ホイール内側の小さなおもり『バランスウェイト』の効果とは?タイヤ振動を抑える意外な役割
更新日:2025.08.12

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愛車のホイールを覗くと、ほとんどのクルマで内側部分に四角い鉛の板が付いています。これはバランスウェイトといって、いわゆるおもりです。
この小さなウェイト、一見地味な存在ですが、実は安全な走行や快適な乗り心地に欠かせない重要な役割を果たしています。
本記事では、ホイール内側に付いているバランスウェイトの効果や役割について、なぜ必要なのかを交えながらやさしく解説します。
最後には車の点検をプロの整備士に依頼する大切さについても触れますので、ぜひ最後までお読みください。
この小さなウェイト、一見地味な存在ですが、実は安全な走行や快適な乗り心地に欠かせない重要な役割を果たしています。
本記事では、ホイール内側に付いているバランスウェイトの効果や役割について、なぜ必要なのかを交えながらやさしく解説します。
最後には車の点検をプロの整備士に依頼する大切さについても触れますので、ぜひ最後までお読みください。
タイヤとホイールのバランスは実は均一ではない
近年のタイヤやホイール製造技術は高度ですが、それでも製品にはわずかな重量のムラ(偏り)が生じてしまいます。
ホイールにはタイヤに空気を入れるバルブの穴が開いており、その部分だけ重さが足りず真円(中心から均等な重量分布)が崩れます。
一方タイヤも、細長いゴム材料を円形に貼り合わせて作る過程で接合部が厚くなり、やはり一部が他より重くなってしまうのです。
メーカー各社もそうした偏りを織り込んで設計しますが、構造上どうしてもタイヤとホイールを完全に均一なバランスにすることは困難です。
実際、新品タイヤには最も軽い位置を示す軽点(黄色のマーク)が付けられており、ホイール側の一番重い位置であるバルブと合わせて組み付けることでバランスを取りやすくする工夫がなされています。
しかし、このマークを合わせただけでは完璧にバランスが取れているわけではなく、走行すると振動やハンドルのブレ(シミー現象)が発生することもあります。
あくまで据え付け時の目安であり、最終的にはやはりバランスウェイトで細かな調整を行う必要があるのです。
こうした製造誤差や組み付け時のズレを補正するために、バランス取りはタイヤ交換のたびに欠かせない工程となっています。
ホイールにはタイヤに空気を入れるバルブの穴が開いており、その部分だけ重さが足りず真円(中心から均等な重量分布)が崩れます。
一方タイヤも、細長いゴム材料を円形に貼り合わせて作る過程で接合部が厚くなり、やはり一部が他より重くなってしまうのです。
メーカー各社もそうした偏りを織り込んで設計しますが、構造上どうしてもタイヤとホイールを完全に均一なバランスにすることは困難です。
実際、新品タイヤには最も軽い位置を示す軽点(黄色のマーク)が付けられており、ホイール側の一番重い位置であるバルブと合わせて組み付けることでバランスを取りやすくする工夫がなされています。
しかし、このマークを合わせただけでは完璧にバランスが取れているわけではなく、走行すると振動やハンドルのブレ(シミー現象)が発生することもあります。
あくまで据え付け時の目安であり、最終的にはやはりバランスウェイトで細かな調整を行う必要があるのです。
こうした製造誤差や組み付け時のズレを補正するために、バランス取りはタイヤ交換のたびに欠かせない工程となっています。
ホイールバランス調整とは?バランスウェイトの効果と役割
ホイールバランス調整とは、タイヤとホイールの重量バランスの偏りを補正し、タイヤが真っ直ぐきれいに回転するように整える作業のことです。
具体的には、専用のホイールバランサーという機械にタイヤホイールをセットして回転させ、重さの偏りによるブレを測定します。
そして機械が示した場所に適切な重さのバランスウェイト(おもり)を取り付け、偏りを打ち消すことで回転のブレをなくします。
ホイール内側に貼り付けられた四角い金属片こそがこのバランスウェイトであり、タイヤ1本につき数グラムから数十グラム程度の重りを追加するだけで見違えるほど振動が収まります。
具体的には、専用のホイールバランサーという機械にタイヤホイールをセットして回転させ、重さの偏りによるブレを測定します。
そして機械が示した場所に適切な重さのバランスウェイト(おもり)を取り付け、偏りを打ち消すことで回転のブレをなくします。
ホイール内側に貼り付けられた四角い金属片こそがこのバランスウェイトであり、タイヤ1本につき数グラムから数十グラム程度の重りを追加するだけで見違えるほど振動が収まります。
ホイールのバランスを取らないとどうなる?
