目からウロコ!?洗車のプロ「ビューティフルカーズ」村上氏が本当にオススメする洗車方法を紹介!

ビューティフルカーズ

年末といえば大掃除。ついでにクルマも綺麗にして新しい年を迎えたいところです。そこで20年以上にわたりクルマを美しく磨き上げるカーディテイリングを専門とするショップ「ビューティフルカーズ」の店主を勤める村上 篤氏に、洗車のテクニックを幾つか教えて頂きました。

※ カーディテイリングに携わって20年以上経ちますが、ビューティフルカーズは2013年2月オープンです。

文・栗原 祥光

Chapter
洗車のプロ!カーディテイリング村上氏の紹介
プロの洗車に対する考え方
プロが教えるシャンプー洗車のコツ
すすぐ水にも注意!
プロがおすすめする洗車後の仕上げ方法は?
ひと月の最適な洗車回数は?

洗車のプロ!カーディテイリング村上氏の紹介

栗原「まず、村上さんがカーディテイリングを志すきっかけについて教えていただけませんか?」

村上「僕は子供の頃からクルマが好きで、将来の職業はレーサーもしくはレーシングメカニックを志していました。ですので、自動車整備の短大を主席で卒業するほど勉強しました。そして、いざレーシングチームへの就職を試みたんですが…不景気の影響もあり、レーシングメカニックの求人はなくて、仕方なく公務員になりました。そのころ、関東でバイクのレースをやっていた人と知り合いまして、その人がコーティング関連の仕事もされていたことから、興味を抱きました。結局、公務員は2年で退職し、その人の元で下積みを積みました。その後も色々な仕事をしたのですが、頭の中はクルマを綺麗に保つことばかり。2013年に地元の秋田でショップを開業しました」

プロの洗車に対する考え方

栗原「それでは、長年の研究によって編み出した村上さんの洗車に対する考え方について教えて頂けませんでしょうか?」

村上「一般的に洗車は汚れを落とす、綺麗にすると考えがちだと思います。ですが、僕はそうではなく、綺麗なものを綺麗に保つ。新車の状態を長く保つ行為だと考えています。」

栗原「綺麗にするのではなく、新車の状態を保つ?」

村上「もともとクルマは綺麗なものです。ですから、それを維持することに注力して欲しいのです。痛んだものや傷ついたものを綺麗にしようとしても、簡単には綺麗になりません。それは私たちのようなプロの仕事だと考えます。つまり、クルマのお手入れは普段のお手入れと、プロに任せるお手入れを分けた方がいいです。そして綺麗なものを綺麗に保つのはカンタンなんですよ!」

※ 洗車傷、シミ、くすみで傷んだボンネット

栗原「カンタンとは心強いですが、本当ですか…?」

村上「僕は、クルマの美しさを失う要因は3つあると考えています。1つは洗車時につく洗車傷。二つ目は水のシミ。イオンデポジットとかウォータースポットと呼ばれる、鱗状につくシミです。そして最後の三つ目は、自分で塗ったコーティング剤やワックスが劣化したくすみです。これらが汚れを取り込んでしまうと、濁ったような色になります。これらを回避すればクルマはずっと綺麗な状態を維持します。」

栗原「つまり、この3つを回避すれば、クルマは綺麗なままを維持できるのですね!では、具体的な洗車の方法を教えていただいてもよろしいでしょうか?」

村上「洗車自体は車両全体に水をかけ、大きなホコリや砂などを落とした後、シャンプーを泡立てて洗う。その後、水で濯ぎ、水を拭き取る。という4行程のみです。」

栗原「一般的な洗車と何ひとつ変わりはありませんね。」

村上「ですが、このうちシャンプーと濯ぎ、拭き取りの方法といいますか、使う道具や方法にコツがあります。」

プロが教えるシャンプー洗車のコツ

栗原「なるほど。では、シャンプー洗車の方法で村上流メソッドを教えて頂けますか?」

村上「シャンプーで洗う際、ムートンではなく、発泡の穴が大きな柔らかいスポンジを使い、赤ちゃんの頭を撫でるように軽く触れる程度で行ってください。力を入れて洗うと疲れるばかりか、洗車傷の元になります。」

栗原「発泡の穴が大きな柔らかいスポンジで力を入れないと?僕はムートンで洗っているのですが…。」

村上「ムートンは乾燥している時はフワフワしていますが、羊毛は毛ですので濡れると硬いキューティクルが開くんですよ。カンタンに言えば、もともと硬い繊維がさらに傷つきやすくなります。さらに繊維の間に砂が入り込むと絡まって取り出すのが困難です。これらが洗車傷の要因になります。」

