タイヤを「裏組」するとタイヤが長持ちするって本当?デメリットはある?

タイヤ交換

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タイヤには寿命があり、日々消耗していくものです。

いざ交換となると大きな費用もかかるだけに、できるだけ長持ちさせたいところです。

メンテナンスや保管方法など、延命措置はいくつかあるものの、どうやら「裏組」と呼ばれる手段があるようです。どのような方法なのでしょうか?

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
タイヤの裏組とは内側と外側を入れ替えること
裏組ができないタイヤも

タイヤの裏組とは内側と外側を入れ替えること

裏組とは、タイヤの内側と外側を入れ替えてホイールに組み直す方法です。タイヤを最後まで使い切るための延命方法として知られており、タイヤの片側だけが擦り減っている偏摩耗に対応するために用いられます。

偏摩耗を誘発しやすいローダウンしている車や、スポーツ走行をするために足回りに調整を施したモデルでは、後ろから見るとタイヤが「ハ」の字のように見えることがあります。

これは、純正の車よりもホイールにキャンバー角が付いた状態となっているためで、タイヤの内側が路面と接地したまま走行することになります。

この状態で走行すると発生するのがタイヤの偏摩耗(ここではタイヤの内側だけがすり減った状態)であり、タイヤの外側の溝にはほとんど影響がないというシチュエーションが生まれます。

これを利用するのがタイヤの裏組であり、タイヤの裏表を換えず位置だけを変えるローテーションとは異なる技法です。

この内側が減ったタイヤの内側と外側を入れ替えて組み直すことで、タイヤの片側だけが減ることを抑制でき、長くタイヤを使うことができるのです。

裏組ができないタイヤも

しかし、中にはできないタイヤも存在しています。

まずは、偏摩耗しすぎているタイヤです。いかに、タイヤを使い切るための技法とはいえ、タイヤの内側がすり減りすぎてワイヤーが見えてしまっているようなタイヤは裏組しても使うことは危険です。

また、内側と外側が指定されているタイヤも裏組はできません。タイヤによっては、タイヤのサイドウォールに「INSIDE」「OUTSIDE」と刻印され、内側と外側が指定されていることがあります。このようなタイヤは、正しい向きで装着されること本来の性能を発揮するように設計されており、タイヤの内側と外側で異なるトレッドパターンやコンパウンドが採用されていることがあります。このようなタイヤを裏組してしまうと本来の性能を発揮できなくなり、問題が生じる可能性があります。

また、ローテーション(タイヤが転がる方向)が指定されているタイヤもありますが、こちらは裏組が可能。

単純に内側と外側を組み替えるだけだとローテーションが逆になってしまいますが、右で使っていたタイヤを左側に持っていくことで、ローテーションを守りながら裏組をすることができます。

ローテーションは、タイヤのサイドウォールなどに刻印されている場合がほとんどなので、裏組する前に間違えないよう必ず確認することが必要です。

裏組は、タイヤの延命方法としては最後の手段に近い手法です。そして、全てのタイヤで裏組ができる訳ではありません。

裏組をする場合には、専門店やプロショップ等しっかりした知識のある人に相談した上で、検討しましょう。
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