トヨタのかんばん方式ってなんですか?

トヨタ ケンタッキー工場

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日本国内で新車シェア50%以上を維持し続けるトヨタ自動車は、いまや生産台数世界1、2位を争うメーカーへと成長しました。80点主義と揶揄されながらも総じて高品質な自動車を大量生産できる秘密は、トヨタ生産方式にあり。その要となるのが、かんばん方式です。
Chapter
トヨタ生産方式とは?
かんばん方式とは?
かんばん方式の問題点

トヨタ生産方式とは?

トヨタ生産方式を簡単に言えば、徹底的に無駄を省き、効率良く自動車を生産するやり方です。

無駄とは「付加価値を高めない各種現象や結果」。具体的には、作り過ぎ、手待ち、運搬、加工そのもの、在庫、動作、不良をつくるという7つがあり、さらにこれらを即座に改善しない時間を、8つめの無題とすることもあります。

これらの無駄を解消する手法が、かんばん方式なのです。

かんばん方式とは?

かんばん方式は、スーパーマーケット方式とも呼ばれます。スーパーマーケットは毎日の販売予測を立て、顧客に対し過不足ない商品を用意します。商品が足りなければ顧客から不満が出て利益が下がります。余れば廃棄処分となり利益を損害します。過不足ない品物を用意することが、スーパーマーケット経営の基本です。

トヨタでは、部品供給を行うサプライヤーをスーパーマーケット、自動車組み立て作業行う工場を顧客と考えました。

工場で部品が必要な時、必要な量を調達するため、部品箱ひとつひとつに「かんばん」と呼ばれるボードを導入。組み立て工程で部品を使用するごとにかんばんを一つ抜き、それを定期的にサプライヤーに送ります。

その時点で残っているかんばんの数は、工場に在庫されている部品の数ですから、次の発注は使用した分(=抜いたかんばんの数)だけ。かなりアナログですが、現在はデジタル化されたeかんばんに進化。さらにムダを省くことができます。

しかし、そんなかんばん方式にも問題点があります。

かんばん方式の問題点

かんばん方式で工場周辺の渋滞発生

かんばん方式の一番の目的は、組み立て工場で必要な部品を、必要なときに、必要なだけ調達すること。

サプライヤーは、組み立て工程で必要になる時に、必要なんぶんだけ供給しなければならないため、納入時間が部品ごとに決められています。納入時間内でなければ部品を納品できないのです。

納入時間に遅れるわけにはいかないトラックドライバーは早めに到着し、工場周辺で納品時間を待ちます。そのトラックの停車が周辺道路に渋滞を発生させ問題となっています。

現在ではトヨタが工場周辺の停車を禁止としたため、近隣のコンビニや高速道のSA・PAの駐車場が常に満車状態になり、迷惑に感じている人も多いようです。

サプライチェーンの負担

かんばん方式は極力工場内に在庫を持たず、発注したらすぐに納品してもらうもの。サプライヤーは通常、かんばんを受け取ると翌日納品なのだとか。つまり、サプライヤーが在庫を持たないと機能しない生産方式でもあります。

トヨタからサプライヤーに毎月生産予定数が伝えられ、用意するように注文が出るようですが売買契約を結んでいないので、売上は納品数のみ。

用意した部品をすべて納品できれば問題ありません。

しかし、工場の生産台数が予定通りに行くとは限りません。天災は仕方ないとしても、工場の火災や爆発などでラインが停止しても、トヨタは用意した部品を引き取らないので、サプライヤーは売上が上がりません。

かんばん方式がサプライヤー泣かせと言われる理由のひとつとなっています。

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