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正統派ヨーロピアンスポーツタイヤKUMHO ECSTA PS71の実力は?斎藤聡が徹底インプレッション

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インプレッションドライバー紹介

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斎藤 聡


モータージャーナリスト。車両のインプレッションはもちろん、タイヤやサスペンションについて造詣が深く、業界内でも頼りにされている存在。多数の自動車雑誌やWEBマガジンで活躍中。某メーカーのドライビングインストラクターを務めるなど、わかりやすい解説も人気のヒミツ。

KUMHO ECSTA PS71 とは?

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高次元の総合性能をベースにウエット性能を徹底的に強化した正統派ヨーロピアンスポーツタイヤとしてECSTA PS71は開発された。ミドルクラスセダンを中心に置いたスポーツ&コンフォートタイヤでもある。

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3本の太い縦溝と1本の細めの縦溝で構成される非対称リブパターンは、最近のトレッドデザインのトレンドであるが、3本の縦溝は極太といっていいほど太くすることでウエット性能を重視していることも見て取れる。
コンパウンドは、多機能性S-SBR(スチレンブタジエンゴムのなかでも分子構造を精密に制御できるソリューションタイプと呼ばれる合成ゴム)をベースにレジンやシリカを配合することで、ドライおよびウエットグリップ性能を高めている。

タイヤの構造は?

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構造も凝っており、キャッププライ(樽のタガのような役割を持つ)にナイロンとアラミドコードを縒(よ)って作ったハイブリッドコードを使ったハイブリッド・フルキャッププライを採用。
タイヤは高速で回転すると遠心力で外径が膨張する。アラミドコードは引張り強度が強く膨張抑制には適しているが、乗り心地が硬くなりやすい。クムホは、ナイロンコードとアラミドコードを縒って作ることで適度に伸縮性を持たせたハイブリッドコ-ドを使うことで、低中速でのしなやかさと、超高速域ではタイヤの剛性を両立している。
加えて、構造面ではリムと噛みあうビード部に補強材を入れることで横剛性を向上させハンドリング性能と安定性を強化している。

走行インプレッションは?

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試乗して感じたのは、剛性感としなやかさが同居していること。高剛性は主にタイヤの構造からくるものと思われる。
スポーティな性能を目指し、比較的剛性の高いケース(骨格)設計になっているのに加え、ビード部の補強や、ハイブリッドコードによるフルキャッププライなどが効いているのだろうと思う。
一方しなやかさは、トレッドゴムの柔軟性によるところが大きいようだ。比較的しなやかな特性(エンベロープ特性)を持ったゴムを使うことで、微細な振動を良く吸収している。トレッドゴムが変形しすぎると応答遅れや直進安定性を損ないやすいのだが、ケースに適度な剛性があり、ケース設計によって応答性を高めるチューニングが施されているため、ハンドルを切り出した時の鈍さがなく、素直といえる操縦性を実現している。

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しかも、その際トレッドゴムが適度に柔軟性を発揮してくれるので、旋回感はしっとりした感触になるのだろう。
このあたりは、今回試乗車であるボルボV60を提供していただいたオーナーも試乗してすぐに気づいており「乗り心地が良くなっていて、クルマのグレードがひとクラス上がったように感じました」とコメントしている。
とくに街中ではケースのしっかりした剛性感はあるのだが、ゴツゴツした硬さが上手に抑え込まれており、心地よい乗り心地に感じられる。

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操縦性も良かった。シャープで切れ味のいいスポーツ性とは種類が違うので、そのあたりは誤解しないでいただきたいが、ケース設計…特にビード周りの剛性アップが効いているのだろうと思う。ハンドルを切り出した時の応答が良いのだ。
例えば、レーンチェンジなどで指2本くらいハンドルを切り出した時も、ハンドルを切り出した瞬間から応答が立ち上がりスーッとクルマが向きを変えてくれる。トレッドゴムの硬度を上げたり、リブ剛性をさらに高めることでよりシャープな操縦性にすることも可能だろうが、そうしないのは、スポーツ性とコンフォート性をちょっとだけコンフォート寄りの着地点で両立させようとしているからなのだろう。
接地面が広く、ベタッと4つのタイヤが路面に接地しているような感触と、そこからくる安定感があり、特に高速巡航中の安定感・安心感がよかった。

まとめ

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斎藤聡氏としては、バランスが取れた安心感のあるタイヤと言う印象を持ったのではないでしょうか?
各社からリリースされている正統派ヨーロピアンスポーツタイヤの中でも、この春クムホタイヤジャパンから投入されたECSTA PS71は、国産や欧州製に比べれば、当然価格は抑えられています。
安かろう悪かろうは過去の話。安いだけでなく納得できる性能があれば、この選択肢は「アリ」かもしれませんね。

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