【高山正寛のテレマティクス Now!】VW e-Golfのインフォテイメントは完璧に近い「ある一点」を除いて…
更新日:2024.09.17
※この記事には広告が含まれます
10月19日に発売を開始したフォルクスワーゲンのe-Golf。CHAdeMOへの対応、カタログ上の航続距離301kmと話題性も充分だが、その中でも筆者はインフォテイメント領域についてフォーカスしてみた。
【高山正寛のテレマティクス Now!】e-Golfのインフォテイメントは完璧に近い、「ある一点」を除いて…
現在同社が力を入れているのがDiscover Pro(ディスカバー プロ)と呼ばれるシステム。昨今は車両との連携より各種情報の表示やコントロールも含めこれらのシステム上で行えるものが増えてきている。
Golf7も前期モデルまではプロショップに行けば当時のDiscover ProやComposition Media(コンポジション メディア)を取り外して市販カーナビへの換装が可能だったが、このモデルではさらにハードルが高くなっている。
実際、純正だからこそできるe-mobility専用機能である「レンジモニター(航続可能距離表示)」やナビの地図上にその時点で走行可能な距離を視覚的に表示できる「360°レンジ」、さらに「エネルギーフローインジケーター」の表示など、そもそも保証の問題も含めて、現実はこれ一択ということになるだろう。
なぜ、このようなことをわざわざ書いたかというと、それまでのDiscover Proは商品としての機能が「もうひとつ何かが足りなかった」。だからこそ市販ナビへの換装を希望するユーザーも実在した。
しかし後述するデジタルメーターの進化などにより、これらと連携することでそのレベルは大きく向上している。言い換えれば「ある1点を除いて」完璧に近いシステムへ移行しているのである。ちなみに「ある1点・・・」に関しては文末のお楽しみということで。
さて進化したDiscover Proはまず大画面である点を評価したい。そのサイズ9.2インチ。昨今のカーナビにおける大画面化のトレンドは今さら説明の必要もないが、市販カーナビが一斉に市場を再開拓したのに対し、純正はやや遅れていた感もあった。実際Discover Proも導入当初は8インチだったこともあり、今回の9.2インチ化はまさに待望のアップグレードと言える。
またハードキーが無くなり、全面フラットの1枚パネルとなった点も見た目の質感が向上している。タッチパネル自体は静電誘導方式だろうが、レスポンス自体も向上しており、パネル自体の発色も良い。さらに言えば日本語フォント自体のジャギー(ギザギザ感)もかかなり少なくなっている。
Golf7も前期モデルまではプロショップに行けば当時のDiscover ProやComposition Media(コンポジション メディア)を取り外して市販カーナビへの換装が可能だったが、このモデルではさらにハードルが高くなっている。
実際、純正だからこそできるe-mobility専用機能である「レンジモニター(航続可能距離表示)」やナビの地図上にその時点で走行可能な距離を視覚的に表示できる「360°レンジ」、さらに「エネルギーフローインジケーター」の表示など、そもそも保証の問題も含めて、現実はこれ一択ということになるだろう。
なぜ、このようなことをわざわざ書いたかというと、それまでのDiscover Proは商品としての機能が「もうひとつ何かが足りなかった」。だからこそ市販ナビへの換装を希望するユーザーも実在した。
しかし後述するデジタルメーターの進化などにより、これらと連携することでそのレベルは大きく向上している。言い換えれば「ある1点を除いて」完璧に近いシステムへ移行しているのである。ちなみに「ある1点・・・」に関しては文末のお楽しみということで。
さて進化したDiscover Proはまず大画面である点を評価したい。そのサイズ9.2インチ。昨今のカーナビにおける大画面化のトレンドは今さら説明の必要もないが、市販カーナビが一斉に市場を再開拓したのに対し、純正はやや遅れていた感もあった。実際Discover Proも導入当初は8インチだったこともあり、今回の9.2インチ化はまさに待望のアップグレードと言える。
またハードキーが無くなり、全面フラットの1枚パネルとなった点も見た目の質感が向上している。タッチパネル自体は静電誘導方式だろうが、レスポンス自体も向上しており、パネル自体の発色も良い。さらに言えば日本語フォント自体のジャギー(ギザギザ感)もかかなり少なくなっている。
