制限速度が分かる配慮で、これも安全上の設計思想といえる。

フラップタイプは利点もあるが欠点もある

減ってきている印象のフラップタイプは、文字どおり、飛行機の主翼の一部にあるフラップのような形状で、上を支点にカパッとドアハンドルが動く。軽い力でも操作が可能で、小さく作ること、部品点数も減らせることからコスト低減にも向く。

一方で、ボディ側に爪によるキズもつきやすく、古いクルマでフラップタイプなど、塗装に小さな傷がたくさん付いているのを見かけることがある。

ホンダS660はユニークなフラップタイプ

いまでもスズキ アルトや商用系の軽自動車(フロントドア)など、フラップタイプを採用しているモデルもある。ホンダのS660は、前側を支点にして開く細長いフラップタイプの一種で、スポーツカーらしいこだわりが感じられる。

これなら小さなキズも目立ちにくそうだ。さらに先述したように、どれくらいの差があるか分からないが、ハンドル部が飛び出しているグリップタイプよりも空力性能の面でもフラップタイプの方が有利のように見える。

なお、ミニバンや軽自動車などのスライドドアもグリップタイプがいまでは大半だ。ドアを「引く」ことで自動的に開閉するなどの操作には、より操作した感覚があるためグリップタイプのほうが向いているのかもしれない。

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