オートサロンに見るタイヤ戦争

オートサロンに見るタイヤ戦争

アヘッド オートサロン

そのせいか、3日間の開催でおよそ32万人を集客するほどの盛り上がりである。昨年秋に行われた東京モーターショーは、10日間の開催で約77万人の入場者数だったことを考えると、オートサロンがどれだけ重要なイベントかが見えてくるだろう。

そこに目を付けているのは何も自動車メーカーだけではない。実はタイヤメーカー各社もまたココにかなりの力を入れている。オシャレは足元からなのか(?)、クルマをイジるとなるとまずはタイヤ&ホイールから変更という人も多い。だからこそ、それは自然な流れなのかもしれない。

そんなタイヤメーカーを見渡してみると、例えば横浜ゴムは近年の低偏平タイヤの加速に対応すべく、既存のブランドに21インチのラインアップを示唆するかのような参考出品を展開。トーヨータイヤは北米で展開しているオフロード用のタイヤを多数出品し、2018年からそれらを日本でも展開する予定であることを発表した。

YouTubeで派手なドリフト動画を披露しているケン・ブロック選手をゲスト出演させるなど、気合十分である。住友ゴムではダンロップブランドで直後に発表する低燃費タイヤがお目見えし、ファルケンブランドでも2月発売のハイパフォーマンスタイヤを展示していた。

SUVにも乗用車にも対応できる低燃費タイヤを発表したのはグッドイヤーで、低偏平サイズのラインアップも用意するなど、ドレスアップ派にも対応可能な幅広さがウリだ。一方、ブリヂストンはサーキットでのタイムを特化させたスポーツラジアルブランドを新たに打ち出すことを宣言した。

駆け足で振り返っただけでも各社でかなりの方向性の違いが伺えるが、それは日本のユーザーの趣味嗜好が様々な方向へと広がったということではないだろうか。近年はSUVブームであり、それをチューニングする人もこれからは増える。

一方でまだまだミニバンをイジる人間もいれば、サーキットのタイムアタックに興じるユーザーだっている。タイヤメーカー各社はそれに柔軟に対応しているようにも感じた。

どの市場に対してターゲットを絞り、どう攻め込んでユーザーの心を掴むのか? オートサロンにおけるブース展開の違いは、タイヤ戦争の戦略の違いが見え隠れする面白い機会だった。普段はなかなか注目されない黒くて丸い物体には、実は様々な思いが込められているのだ。

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text:橋本洋平/Yohei Hashimoto
自動車雑誌の編集部在籍中にヴィッツ、フォーミュラK、ロドスターパーティレースなど様々なレースを経験。独立後は、レースにも参戦する“走り系モータージャーナリスト”として活躍している。走り系のクルマはもちろん、エコカーからチューニングカー、タイヤまで執筆範囲は幅広い。「GAZOO Racing 86/BRZ Race」には、84回払いのローンで購入したトヨタ86 Racingで参戦中。

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