【諸星陽一の百“車”繚乱】VW e-Golfは、間違いなくGolfだった

VW e-Golf

e-Golfは間違いなくGolf(ゴルフ)であった。クルマの心臓はエンジンであると言われる。

一般的にクルマの性能を語るとき、何リットルのクルマであるか?で語られるのが一般的。

にも関わらず、Golf(ゴルフ)は心臓をまったく違うものに入れ替えても、どこをどう見ても、Golf(ゴルフ)であった。

文・諸星 陽一

諸星 陽一|もろほし よういち

3歳で三輪車、小学生から中学生まで自転車、高校生でバイクからクルマへと、つねに乗り物とともに過ごしてきました。23歳で自動車雑誌の編集者となり、その後フリーランスに。
29歳からは自費でプロダクションカーレースへ参戦しました。金銭的に苦労したクルマ生活によって、整備の知識を身につけるようになり、それを土台にしたセルフメンテナンス系の記事も手がけます。
また、福祉車両などをはじめとした、ユニバーサルデザインにも高い関心を持っています。

仕事に対する姿勢は、足を運び、見て、乗って、感じて、撮って、書く。自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとしています。

諸星 陽一
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【諸星陽一の百“車”繚乱】VW(フォルクスワーゲン) e-Golfは、間違いなくGolfだった

【諸星陽一の百“車”繚乱】VW(フォルクスワーゲン) e-Golfは、間違いなくGolfだった

Golf(ゴルフ)はMQBと呼ばれるプラットフォームを用いている。このMQBプラットフォームは、エンジンはもちろんハイブリッドユニットについても搭載することを前提にしていて、その効果が上手に出たから違和感を感じないのだろう。

システムを起動しフロアのセレクトレバーをDに入れてアクセルを踏めば、クルマはススッと前に出ていく。車重が1.5トンと重いのだが、その重量の大半を占めるバッテリーは床下に収められている。

つまり重心はエンジン車よりも低くなるわけだ。それでいて重量増に対応できるように固められた足回りはクルマをピシッと安定させる。ロールやピッチが上手に抑えられた状態で加速していく様はいかにもEVなのだが、全体として伝わってくる味付けは間違いなくGolf(ゴルフ)のもの。ただし、ピッチングはちょっと大きめだ。

MQBというGolf(ゴルフ)のプラットフォームをそのまま使い、内装関係などもとくにEVを強く意識することはなく、クルマを成立させているからなのだろう。とくにシートやステアリングといった身体に触れている部分の感触がゴルフのままなのは大きな部分。これらを下手にいじったらGolfらしさはなくなっていただろう。

ステアリングフィールはがっしりと剛性感のあるもの。ダンピングの強いサスペンションは引き締まったコーナリングを披露してくれる。

走行モードはノーマル、エコ、エコ+の3つ。エコ、エコ+はバッテリー容量が減った際にセーブして走るためのモードと考えればいい。普通に走るなら、まさにノーマルのままで走るというパターンだろう。

セレクトレバーでは、Dモード、D1~D3モード、Bモードを選べる。Dモードは回生ブレーキは行わず、アクセルペダルを離しても滑走する状態。D1の回生は弱く、D2でCVT的、D3でAT的なイメージ。Bにするとそれなりに強いが、いわゆる1ペダルドライブほどの強さはない。乗りやすいのはD2かD3。回生なしのDモードはちょっと運転しづらい。

ブレーキフィールがナチュラルなのがe-Golfのとくにいい部分。EVは回生ブレーキとの協調のためにブレーキフィールがダメダメになることもあるが、e-Golfのブレーキタッチはエンジン車のGolfと変わらず、コントローラブルだ。

ACCによる走行では先行車との車間を適切に保って走れるが、ただしステアリングはキッチリと保持していないとだめで、ゆるめの保持だとすぐにアラートが鳴る。

ほぼ満充電で試乗車を受け取り、高速道路170kmを走ったところで充電量は約半分。後続可能距離も170kmであった。ここから急速充電20分で航続距離は241kmに、30分で288kmに回復した。

EVとしての実用性、クルマとしてのドライブフィール、どちらも十分に魅力的なのだが、車両本体価格は499万円。平成29年度の補助金は30万1000円なので、差し引きしても470万円くらいのプライス。

新型リーフの最上級グレードが約400万円、プラグインハイブリッドのGolf GTEはe-Golfとほぼ同額の469万円。価格を考慮すると二の足を踏んでしまうのがちょっと残念だ。

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