Mが世界に与えた衝撃

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BMWのラインナップをベースにさらに走りを磨き上げ、ハイパフォーマンスを存分に堪能できるモデルを手がけるBMW M社。もともとはBMWの競技車両を開発し、モータースポーツへの参戦をオーガナイズする組織としてスタートしましたが、現在はM2、M3、M4、M5、M6、そしてX5M、X6Mといった高性能車両の開発を中心に行っています。
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M1は特殊な存在?500台に満たない生産台数
徹底的に手が加えられたE30 M3

M1は特殊な存在?500台に満たない生産台数

そんなMの称号が与えられた最初のプロダクションモデルは、1978年に登場したM1です。グループ4/5のレギュレーションに則って開発が進められたホモロゲーションモデルでしたが、ジウジアーロの手がけた端正なデザインが魅力的な、スーパーカーリーグの一員として記憶されていらっしゃる方も多いでしょう。

このM1は500台に満たない生産台数も含め、ある意味特殊な存在でしたが、Mの存在を確固たるものにした量産モデルとして歴史に名を刻んでいるのが、E30こと初代M3です。1985年にその存在が明らかにされ、1986年から生産を開始したM3は、1982年発表のE30 3シリーズ(2ドアモデル)をベースにして、ツーリングカーレースで活躍することを目的に開発が進められました。

そしてツーリングカーとしてホモロゲを取得するには、1年間で5000台を生産しなければならなかったため、一般に販売される“量産車”もグループAのレギュレーションに適合する仕様が与えられていました。

徹底的に手が加えられたE30 M3

その“特別な仕様”は多岐にわたり、専用の高性能エンジンと大幅にモディファイされたボディを採用するなど、まったくの別物のような独自の存在感を放っています。

エンジンはM1に搭載されたM88型3.5リッター直6から2気筒を省いたような成り立ちを持つ2.3リッター直4DOHCユニットで、最高出力143kW(195ps)/6750rpm、最大トルク229.5Nm(23.4kgm)/4750rpmを発揮。後世に語り継がれる傑作エンジンですが、ボディ・シャシーに盛り込まれた改良も見どころ。

ワイドトレッド化を行うために迫力のあるブリスターフェンダーを採用したほか、エアロダイナミクスを追求しCピラーの角度を変更するなど大幅に手が加えられていたのです。

E30 M3は勝つために徹底的に手が加えられたことで戦闘力を高め、モータースポーツにおいて数々の栄光に輝き、大きな成功を収めました。その一方で、市販ロードカーとしても新しい魅力を訴求することに成功し、カブリオレバージョンまで製作されました。
BMWはモータースポーツへの参戦を見据えた量産車に新たな可能性を見いだし、その後のE36、E46、E90/E92/E93、そして現行モデルのF系と5世代にわたってM3を生産しています。Mモデルがさらに幅を広げ、さまざまなカスタマーに愛される存在となったのは、このM3の存在があったからこそ。これからもM3は、Mの称号を象徴する存在として輝きを放つモデルであり続けるに違いありません。

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