さて肝心のモバイルサービスだが同社では「Volkswagen Car-Net」というサービスを展開している。
まず重要となる通信を活用しドライブに有益となる情報が取得できるテレマティクス機能はGuide&Informと呼ばれる。実は本国では接続する通信機器を設定しているのだが、日本仕様ではいわゆる「手持ち」のスマートフォンやWi-Fiルーターと接続する仕様となっている。
プレミアムマーケットでは通信モジュールの標準化は当たり前になっている中、なぜ同社がこのような展開をしたのかと疑問に感じた時もあったが、理由は非常に簡単で通信モジュールを搭載することによるユーザーのコスト高を嫌っての判断のようである。また昨今ではMVNOに代表される低コストによる通信も浸透していることから考えても結果してはユーザー側にも充分メリットがあると感じた。
スマートフォンとDiscover ProはBluetoothはもちろんWi-Fi接続できるし、一度ペアリングをすれば次からも自動接続が可能なのでわずらわしさはない。実際Wi-Fi接続することで機器間のアクセスは快適、あとはスマホ側の通信速度に委ねる形になる。
実際取得できる情報は十分以上の内容だ。オンラインによる渋滞情報や施設検索は当然だがGoogleを活用したオンラインボイス検索はさすが、と思わせる出来だった。少々意地悪をして非常に長い店名を音声で検索したが見事に一発検索!即、目的地に設定しドライブできることは当然だが、個人的にあまり滑舌が良くない中でもここまでしっかり検索できる点は使い勝手の点では高く評価できる。この他にも駐車場の満空情報やe-Golfならではの充電ステーションの検索も可能である。
またコネクティビティという観点から見てもAppleのCarPlayやGoogleのAndroid AUTOなどにも対応するApp-Connect機能に注目したい。特にアプリ側の進化に伴い、こちら側の利便性が向上する、というメリットは将来性も含め魅力あるもので、前述した2つの他MirrorLinkにも対応している点からも万全と言えるだろう。
この他にもスマートフォンを活用して車両情報の取得や機能設定が行えるe-Remoteもバッテリーの予約充電や事前のエアコン操作、駐車位置の確認やドアの施錠状況まで手元でコントロールできるという盛りだくさんぶり。この手のアプリは基本無料だが、UIも含めて日々使いやすくなってきている。複雑な機能をシンプルに使える点もこのサービスの利点と言える。
まず重要となる通信を活用しドライブに有益となる情報が取得できるテレマティクス機能はGuide&Informと呼ばれる。実は本国では接続する通信機器を設定しているのだが、日本仕様ではいわゆる「手持ち」のスマートフォンやWi-Fiルーターと接続する仕様となっている。
プレミアムマーケットでは通信モジュールの標準化は当たり前になっている中、なぜ同社がこのような展開をしたのかと疑問に感じた時もあったが、理由は非常に簡単で通信モジュールを搭載することによるユーザーのコスト高を嫌っての判断のようである。また昨今ではMVNOに代表される低コストによる通信も浸透していることから考えても結果してはユーザー側にも充分メリットがあると感じた。
スマートフォンとDiscover ProはBluetoothはもちろんWi-Fi接続できるし、一度ペアリングをすれば次からも自動接続が可能なのでわずらわしさはない。実際Wi-Fi接続することで機器間のアクセスは快適、あとはスマホ側の通信速度に委ねる形になる。
実際取得できる情報は十分以上の内容だ。オンラインによる渋滞情報や施設検索は当然だがGoogleを活用したオンラインボイス検索はさすが、と思わせる出来だった。少々意地悪をして非常に長い店名を音声で検索したが見事に一発検索!即、目的地に設定しドライブできることは当然だが、個人的にあまり滑舌が良くない中でもここまでしっかり検索できる点は使い勝手の点では高く評価できる。この他にも駐車場の満空情報やe-Golfならではの充電ステーションの検索も可能である。
