なぜ警察はスピード違反取り締まりを「ねずみ捕り」って言うの?由来を調べてみた

覆面パトカー スピード違反

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一般にレーダーによるスピード違反取り締まりを「ねずみ捕り」といいます。過去には、一方通行違反者の検挙なども「ねずみ捕り」と呼んでいたといいますが、いつしか頻繁に実施されるスピード違反を指す俗称のようになりました。ところで、なぜ「ねずみ捕り」と呼ぶようになったのでしょう。
Chapter
そもそも「ねずみ捕り」とは?
人間 vs ねずみは江戸時代にまでさかのぼる
ねずみ捕りはさらに巧妙に…
タクシー業界の隠語「落下物注意、工事中」

そもそも「ねずみ捕り」とは?

「ねずみ捕り」は、今でこそ広く普及し、一般にも意味が認知されていますが、元来は警察が違反者を捕まえるために、隠れて待ち構えていることをいいました。

多くの方はもうご存じないと思いますが、その昔、一般の家にねずみがいたころ、ねずみを駆除する方法のひとつとして捕鼠器というワナが用いられていました。

このワナは、ねずみの通り道と思われる場所に設置して、ねずみが掛かるのを待ちます。警察が違反者を待ち構える姿と形態が似ていることから、ねずみ捕りと呼ばれるようになったようです。

公式な用語ではないため、違反者を「ねずみ」に例えている理由は定かではなく、スピード違反車はねずみのようにすばしっこい、ねずみのように決まったコースを通るなど、もっともらしい諸説が多々流布しています。

人間 vs ねずみは江戸時代にまでさかのぼる

日本におけるねずみ捕りの歴史を紐解くと、江戸時代の”石見銀山ねずみ捕り”という殺鼠剤を見つけることができます。ただしこれは、ねずみに食べさせて毒殺するというもので、ワナ状になったものは明治時代に現れたようです。

それから100年以上、人間はねずみ捕りを進化させ、現在はねずみの通り道に粘着シートを置いておき、その上を通ったねずみを絡め取るというものにまでなっています。

そんなねずみ捕りの進化と同様に、スピード違反取り締まりのねずみ捕りも近年さらに巧妙になっているようです。

ねずみ捕りはさらに巧妙に…

1976年より設置されたオービスは固定式で、電波を発し、スピード違反車を検挙します。

当時は戦後の高度成長期で所得が何倍にも増え、日本のモータリゼーションも進み、道路交通の高速化を目前に控えた時代です。日本の自動車保有台数も1970年には約1,653万台でしたが、1976年には約2,914万台へと倍増。死亡事故件数こそ1970年をピークに減少していましたが、今後のスピード違反の増加が懸念された時代です。そんな情勢下でオービスは導入されました。

オービスは通路上にワナを設置するという意味では、ねずみ捕りのひとつの形態ですが、機器が目視できることから、ねずみ捕りと呼ばれることは少ないように思います。

また近年は、オービスの効果の低下、経年劣化、オービス製造会社の事業撤退などもあり、オービスを維持していくのは困難として撤去が始まっていす。

しかし、これでスピード違反の取り締まりが少なくなるかといえば、そうではありません。次世代のスピード取り締まり機は、軽量、小型、可搬式となり、我々ドライバーの目につきにくい仕組みとなります。

罠がさらに巧妙化し、隠れるかのように目に付きにくくなるのですから、まさにねずみ捕り器そのものですね。

タクシー業界の隠語「落下物注意、工事中」

いろいろな隠語のあるタクシー業界では、ねずみ捕りを、落下物や工事に例えて情報を共有しています。

たとえば、「○○信号付近で落下物注意」といった無線が入れば、受けたドライバーは「あー、○○信号で交通取り締まりをやってるな」と判断し、普段よりも注意してタクシーを運行するというわけです。

オービスの進化により、警察と違反者のイタチごっこは今後も続きそうです。我々ドライバーは、スピード超過でスリルと快感を楽しむよりも、事故発生抑制を心掛け、法定速度を守りましょう。

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