911カレラSにも採用!ポルシェの「リアアクスル ステアリング」とは?

日本人としては、すでに枯れた技術だったはずなのに…

ポルシェ カレラ S 2016

空冷から水冷、4WDは電子制御、そして911以外はミドシップを積極的に採用と、ポルシェが変化してきています。

昔ながらのポルシェオーナーと言えば「ジッポーと911は男の最後の砦」などと言ってしまうくらい保守的なユーザーも多かったのですが、ここに来て世界中で売りさばくには最新技術もどんどん取り入れなければいけないと思ったのでしょうか。991型からポルシェにも4WS化の波が到来しました。

とはいえ、日本人なら4WSは昔ながらの馴染みの技術。むしろ流行りの廃れたほうだとすら考えてしまう技術ですが、世界中で販売される高級国際戦略車では、いまがむしろ旬と言えます。

ある意味では、そこまで枯れてこそはじめて新技術を採用するのが、高級車たる所以なのかもしれません。

ポルシェ4輪操舵の元祖は、1978年の928

ポルシェ 928 S

そんなポルシェですが、じつは機械的な後輪操舵においてはパイオニアであったりします。HICASどころかナチュラル4WSのニシボリック・サスも無かった1970年代、1978年デビューの928に採用された「ヴァイザッハ・アクスル」がそれです。

コーナリング中の横Gがある程度を超えると、サスペンションのリンク機構の働きでアウト側のリアが最大2°ほどトーインになることで、テールハッピーを防ぐという、いわばリア片輪操舵でした。

しかし、特別に動力などを必要とせずリンク設計のみでリアの安定性を実現してしまうという発想は秀逸で、メルセデス・ベンツなど高級FR車でも後に同じような機構を実現し、日本車でもマツダのSSサスペンションなど、FF車の急激なテールブレークを防ぐ妙案としても採用されています。

なにごとにも保守的、よく言えば基本設計から完成度が高すぎるため、技術的なブレイクスルーを連続して行わないポルシェにしては珍しい話ですが、928が”北米向け高級ラグジュアリーGT”という、ポルシェとしては新分野だったからこそ可能だったのかもしれません。

次ページついに実現したリアアクスル ステアリング

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事

アヘッド Car & Motorcycle Magagine ahead archives