パンク修理キットを使うと、タイヤの完全修復ができないって本当!?

タイヤ パンク

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クルマの走行中のトラブルで、バッテリーあがりの次に多いのがタイヤの「パンク」です。最近のクルマは、スペアタイヤが装着されておらず、パンク修理キットが車載されていますが、じつはこの修理キットを使うと、タイヤ交換や修理がやりにくくなることがあるのです。今回は、パンク修理キットを使ったときのデメリットについて解説していきます。

文・赤井福
Chapter
パンク修理キットとは
キットを使ってもずっと走れるわけではない
パンク修理キットを使うとタイヤの修理ができない

パンク修理キットとは

スペアタイヤが装備されないクルマでは、トランクルームの下やトランク側面の裏にコンプレッサーとボトルで構成された「パンク修理キット」が用意されています。

コンプレッサーは、文字通りタイヤに空気を送るためのもので、シガーソケットに接続する電源コードが付いています。一方、ボトルには補修材が入っており、タイヤのエアバルブに接続するためのホースが付いています。

それぞれ個別に使用するものと、コンプレッサーとボトルが接続されたものがあり、使用法が異なります。

コンプレッサーとボトルが接続されたものは、コンプレッサーの発生する圧力で、ボトル内の補修材をタイヤ内部に流し込み、同時に空気を送ります。タイヤが指定空気圧に達したら、パンク修理キットを取り外し、5kmほど走行し、補修材をタイヤ内部にいきわたらせます。その後、
再びコンプレッサーをつなぎ、指定空気圧に調整したら、応急修理は終了です。

タイヤ側面が裂けてしまったり、4mm以上の傷がある場合などには、パンク修理キットでの修復は不可能です。

キットを使ってもずっと走れるわけではない

あくまでもパンク修理キットは応急処置用です。パンクしたタイヤは、すみやかに交換する必要があります。また、車載されている補修材は、タイヤ1本分なので、こちらも補充する必要があります。

パンク修理キットを使うとタイヤの修理ができない

通常、パンクは、タイヤのトレッド面に刺さっている異物が原因で起こります。この場合、異物を抜き取り、穴が開いている部分にプラグと呼ばれる修理材を打ち込むことで修理できます。タイヤ修理ができるディーラーやカー用品店などで、数千円でやってくれます。

ところが、パンク修理キットではタイヤ内部に補修材を流し込んでしまうため、パンクしたタイヤは交換するしかありませんし、ホイールにも補修材が付着しているので、再使用の際には清掃作業が必要です。

もしも近隣にパンク修理をしてくれそうなディーラーやカー用品店、GSなどがあり、自走でたどり着けるなら、パンク修理キットを使用せず、修理をお願いしたほうが良いかもしれません。

また、タイヤが完全に潰れた状態であっても、コンプレッサーと補修材が別になっているタイプの場合、タイヤに刺さった異物を抜かずに、コンプレッサーだけでタイヤ内に空気を送り、ある程度走れる状態にすることができるかもしれません。

よぼど気をつけていても、避けることができないのがパンクです。そのため、クルマにはパンクに備えたスペアタイヤや補修キットが装備されています。

もしも愛車がパンクをし、スペアタイヤがなく補修キットが車載されていたら、タイヤの溝の残り具合、近隣でタイヤを修理できる場所、パンクの状態を総合的に判断して、補修キットの使用を決めたほうが良いでしょう。

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文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。
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