エンジンが『シュンシュン』ってどういうこと!?

無題

※この記事には広告が含まれます

自動車メーカーやその送り出すプロダクトの魅力を語るとき、パフォーマンスやキャラクターを象徴するものとしてエンジンが引き合いに出されます。たとえばポルシェ911。

空冷時代から連綿と続く水平対向6気筒ユニットは、911の、そしてポルシェのアイコンといって差し支えないでしょうし、718ケイマン/ボクスターが4気筒ターボを採用したことは、古くからのファンにとって衝撃的な出来事だったに違いありません。
Chapter
自動車は何によって語られる!?
直列6気筒の危機
直噴とターボと電子制御バルブの最新「直6」

自動車は何によって語られる!?

同じように、「BMWといえば……」という存在なのが“ストレートシックス”、つまり直列6気筒エンジンです。初めて登場したのは1968年のこと。

セダンの2500/2800に搭載され世に出ました。車名の通り、2.5リッターと2.8リッターからスタートしましたが、当初から「絹のように滑らかな回転フィール」という意味を込めてシルキーシックスと呼ばれ、そのスムーズさと高性能によって多くのファンを獲得したのです。

直列6気筒の危機

本来、直列6気筒エンジンは回転バランスに秀でており、振動を抑えて気持ちよく吹け上がるフィールを実現するには恰好のレイアウトでした。

しかし、安全性確保のためにエンジン前部へクラッシャブルゾーンを設けるにあたって、“長い”直6ユニットは不利だったり、前輪駆動との組み合わせが難しいことなどが理由で、いまや直6エンジンを用意する自動車メーカーは少なくなりました。

BMWもダウンサイジングの時流に乗って直4ターボを次々と投入し、先代のM3では直6に代わってV8ユニットを採用。

もはやBMW伝統のストレートシックスの歴史は途絶えてしまうのかと憂慮する声もありましたが、335iなどに搭載されていたN55B30A型 3リッター直6ターボが、新開発のB58B30A型へとバトンタッチ。さらにM2、M3、M4にもこのエンジンをベースとした高性能ユニットが搭載され、ストレートシックスの新しい歴史が動き出したのです。

直噴とターボと電子制御バルブの最新「直6」

この新世代BMWストレートシックスは、スクロール方式のツイン・ターボ・チャージャー、バルブトロニック、ダブルVANOS、ダイレクト・インジェクション・システムなどの最新技術を採用し、340iセダン/ツーリングの場合は最高出力240kW(326PS)、最大トルク450Nm(45.9kgm)を発揮。

さらにM3/M4に組み合わされる高性能版のS55B30A型は、ヘッドやクランクシャフトなどエンジン内部を新設計するなどして317kW(431PS)、550Nm(56.1kgm)にまでスープアップされています。

ターボユニットらしい低回転域からの分厚いトルクが印象的ですが、その一方で過給されているとは思えないシャープなレスポンスや、高回転域までよどみなく吹け上がるスムーズなレブフィールは、BMWのストレートシックスならではのもの。

とにかく抵抗なくシュンシュン回る出来のよいエンジンは、やはりBMWに欠かせない立役者なのです。

商品詳細