もしバランス取りをせずに走行すると、わずかな重量差が高速回転によって大きな振動の原因になります。
ある試算では、たった5gのアンバランスが時速50kmで約290gもの重さに相当する遠心力を生むともいわれています。高速道路ともなればその影響はさらに増大し、放置すると車に様々な悪影響を及ぼします。
代表的な例を見てみましょう。
ある試算では、たった5gのアンバランスが時速50kmで約290gもの重さに相当する遠心力を生むともいわれています。高速道路ともなればその影響はさらに増大し、放置すると車に様々な悪影響を及ぼします。
代表的な例を見てみましょう。
高速走行時のハンドル振動
80~100km/h以上で走行中、ハンドルがブルブルと激しく振動します。
特にフロント(前輪)のバランスが狂っていると顕著で、安定性が低下して大変危険です。
振動が強いとドライバーが車線維持のためにハンドルを強く握り続ける必要があり、長距離運転では疲労の蓄積が急激に進みます。
特にフロント(前輪)のバランスが狂っていると顕著で、安定性が低下して大変危険です。
振動が強いとドライバーが車線維持のためにハンドルを強く握り続ける必要があり、長距離運転では疲労の蓄積が急激に進みます。
乗り心地の悪化
タイヤのバランスが悪いままでは車全体が小刻みに振動し、助手席の乗員も気づくほど乗り心地が損なわれます。
長時間の運転ではドライバーの疲労にもつながります。
とくに後席では細かな揺れが共振しやすく、車酔いを誘発するケースもあるため注意が必要です。
長時間の運転ではドライバーの疲労にもつながります。
とくに後席では細かな揺れが共振しやすく、車酔いを誘発するケースもあるため注意が必要です。
タイヤの偏摩耗(片減り)
振動のある状態で走り続けると、タイヤの一部だけが余計に摩耗してしまいます。
偏摩耗が進むとタイヤ寿命が短くなるだけでなく、薄くなった部分からパンクが発生するリスクも高まります。
さらに排水性が低下することで雨天時のハイドロプレーニング発生リスクも増し、制動距離の悪化を招く恐れがあります。
偏摩耗が進むとタイヤ寿命が短くなるだけでなく、薄くなった部分からパンクが発生するリスクも高まります。
さらに排水性が低下することで雨天時のハイドロプレーニング発生リスクも増し、制動距離の悪化を招く恐れがあります。
燃費の悪化
バランス不良でタイヤがスムーズに転がらないと余計な抵抗が生じ、燃費にも悪影響が出ます。
振動でアクセルを踏みがちになることや、タイヤの摩耗増加も燃費悪化に拍車をかけます。
逆にバランスが適正なら転がり抵抗が減り、同じ燃料でより長い距離を走行できるメリットがあります。
振動でアクセルを踏みがちになることや、タイヤの摩耗増加も燃費悪化に拍車をかけます。
逆にバランスが適正なら転がり抵抗が減り、同じ燃料でより長い距離を走行できるメリットがあります。
車体各部への負担
タイヤの振動が続くと、ホイールベアリングやサスペンションなど周辺パーツにも無視できない負荷がかかります。
部品の劣化や故障を招く恐れがあり、安全面でも好ましくありません。
結果的にサスペンションブッシュやショックアブソーバーの寿命を縮め、修理コストがかさむ可能性も高まります。
部品の劣化や故障を招く恐れがあり、安全面でも好ましくありません。
結果的にサスペンションブッシュやショックアブソーバーの寿命を縮め、修理コストがかさむ可能性も高まります。
ホイールバランスは必ず適正に調整しておく必要があります。走行中にハンドルに振動を感じた場合は、タイヤ専門店や整備工場で早めにバランス調整を依頼するのがおすすめです。
バランスウェイトの種類と素材
貼付け式(テープ式)ウェイト
アルミホイールなどには、裏面に接着剤が付いた貼付け式(テープ式)ウェイトが主流で、ホイールの内側に貼り付けて使用します。
内側に貼ることでホイール外観を損ねずにバランス調整できる点がメリットです。
両面テープは温度変化にも強く、適切に脱脂すれば数シーズンにわたって高い保持力を維持できます。
内側に貼ることでホイール外観を損ねずにバランス調整できる点がメリットです。
両面テープは温度変化にも強く、適切に脱脂すれば数シーズンにわたって高い保持力を維持できます。
打ち込み式(クリップ式)ウェイト
スチールホイールのリム(縁)に金属片を打ち込むクリップ式の打ち込みウェイトが使われることもあります。
ホイールの形状によって適したウェイトの形も異なり、それぞれ専用の製品を用いることが重要です。
取り外す際は専用プライヤーでリムを傷めないようにこじる必要があり、DIYで無理に外すとホイールを変形させる恐れがあります。
ホイールの形状によって適したウェイトの形も異なり、それぞれ専用の製品を用いることが重要です。
取り外す際は専用プライヤーでリムを傷めないようにこじる必要があり、DIYで無理に外すとホイールを変形させる恐れがあります。
鉛フリー素材への移行
従来は鉛(なまり)製のウェイトが一般的でしたが、環境への配慮から近年は鉛フリーの亜鉛製・鉄製ウェイトなどが普及しています。
なお、貼付け式ウェイトは強力なテープで固定されていますが、大きな衝撃を受けると外れてしまうこともあります。
知らないうちに一つウェイトが脱落しただけでもバランスは狂ってしまうため、取れていないか注意しておきましょう。
多くの自治体で廃タイヤ処分時の鉛回収義務が強化されているため、亜鉛や鉄ウェイトの方が廃棄コストを抑えられるというメリットもあります。
なお、貼付け式ウェイトは強力なテープで固定されていますが、大きな衝撃を受けると外れてしまうこともあります。
知らないうちに一つウェイトが脱落しただけでもバランスは狂ってしまうため、取れていないか注意しておきましょう。
多くの自治体で廃タイヤ処分時の鉛回収義務が強化されているため、亜鉛や鉄ウェイトの方が廃棄コストを抑えられるというメリットもあります。
ホイールバランス調整の費用と実施タイミング
ホイールバランス調整は専門店で短時間で行ってもらえますが、どれくらい費用がかかるのでしょうか?
