D型ハンドルはなぜスポーツカーに多く採用されているのか?

フェラーリ 488 GTB D型ステアリング

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F1などフォーミュラカーで採用されたことに始まり、現在ではスポーティな車種やスポーツグレードにも採用されているD型ハンドル。なんとなくスポーティなイメージがあるD型ハンドルですが、どんなメリットがあるのでしょうか?
Chapter
D型ハンドルって?
D型ハンドルの始まりはレースカーから?
D型ハンドルにデメリットはないの?
D型ハンドルがスポーツカーに採用されている理由は?

D型ハンドルって?

通称D型ハンドルの「D型」とは、アルファベットのDのことです。D型ハンドルといっても、実際にステアリングとして使うときには直線部分が下になり、かまぼこ型のようになります。

この直線部は、ほぼ完全なストレートになっているものから、ややRが緩いかな?という程度のもの。さらに、上部も直線になっている円柱を上下並行にカットした緩いタイプまでさまざま。市販車には、標準装備されるものもあれば、メーカー純正オプションや社外品もあります。

D型ハンドルの始まりはレースカーから?

D型ハンドルは、F1に採用されたことが始まりだったように思います。なぜ、F1をはじめとしたレーシングカーにD型ハンドルが採用されたのでしょうか?

それはまず、F1のコクピットが極端に狭いという事情が挙げられます。空力の追求されたF1マシンでは、ドライバーはとても狭い空間で仕事をしています。

さらにF1マシンは、ステアリングギア比がクイックで、レース中ハンドルを切る量が少ない。身体の小さなドライバーはあまり問題になりませんが、身長の高い人、太ももが太いドライバーにとって、ハンドルの下側は邪魔なだけです。そこで、D型が生まれました。

また現在のレーシングカーでは、円の上下をカットした()のような形状に進化していますが、これは操作時にハンドルの慣性モーメントを減らし、同時にメーター視認性向上といった狙いもあります。

つまりD型ハンドルは、本来、ステアリングを大きく切らない、レーシングカーで有効な装備なのです。

では、市販車にD型ハンドルを取り付けることで、デメリットはないのでしょうか?

D型ハンドルにデメリットはないの?

そもそも、D型ハンドルが生まれたのはF1から始まったものです。つまり、持ち手を替えるハンドル操作の必要ない車だからこそ成立する形状ともいわれています。忙しくハンドルを操作するドリフト競技などにはあまり向いてないかもしれませんね。

もちろん、競技の世界だけではなく、市販車でも同様です。ハンドルを握る手を持ち替えるようなセッティングの市販車では、扱いにくくなることが予想されます。また、D型ハンドルは径が小さいものが多いので(タイヤの幅、磨耗状況も関係しますが)路面の凹凸にハンドルを取られることが増えます。姿勢を立て直すのに苦労するケースもあるようですね。

ただし、これらをデメリットに感じるのではなく、D型ハンドルは直感的にハンドル位置(タイヤの切れ角)がわかりやすくて良い、と感じる人も少なくようです。

D型ハンドルがスポーツカーに採用されている理由は?

D型ハンドルがスポーツカーに多く採用されている理由は、省スペースが可能になることで乗降性が良くなる、という実用的なメリットがあるのかもしれません。またそれ以外にも、スポーティムードを高めてくれる効果もありますね。

ただし、一般的な市販車のロック トゥ ロックは3回転以上。つまり、車庫入れや狭い角などでは、ハンドルを持ち替える動作が必要になり、D型では、直感的な操作が難しくなります。

とはいえ、最近ではスタリング機構を可変レシオとすることで、中低速でのロック トゥ ロックは2回転以下というモデルもあるので、そういった車種の場合には、これといったデメリットがないようです。

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