ホイールベースが伸びると、クルマはどうなるの?

ホイールベースとは、どこのこと?

日産 スカイライン V37 ホイールベース

ホイールベースは、クルマを真横から見たときの、前タイヤの中心から後タイヤの中心までの長さを指します。その長短によって、後席の居住性や、運動性能に違いがあらわれます。

20年前と比べ、近年の自動車は大型化が進んでおり、乗用車(特にセダン)のホイールベースが伸ばされる傾向にあります。

たとえば、トヨタ クラウンの場合、1987年に登場した8代目が2,730mmだったのに対し、現行14代目は2,850mm。日産 スカイラインでは、1985年に登場したR31型が2,615mmで、現行V37型は2,850mm。ホンダ アコードは、1989年に登場した4代目は2,720㎜、現行10代目は2,830㎜。

さらに、オーバーハングを短くして、ボディ4隅に近いところへタイヤをレイアウトするクルマが多くなっています。これは「居住性の向上」、「操縦安定性の向上」を重視した商品企画が行われているためです。

ホイールベースが長いとどうなる?

レクサス LS 500 2018

ホイールベースを延長することによって得られる一番のメリットは、「居住性の向上」です。特に後席の足元スペースを広くすることで、足が組めるようになったり、後席の足元に余計に荷物が積むことができたりと、ほんの数センチの差であっても、想像以上にその効果は大きいのです。

また、直進安定性に優れる傾向にあります。わかりやすいのが高速道路なのですが、走行中に外乱を受けても、直進を維持しやすくなります。また進路を修正するときも、ゆったりとした動きとなり、滑らかな余裕のある修正ができます。反対に、きびきびとしたハンドリングは失う傾向にあります。

その次にメリットがあるのが乗り心地、と言いたくなるのですが、じつはロングホールベースによる効果はほとんどありません。改善するのは、前後輪が段差を乗り越えた際のピッチが小さくなることで、ドライバーの前後方向への頭の振られが減り、それによって安心感が増します。つまり、段差のショックや振動はさほど変わらないので、根本的な乗り心地の改善にはつながっていないのです。

「ホイールベースは長い方が乗り心地は良い」というレビューをネットなどで見かけますが、これはホイールベースを延長したことによって車重が増えたぶん、ボディがその場に居続ける慣性力が増し、揺れに影響されにくくなったことを感じている、とみてよいと考えます。

デメリットとしては、小回り性能の悪化です。フロントのタイヤが切れる最大角は、フロントのサスペンションレイアウトによって決まりますので、サスペンションジオメトリーをいじっても最小回転半径を小さくすることはほぼできません。

そのためシンプルにホイールベースを延長すると、そのまま回転半径の悪化につながり、極端に長い場合は、取り回しに苦労することを受け入れなければなりません。

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