またコネクティビティという観点から見てもAppleのCarPlayやGoogleのAndroid AUTOなどにも対応するApp-Connect機能に注目したい。特にアプリ側の進化に伴い、こちら側の利便性が向上する、というメリットは将来性も含め魅力あるもので、前述した2つの他MirrorLinkにも対応している点からも万全と言えるだろう。
この他にもスマートフォンを活用して車両情報の取得や機能設定が行えるe-Remoteもバッテリーの予約充電や事前のエアコン操作、駐車位置の確認やドアの施錠状況まで手元でコントロールできるという盛りだくさんぶり。この手のアプリは基本無料だが、UIも含めて日々使いやすくなってきている。複雑な機能をシンプルに使える点もこのサービスの利点と言える。
さて、これと連携するメーター類だが、e-Golfには専用設計のメータークラスターが標準装備されている。視認性にも優れており、基本はこれで充分だが、やはりそこは「進化を感じたい」、「e-Golfの魅力を堪能したい」のであればオプションのデジタルメータークラスターActive Info Displayを選択したい。
この機能自体はゴルフ7のマイナーチェンジ時に搭載された機能ではあるが、12.3インチの大型ディスプレイに多彩な情報を表示、特に今回メーター上にも表示できる地図の縮尺変更やよりワイドに表示できるなど前々から要望が高かった機能をしっかり実装している。視線移動も少なくなるし、ナビの情報はこちらに表示しながらDiscover Pro側にはAV機能や前述した専用情報を表示することでドライブの楽しさや利便性も向上する。
この他にも数多くの機能を搭載したDiscover Proではあるが、文頭に触れた「ある1点・・・」についてはきちんと伝えておきたい。それは各種のメニュー画面(音量調整も含む)がディスプレイ左側に配置されていることである。
すでにDiscover Proにはタッチスクリーンに触れることなく操作ができる「ジェスチャーコントロール」も搭載しているし、ステアリングスイッチでほとんどの操作ができる。助手席側からの操作という見方をすれば左側配置は適切かもしれないが、基本この設計は左ハンドル仕様だからだろう。もしこのスイッチ類を右側にセットしてくれれば完璧と思ったのだが、その点だけが残念。
しかし進化したDiscover Proはe-Golfにおける重要な「情報性能」として機能していることは間違いないだろう。
この機能自体はゴルフ7のマイナーチェンジ時に搭載された機能ではあるが、12.3インチの大型ディスプレイに多彩な情報を表示、特に今回メーター上にも表示できる地図の縮尺変更やよりワイドに表示できるなど前々から要望が高かった機能をしっかり実装している。視線移動も少なくなるし、ナビの情報はこちらに表示しながらDiscover Pro側にはAV機能や前述した専用情報を表示することでドライブの楽しさや利便性も向上する。
この他にも数多くの機能を搭載したDiscover Proではあるが、文頭に触れた「ある1点・・・」についてはきちんと伝えておきたい。それは各種のメニュー画面(音量調整も含む)がディスプレイ左側に配置されていることである。
すでにDiscover Proにはタッチスクリーンに触れることなく操作ができる「ジェスチャーコントロール」も搭載しているし、ステアリングスイッチでほとんどの操作ができる。助手席側からの操作という見方をすれば左側配置は適切かもしれないが、基本この設計は左ハンドル仕様だからだろう。もしこのスイッチ類を右側にセットしてくれれば完璧と思ったのだが、その点だけが残念。
しかし進化したDiscover Proはe-Golfにおける重要な「情報性能」として機能していることは間違いないだろう。
高山正寛|たかやませいかん
1959年生まれ。自動車専門誌で20年以上にわたり新車記事を担当しフリーランスへ。途中5年間エンターテインメント業界でゲーム関連のビジネスにも関わる。カーナビゲーションを含めたITSや先進技術のあらゆる事象を網羅。ITS EVANGELIST(カーナビ伝道師)として自ら年に数台の最新モデルを購入し布教(普及)活動を続ける。またカーナビのほか、カーオーディオから携帯電話/PC/家電まで“デジタルガジェット"に精通、そして自動車評論家としての顔も持つ。リクルート出身ということもあり、自動車をマーケティングや組織、人材面などから捉えるなど独自の取材スタンスを取り続けている。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。