ネット上で見かけるスバルの"郵便ポスト"というワード。これってなに?

エアダクト

※この記事には広告が含まれます

スバル車のボンネットに付いているあの部分、一部では"郵便ポスト"と呼ばれています。しかし、ポストと言っても投函するものは手紙ではありません。今回は、その郵便ポストと呼ばれるスバル車のあるパーツの正体を解説します。
Chapter
スバル車のボンネットにある「郵便ポスト」
入れる物は手紙ではなく空気
決して飾りではない

スバル車のボンネットにある「郵便ポスト」

スバル WRXとレヴォーグには、正面から見た時、ボンネットの中心近くに口が空いています。そこが、いわゆる「郵便ポスト」です。

少し前のスバル車には、ほぼ取り付けられていたのですが、よく見れば取り付けられた車両はすべて過給器付き(ターボ)モデルでした。つまり、「郵便ポスト」はターボ車に目的をもって設けられた構造であり、決して無意味な飾り・デザインではないのです。

入れる物は手紙ではなく空気

郵便ポストの下にあるのはインタークーラー。このパーツの仕事は、ざっくりいうと空気の温度を下げることです。温度を下げるために走行風を利用しています。

過給器付きモデルにインタークーラーが必要になる理由は、エンジンの吸入空気量に関係します。ターボやスーパーチャージャーは、過給器とも呼ばれる空気を圧縮する装置です。多くの空気(酸素)をシリンダーに送り込み、より大きな圧縮比を実現します。

ただし、空気は圧縮されることによって温度が上がり、体積が膨張してしまいます。つまり、せっかく過給器を働かせても、机上で計算した数値ほど吸入空気量を増やすことが難しくなり、エンジンは酸素不足を起こします。そこで、空気を冷やすインタークーラーというパーツが必要になるのです。

スバル車のエンジンは、軽自動車を除いて伝統的に水平対向レイアウトを採用しています。水平対向レイアウトは、上下方向には場所をとらないかわりに横方向に広くなる形式。市販車でインタークーラーというパーツを設置する場合、エンジンの上に置くことが都合が良く、走行風を効率的に取り入れるために、ボンネット上に郵便ポストのような口が設置されたというわけです。

郵便ポスト(エアーダクトとも呼ばれる)に投函された(入ってきた)郵便物(=空気)は、インタークーラーに届けられています。

決して飾りではない

以前のスバルは、WRCで活躍したインプレッサ(インタークーラーはフロントに設置されていました)や、軽自動車のヴィヴィオにも設置され、郵便ポスト=速いスバル車の象徴でした。

しかし、2018年4月現在、郵便ポストを装備する車両は、WRX S4、WRX STI、そしてレヴォーグのみ。SUVのフォレスターにも同型のエンジンが搭載されていますが、エンジンルーム内に余裕があるためかフォレスターの場合は、グリルから取り入れた空気をボンネット裏側で整流して、エンジン上部のインタークーラーに届けています。

大きな口の空いたボンネットは、戦闘的だったりアグレッシブな印象を強めることはあっても、フォーマルやジェントルといったイメージにはそぐわないということも、フォレスターから郵便ポストが無くなった理由といわれます。

とはいえ、速いスバルの象徴でもある郵便ポストが、すべての車両から無くなることはないと思います。特にアグレッシブなデザインが身上のWRX系ならなおさら、今後も郵便ポストは継承されてゆくでしょう。

【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細