料金はホイール径(大きさ)によっても異なりますが、一般的には1本あたり数百円~数千円程度で、4輪分でも数千円から1万円以下に収まるケースがほとんどです。
目安として約2,000円前後から実施できることが多く、車を安全・快適に走らせるために必要なメンテナンスとしては決して高い金額ではないでしょう。
また、ホイールバランス調整はどのくらいの頻度で行えば良いかも気になるところです。
基本的にはタイヤを新しく交換したときには必ず実施するのが理想です。
新品タイヤとホイールを組み付ける際には、先述のように軽点マークを合わせて取り付けても完全にはバランスが取れていないため、確実にウェイト調整が必要となります。
さらに日常使用でも、5,000~10,000km走行ごと(タイヤローテーションのタイミングなど)に一度、バランスチェックと再調整をしておくと安心です。
その他、シーズンタイヤの履き替え(夏⇔冬タイヤ交換)時にも同時にバランス調整しておくと良いでしょう。
もし走行中にハンドルのブレを感じたり、縁石に乗り上げた直後から振動が出るようになった場合などは、タイヤのバランスが崩れた可能性があります。
放置せず、早めに専門店でチェックしてもらいましょう。
料金はホイール径(大きさ)によっても異なりますが、一般的には1本あたり数百円~数千円程度で、4輪分でも数千円から1万円以下に収まるケースがほとんどです。
目安として約2,000円前後から実施できることが多く、車を安全・快適に走らせるために必要なメンテナンスとしては決して高い金額ではないでしょう。
また、ホイールバランス調整はどのくらいの頻度で行えば良いかも気になるところです。
基本的にはタイヤを新しく交換したときには必ず実施するのが理想です。
新品タイヤとホイールを組み付ける際には、先述のように軽点マークを合わせて取り付けても完全にはバランスが取れていないため、確実にウェイト調整が必要となります。
さらに日常使用でも、5,000~10,000km走行ごと(タイヤローテーションのタイミングなど)に一度、バランスチェックと再調整をしておくと安心です。
その他、シーズンタイヤの履き替え(夏⇔冬タイヤ交換)時にも同時にバランス調整しておくと良いでしょう。
もし走行中にハンドルのブレを感じたり、縁石に乗り上げた直後から振動が出るようになった場合などは、タイヤのバランスが崩れた可能性があります。
放置せず、早めに専門店でチェックしてもらいましょう。
点検や相談はプロの整備士にお任せしよう
バランス調整自体は比較的短時間で終わる作業ですが、専用機材と熟練の技術が必要です。安全のためにも、ホイールバランスは基本的にプロ(整備士やタイヤショップ)に任せるのが確実でしょう。
整備工場に依頼すれば、バランス調整と同時にタイヤの摩耗具合や空気圧、足回りの他の部分も含めて総合的に点検してもらえるので安心です。
ホイールバランスは快適なドライブと安全走行に欠かせない重要ポイントですから、異変を感じたら早めに専門家に相談してください。
プロの整備士に調整・整備をお任せして、愛車のコンディションを万全に保ち、安心してドライブを楽しみましょう。
整備工場に依頼すれば、バランス調整と同時にタイヤの摩耗具合や空気圧、足回りの他の部分も含めて総合的に点検してもらえるので安心です。
ホイールバランスは快適なドライブと安全走行に欠かせない重要ポイントですから、異変を感じたら早めに専門家に相談してください。
プロの整備士に調整・整備をお任せして、愛車のコンディションを万全に保ち、安心してドライブを楽しみましょう。