初代カイエン(955型)の人気に値するほどの価値を中古で買って確かめてみた。
更新日:2024.09.09
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プレミアムSUVブームの火付け役となったポルシェ カイエン。今回はその初代モデルとなるタイプ955を紹介します。以前乗っていたハマーH2に代わる何か車高の高い車が欲しいと考えていたときに、あまり深く考えずなんの期待もなくカイエンを購入しました。唯一の理由と言えば、「大人気だけど、本当にその人気に値するほどの価値があるのか確かめてみたかった」というくらいです。
文・山里真元|日本スーパーカー協会 事務局 ライティングGT代表ライター
文・山里真元|日本スーパーカー協会 事務局 ライティングGT代表ライター
雑誌の記事や評判とは裏腹にネガティブ要素が…
ポルシェ カイエン(タイプ955)の2004年式を購入しておいて言うのもなんですが、当初はどうせ「カイエンと言えば、エンブレムこそポルシェが付いているものの、結局中身はトゥアレグでしょ」と、わかった気になっていました。
ところが、いざ乗ってみると、期待を裏切らず本当にネガティブな部分が…。エンジンは、排気量3,189ccで184kW(250PS)の出力と、310Nmのトルクを持っているため、そこそこのパフォーマンスを発揮するはずなのですが、いかんせんボディが重い。2,335kgもあるヘビー級ボディのおかげで、0-100km/h加速は9.7秒とその辺の乗用車並み。
日常ユースでは、直線加速が遅いことにはそれほど不満はありませんが、明らかに発進や加速時に車重に対するトルクが足りず、もたつきます。そのせいで、ついつい回転数が上がりがちになり、燃費がとても悪くなるのです。
そう、私が購入したのはもっともベーシックなモデルの3.2だったのです。発売から10年を経過していたので、そろそろ故障も出始めます。V8やターボだと故障したときに部品代が高くつくだろうと、考えての選択でしたが、当初は若干後悔していました。
ところが、いざ乗ってみると、期待を裏切らず本当にネガティブな部分が…。エンジンは、排気量3,189ccで184kW(250PS)の出力と、310Nmのトルクを持っているため、そこそこのパフォーマンスを発揮するはずなのですが、いかんせんボディが重い。2,335kgもあるヘビー級ボディのおかげで、0-100km/h加速は9.7秒とその辺の乗用車並み。
日常ユースでは、直線加速が遅いことにはそれほど不満はありませんが、明らかに発進や加速時に車重に対するトルクが足りず、もたつきます。そのせいで、ついつい回転数が上がりがちになり、燃費がとても悪くなるのです。
そう、私が購入したのはもっともベーシックなモデルの3.2だったのです。発売から10年を経過していたので、そろそろ故障も出始めます。V8やターボだと故障したときに部品代が高くつくだろうと、考えての選択でしたが、当初は若干後悔していました。
考え方次第で本来の性格が開花!まるでスポーツカー
ある時、カイエンに家族を乗せて地方に旅行に行きました。帰り時間が少し押していたのもあり、ワインディングを少し速めに走らせているときです。いつの間にかカイエンを走らせることが楽しくて仕方なくなっている自分に気が付きました。
直6と同じ点火順序を持つ挟角V6エンジンは上まで回すと驚くほどシルキーで気持ちよく、高い回転数を維持し続けることで必要十分なトルクが得られます。
何より驚かされたのは、スタビリティの高さです。あれほどヘビー級だと思っていたボディが、ワインディングでは軽やかに動くのです。ステアリングの切り始めや切り替しでは、ヒラヒラとまでは言わないまでも、想像以上にキビキビと荷重移動するのです。
ロールやピッチングもヘビー級の動きではまったくありません。エンジンがV8より軽い分ノーズの入りも軽く、その動きはまるで、よくできたスポーツカーそのものです。それでいて、同乗している家族にとっても不快な乗り心地ではないというのです。
直6と同じ点火順序を持つ挟角V6エンジンは上まで回すと驚くほどシルキーで気持ちよく、高い回転数を維持し続けることで必要十分なトルクが得られます。
何より驚かされたのは、スタビリティの高さです。あれほどヘビー級だと思っていたボディが、ワインディングでは軽やかに動くのです。ステアリングの切り始めや切り替しでは、ヒラヒラとまでは言わないまでも、想像以上にキビキビと荷重移動するのです。
ロールやピッチングもヘビー級の動きではまったくありません。エンジンがV8より軽い分ノーズの入りも軽く、その動きはまるで、よくできたスポーツカーそのものです。それでいて、同乗している家族にとっても不快な乗り心地ではないというのです。
さすがは、ポルシェ!と言う他ありません。メーカーが発表当時に、「カイエンはSUVではない。新しい形のスポーツカーだ」と、言った意味がわかりました。
これがわかってからは、日常使いでも積極的に一つ下のギアを選択し、気持ちよくエンジンを回してあげることで乗るのが楽しくなりました。燃費は多少犠牲にはなりますが、そこは割り切るほかないでしょう。
これがわかってからは、日常使いでも積極的に一つ下のギアを選択し、気持ちよくエンジンを回してあげることで乗るのが楽しくなりました。燃費は多少犠牲にはなりますが、そこは割り切るほかないでしょう。
ポルシェ カイエン、選ばない理由がない
これほどスポーティーでも、忘れてはいけないのが、優秀な4WDシステムまで備えたオフローダーでもあるということです。デフの走行モードを雪山にすれば、スキーに行くのだって楽々。街中では持て余す大柄なボディも、行楽時は荷物が大量に積めて便利です。
プレミアムSUVと言うほどですから、安く中古を購入しても維持費が高額だと思われがちですが、まったくそんなことはありません。私は購入後4年で3万km乗りましたが、故障らしい故障は一度もなし、灯火類の球切れくらいです。
それもそのはずで、ポルシェは何度も世界一壊れない車に輝くほど、故障率が低いのです。万が一故障しても、車両価格に対して修理部品が割安なのもポルシェのいいところです。
カイエンに対して食わず嫌いの方も、試しに一度味わってみられることをおすすめします。
プレミアムSUVと言うほどですから、安く中古を購入しても維持費が高額だと思われがちですが、まったくそんなことはありません。私は購入後4年で3万km乗りましたが、故障らしい故障は一度もなし、灯火類の球切れくらいです。
それもそのはずで、ポルシェは何度も世界一壊れない車に輝くほど、故障率が低いのです。万が一故障しても、車両価格に対して修理部品が割安なのもポルシェのいいところです。
カイエンに対して食わず嫌いの方も、試しに一度味わってみられることをおすすめします。
山里真元|日本スーパーカー協会 事務局 ライティングGT代表ライター
国内最大手IT社員→ITコンサルティング会社創業を経て、2010年より趣味の車好きが高じて主にスーパーカーやクラシックカーなどのニッチな車の売買相談を開始。インポーター各社とのパイプも太く、国内外新型クラシック問わず幅広くご相談をお受けしています。趣味のツーリングでは、地域密着型のスーパーカークラブを運営し、日本スーパーカー協会事務局としても活動中。国産コンパクト~フェラーリ、ポルシェ、ロールスロイスまで常時5~10台の車を所有する自他ともに認める車バカ。これまでの好きから始まった特別な経験を世の車好きや悩みを抱えるユーザのために少しでも活かしたいと思い各所で執筆活動を展開中。