総入場者数33万人で過去最高記録を更新!東京オートサロン2019が大盛況となった背景

クルマ離れと言われるが、熱心な自動車ファンは増えている。今年も東京オートサロンで、そうした思いを新たにした。
金曜日の初日から多くのクルマ好きが会場となった幕張メッセに押し掛けた。東京オートサロンの公式発表によると3日間の期日における入場者数は次の通り。
文/写真・山本 晋也
※ 2019年1月時点
過去最高記録を3年ぶりに更新
●東京オートサロン2019 入場者数
1月11日(金) 7万8352名
1月12日(土) 12万3179名
1月13日(日) 12万7177名
合計すると33万666名となり、過去最高記録を更新した。ちなみに、初めて入場者数が30万人を超えたのは2015年で、そこから4年で1割近く増えたことになる。ここ2年は高止まりといえる状況で停滞気味だったが、2019年に増えたのにはいくつかの理由がある。
日曜日の入場者が大幅に増えた
その特徴は日曜日の入場者数にある。ここ数年、土曜日の入場者数がピークという状況が続いていたが、2019年は日曜日の閉場時間を一時間後ろにずらしたこともあって、入場者数が増えたことが3日間での記録更新につながったのだろう。
ちなみに、東京オートサロン2015の日曜日に12万9072名が入場したという記録が残っている。2019年においても、日曜日にクロージングしたのは18時(土曜日は19時)となっており、まだまだ伸びる可能性を残しているといえる。
●東京オートサロン入場者数の推移
2015年 30万9649名
2016年 32万5501名
2017年 32万4400名
2018年 31万9030名
2019年 33万666名
日本のクルマ文化の熟成を示す
それにしても、2010年代の後半だけで、これほど東京オートサロンが盛り上がっているというのは「クルマ離れ」というマスコミ報道を事実としてとらえている層にとっては意外なことかもしれない。しかし、東京オートサロンを見続けていれば、こうして入場者数が増えていることも当たり前と感じられるだろう。
東京オートサロン2019で目立ったのは新型ジムニーのカスタマイズカーという声もある。ここ数年、カスタムベースとして魅力的な国産車が続々と出てきていることもイベントの盛り上がりや入場者数増につながっている。2019年にはトヨタから新型スープラが登場するが、そうしたニューモデルもオートサロン的世界観を盛り上がるのに一役買うことだろう。
門外漢からするとオートサロン的な世界観はチューニングされたスポーツカーと思うかもしれないが、スポーツカー、ミニバン、SUV、セダン、コンパクトカーなどなど様々なカスタマイズカーが同居できるのがオートサロンの特徴。多様なクルマ趣味を認め合う土壌が出来上がっている。
チューニングにしても、サーキットでタイムを削り取るものから日本発のモータースポーツといえるドリフトなど様々な方向性が生まれている。
様々なクルマを、いろいろなベクトルでカスタマイズするのがオートサロンの世界。それも、クロスオーバーしているから多様性に磨きがかかる。そして、オートサロンの面白さは増している。
自動車文化というと、ついつい自動車の開発や量産に先んじた欧米の楽しみ方を正しいものとしてしまいがちだが、オートサロンに代表される日本的な自動車カスタマイズの文化が熟成していることも、東京オートサロンの隆盛に感じさせられる。