8,000回転をキープして車を走らせたらどうなる?やはり壊れてしまうのか?

ハンドル 運転

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エンジンが最高出力を発生する回転数は千差万別。レッドゾーンも6,000回転だったり、8,000回転だったりとさまざまです。そんな最高回転数に近いところでエンジンを回し続けたら、どうなるのでしょうか?
Chapter
現代のクルマではありえない話?
限界への挑戦!
最悪、急激な温度上昇だけで壊れることも
運が良ければ壊れずに済みます

現代のクルマではありえない話?

最近のクルマであれば、コンピュータがすべてを管理しているため、無茶なことをしようとしても、通常は「そんなものは願い下げ」とばかりにクルマのほうで制御してしまいます。

基本的にはドライバーのやりたいことを現実的な操作に変えてエンジンやミッションその他を制御している”半自動運転車”が現代のクルマの正体ですが、クルマが壊れるような制御は行いません。

電子制御スロットルシステムなら、AT車の場合、いくらアクセルを踏んでも効率的な回転数に収まるようにミッションを制御してきますし、マニュアル車も含め、理不尽なアクセルの踏み方をしたとしても自動でスロットルを絞ってしまいます。

現代のクルマでは、そもそも”限界付近でエンジンを回して車を走らせる”こと自体が、ハイパフォーマンスモデルのサーキット走行モードくらいでしかありえない話なので、高回転でエンジンを回し続けることができるのは、電子制御スロットルがついていなかった時代のクルマということになります。

限界への挑戦!

※画像はイメージです

筆者は、電子制御の入ってない時代のクルマで、長時間全開走行を行ったがあります。スピードリミッターもレブリミッターもなく、アクセルを床まで踏んでとにかく全開です。

走るための必要な最低限を装備を残して、いらない物は全部外し、重量軽減のため後付けメーターもなし。計器は、純正の水温計のみで、油温計すらありません。そこでなにが起きたかというと、まず数十分で安定していた水温が上昇しました。

一般的に走行中の水温計は、よほどの温度にならなければ通常上がる位置以上には上がりません。高速走行中にも関わらずそれが上がっているということは、マズイ状況です。とはいえオーバーヒートの兆候はなく、エンジンも快調に回っていたので、そのまま踏み続けていました。すると、約2時間ほどで、エンジンになにかがひっかかるような振動が発生。思い切りパワーダウンしたのを感じました。

細かい事は気にしない性格の筆者でも、さすがにそれはマズイと思ってクラッチを切りながらアクセルを緩め、慣性で走りながら感触を確かめるようにアクセルをジワジワと操作すると、パワー感は無いもののスロットルが無反応というわけでは無さそうです。

バックミラーで確認しても、白煙などは吹いていないのでエンジンやタービンのブローでは無いと判断し、とりあえずハーフスロットル以上は踏まず、クーリング走行に移りました。

水温計の針を見て、ちょっと冷えたかなと思ったところで、もう一度アクセルを床まで踏むとパワー復活!ただし5分もしないうちにまたエンジンがガボガボとグズり出すので、その先はまたクーリング走行に戻しました。

最悪、急激な温度上昇だけで壊れることも

前述は昔話ですが、水温でも油温でも、冷却性能を超えた場合は、まずそれらの温度が上がってきます。これは軽自動車であろうとF1マシンであろうと程度の問題で、どんなクルマでも冷却性能の限度を超えれば同じことが起こります。

ここで極端に耐久性に劣るエンジンや、いわゆるハズレのエンジンだと、エンジンブローやタービンブローを引き起こすこともあるでしょう。

クルマのエンジンや補機類のなかには、ヘッドガスケットなど各種ガスケット、シール類などの消耗品があり、短時間の無茶には耐えても、それ以上は”飛んでしまう”(吹き抜けてしまう)場合もありますし、急速に劣化することもあるでしょう。

また、オイル交換を極端にサボっていたり、長時間放置していたクルマ、濃い燃料でパワーを出しているエンジンなどの場合、エンジン内部にたまったスラッジ(ススなどの不純物)が剥がれて、エンジンオイルなどの流路を塞いでしまうこともあります。

運が良ければ壊れずに済みます

筆者が当時乗ったクルマは普段から、エンジンをガンガン回していたうえに、いわゆる「アタリ」のエンジンだったようで、かなり過酷な状態だった割には、壊れずに済みました。もともと頑丈なことで定評があったり、素性が良くて普段から高回転を多用しているエンジンの場合は、そういうこともあります。

では、あのガボガボ言いながら引っかかったようにパワーダウンした現象はなにかと言えば、ガソリンのパーコレーションが原因でした。

なにしろ古いキャブレター車でしたから、ガソリンがキャブレターに到達するまでに気化してしまうと燃料パイプ内に気泡が発生して、結果、エンジン内部で爆発燃焼するための量が不足します。

それゆえ急激にパワーダウンはしたものの、クーリング走行で本来の温度に戻れば、キャブレターに通常のガソリンが入るので調子が戻る、それがパーコレーションです(ブレーキとは違う意味で「ペーパーロック現象」と言う場合もあります)。

燃料を加圧噴射するインジェクション(燃料噴射式)のエンジンでは起こりえないので、昔のクルマでもインジェクション式のエンジンだったら、パーコレーションも起こさずエンジンブローするまで走ったかもしれませんね。

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