栗原「ということは、よかれと思って買っていたムートンが、逆にクルマによくなかったと…発泡の穴が大きな柔らかいスポンジがいいというのはどういった理由でしょうか?」

村上「スポンジでも凹凸のあるものはオススメできません。というのも、突起部分が点接触してしまい圧力が高まってしまうんです。併せて目が細かすぎるスポンジもオススメはできません。目が細かいと砂などの汚れが逃げる場所がないからです。オススメはホームセンターなどで安価で販売している、凹凸のない大きな穴が開いているタイプの黄色いスポンジ。これなら砂とかが穴の部分に入り込みますから、洗車傷をつける心配は少なくなります。」

栗原「なるほど、安いスポンジの方がいいとは目からウロコです。ちなみに村上さんは、独自に洗車用スポンジを開発し、オンラインショップで販売をされておりますね。」

村上「これは目が詰まった非常に柔らかいスポンジなのですが、切れ目が入っているので砂が逃げるようになっています。通常のスポンジよりさらにボディを傷つけにくくなっています。」

栗原「あまり力を入れずに洗うということで、気になるのは虫とか鳥の糞、タールやピッチなどの落としづらい汚れはどうしたらよいのでしょう?」

村上「ついてしまった後はすぐに洗うというのが大前提として、虫や鳥の糞などは、まずは無視して洗ってください。水に濡れることで、これらの汚れはふやけてきます。シャンプー洗車し、濯いだ後に汚れに直接吹きかけて、水で濡らして硬く絞ったマイクロファイバークロスで優しく撫でれば、擦らずカンタンに落とすことができます。」

栗原「専用リムーバーは最初に塗布するのではなく、濯いだ後から塗布するのですね。」

村上「そうです。」

栗原「では鉄粉などはどうすればよいのでしょうか?」

村上「鉄粉除去というと、粘土を使われる方が多いと思います。ですが粘度を使うとキズがつきますのでオススメできません。線路沿いなどのハードな場所でなければ、鉄粉は普通に洗えばほとんど取れてしまいます。それでも付いてしまう茶色いプツプツしたものは、虫や鳥の糞などと同じ方法で、濯いだ後に酸性の洗剤を用いて拭けばカンタンに除去できます。」

栗原「ちなみに鉄粉除去を謳うカーシャンプーもありますが、専用の液体で洗った方がよいのでしょうか?」

村上「市販品の多くは紫色に反応するので効果が高そうですが、実際には大きな鉄粉は落ちないことが多いです。」

栗原「洗車時によく苦労するホイールの汚れですが、これはどのように洗ったらいいのでしょうか?」

村上「これも最初に水洗いをし、中性洗剤で洗った後に専用リムーバーなどで汚れをふき取るのが望ましいですね。ただし、アルミの地肌が見える切削仕上げなどのホイールは、酸性により白く腐食する場合があるので注意が必要です。」

栗原「ホイールを買う時の参考にもなりそうです。」

村上「洗いやすいホイールはスポーク本数が少なく塗装されているもの、ということになりますね。」

すすぐ水にも注意!

栗原「濯ぎは普通に水をかければよいのですか?」

村上「最初にクルマの汚れのうち、水のシミについてお話しましたが、ウォータースポットなどが付くのは、この濯ぎに使う水に問題があります。」

栗原「使う水?」

村上「水道水の中には、ミネラル分が含まれています。ウォータースポットは、水が蒸発してミネラル分が残り付着したものです。例えば雨が降った後、拭かないでいると窓が汚れますよね?ですが洗えばすぐに落ちる汚れでウォータースポットは出来ていない。つまり雨水にはミネラル分が含まれていないんです。ウォータースポットのほとんどは、洗車でついてしまうものなのです。」

栗原「ということは、どうやって濯げばよいのでしょうか…?」

村上「純水を使って濯ぐことをオススメしています。具体的には水道水から純水に変える機械を通した水が最も適しています。」

栗原「自宅にそのような機械はないですし、洗車コーナーを使う場合、そのような事はできないですよね?」

村上「そのような機械がない方は、薬局で販売している精製水やバッテリー補充液として販売しているイオン交換水を買い求めることをオススメします。これらを噴霧器に入れて、シャンプー後に吹きかけるんです。」


栗原「結構お値段かかりませんか?」

村上「コストを重視するのでしたら工業用精製水として販売されているイオン交換水は、20リットル2,000円程度で手に入れることができます。水シミは溶剤を使ってもなかなか落ちづらいものですし、プロに任せると結構な金額になります。ですので、日頃から使われることをオススメします。」

<次のページに続く>
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プロがおすすめする洗車後の仕上げ方法は?

栗原 祥光|くりはら よしみつ

中央大学理工学部卒。通信機器メーカーにて回路設計をした後、長年の趣味であったオーディオへの夢を追い求めて専門雑誌の編集者へと転職。その後、一般誌の編集を経て現在フリーランスのカメラマン&ライターとして主にWeb媒体で活動する。モータースポーツのレポートや新車試乗記のほか、グルメやエンタメ系など幅広い分野で執筆中。

栗原 祥光