花粉によるくしゃみ事故に注意

裁判

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2018年2月2日、花粉症が引き起こしたくしゃみが原因となった交通事故に、禁錮3年執行猶予4年の判決が、松山地裁今治市部で下されました。1名が死亡し、2名が重軽傷を負う大事故ですので、軽い求刑と受け取る方もいたかもしれません。ことの顛末を紹介し、花粉症持ちドライバーの注意点を探ってみたいと思います。
Chapter
花粉によるくしゃみで1名死亡、2名重軽傷の悲惨な事故に!
花粉症による事故の問題点
花粉症の季節の運転マナー
その①:車内に花粉を持ち込まない
その②:花粉症が発症したら、すみやかに停車
その③:飲んだら運転しない
その④:花粉症の季節は運転しない

花粉によるくしゃみで1名死亡、2名重軽傷の悲惨な事故に!

問題の交通事故が発生したのは2016年4月23日午後2時35分ごろ。加害者男性は当時、花粉症の症状で前方を注視しにくい状態にあったにもかかわらず運転を続け、くしゃみの連続でハンドル操作を誤り対向車線に自車をはみ出させて、軽自動車と正面衝突を起こしました。その際に対向車を運転中していた女性が死亡し、同乗していた2名のお子さんが重軽傷を負いました。

その事故により運転者は、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われ、2018年2月2日に禁錮3年執行猶予4年という判決が言い渡されました。

裁判官は「花粉症でくしゃみやかゆみがひどくなった時、容易に駐車できる状況であったこと、花粉症の症状が出た場合、すみやかに運転を中止するべきであり、過失は軽いとはいえない」と指摘しています。

花粉症による事故の問題点

検察の求刑は禁錮3年であったにもかかわらず、執行猶予4年がついたということは、加害者に悪意を認めず、あくまでも不運な事故であったとの認識かもしれません。しかし、この不運は、加害者が少しの時間を惜しまなければ防げたものであり、被害者にとっては納得のいかない事故と判決であることでしょう。

この事故の問題点は、加害者が花粉症を発症したにもかかわらず運転を続け、安全運転義務を怠った点にあります。

道交法では[過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない(第66条)]と定められており、花粉症やアレルギーによる症状が出ている場合はもちろん、薬を服用して睡魔に襲われる可能性が高い場合なども運転を禁止しています。

アレルギー症状により、くしゃみや目が痒くなり涙も出て視界不良になったというのなら、その時点ですみやかに路肩に車両を止めるべきでした。

花粉症の季節の運転マナー

花粉症をお持ちの方には辛い季節になりました。しかも、仕事や生活に車が必需品という方も多いことでしょう。そんな方が安全に運転を行う対策やマナーを紹介します。

その①:車内に花粉を持ち込まない

一般的な対策は、車内に花粉を持ち込まないことです。乗車前に衣類を手で払い、ドアの開閉も短時間で済ませましょう。さらに車内エアコンには花粉除菌フィルターを装備しておきましょう。もちろん窓やサンルーフ、オープンカーならトップの開閉は厳禁です。

それでも心配な方は花粉症対策用のマスクを着用しましょう。本来ならゴーグルもおすすめしたいところですが、警察の検問に引っかかったらあらぬ疑いをもたせそうなので、参考までに。

その②:花粉症が発症したら、すみやかに停車

今回、紹介した交通事故でもっともいけない点は、花粉症が発症したにもかかわらず運転を止めなかったことです。くしゃみにより一瞬注意力散漫になるのは、誰にでも起きること。くしゃみが連続するような場合は、ハザードを点灯して車を停車させましょう。これはぜひ、実行してほしいところです。

その③:飲んだら運転しない

お酒の話ではありません。花粉症の薬には、眠くなったり、ボーッとして注意力散漫になるなどの副作用が出るものもあります。こういった類の薬を飲んでいるなら、運転しないようにしましょう。花粉症の時期だけ、車を運転しなくても仕事や生活に差し障りが出ない方法を考えましょう。

その④:花粉症の季節は運転しない

究極の安全対策は、花粉症の季節だけ運転しないことです。時間がかかっても公共交通機関を使ったり、懐具合に余裕があればタクシーを使用するなどしましょう。

経費や時間はもったいなくも思えますが、事故を起こさず、誰かの命と自分の命や人生を守れるのであれば、安いものではありませんか?

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Source:
www.sankei.com
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