水平対向エンジンのタイミングベルト交換が高額になる理由と交換における注意点を解説

タイミングベルト

※この記事には広告が含まれます

エンジンのなかでも重要な役割を果たすタイミングベルトは、一般には10万キロが交換時期といわれます。水平対向エンジンも同様のタイミングですが、交換費用が高額といわれます。これはなぜでしょうか?
Chapter
タイミングベルトの役割とは?
交換のタイミングと注意点は?
水平対向エンジンのタイミングベルト交換が高額になる理由
水平対向エンジンのタイベル交換はおいくら?
水平対向でも交換不要なエンジンが主流に
切れる前に予兆ってある?

タイミングベルトの役割とは?

タイミングベルトは、エンジンのクランクシャフトと吸排気バルブを開閉するカムシャフトを連動させるための重要な部品です。走行中にタイミングベルトが切れると、バルブが作動しなくなるので、エンジンを壊してしまいます。簡単にいえば、開いたバルブにピストンが干渉するのです。

こうなると大きな修理が必要になり、最悪の場合はエンジン交換なんてことになります。

ちなみに、タイミングベルトには、片面に歯の付いたゴム製のコクドベルトとタイミングチェーンがあります。これまでコストが安く静粛性に優れるコクドベルトが主流でしたが、チェーンのコマとローラーを小さくすることにより、静粛性が高められたタイミングチェーンの採用も多くなっています。チェーンのコストはやや高いのですが、約30万キロ交換不要というメリットがあります。

交換のタイミングと注意点は?

タイミングベルトは、一般的には10万キロ毎に交換することが推奨されています。ただし、海外のスポーツカーは交換サイクルが短く、フェラーリでは指定交換サイクルが2年2万キロ(4年3万キロ)となっています。

また、交換時期より前でもタイミングベルトが劣化していることもあります。要因としては、テンショナーのトラブルなど、ベルトに余計な負荷がかかっているような場合が考えられます。

大雨での冠水した道路を運転した場合、ベルトが水に使っていることもあるので、心当たりのある方は早めに点検してもらったほうがいいかもしれません。

水平対向エンジンのタイミングベルト交換が高額になる理由

通常の縦置きエンジン国産車であれば、タイミングベルト交換は工賃込3〜5万円が相場です(車種や工場によって差があります)。

これに対して水平対向エンジンは、クランクケースを挟んで左右にエンジンを持つ、横に広いレイアウトになっています。エアコン、パワステ、オルタネーターにベルトがかかっていて、取り回しも簡単な一般の縦置きエンジンとは違い、右シリンダヘッドから左シリンダヘッドまで、ひとつベルトを取り回しています。

水平対向ターボエンジンはベルトも長く(縄跳びができるくらいの長さです)、部品点数も多くなります。このことにより、結果的にベルト交換が高額となってしまいます。

水平対向エンジンのタイベル交換はおいくら?

タイミングベルト単体だけの交換なら3〜4万円で済む場合もありますが、他にウォーターポンプやその周辺のパーツを交換するケースが多いので、ディーラーで交換するとなると合計でおよそ10~12万円というのが相場のようです。

ベルトそのものの価格も、13,000〜15,000円と、直4エンジン用の倍以上です。

水平対向でも交換不要なエンジンが主流に

スバル車でも6気筒エンジン(EZ30)はタイミングベルトではなく、タイミングチェーンを使用しているので、交換は不要(20万キロ以上の耐久性)とされています。(※交換が必要になる場合もあります)。

また、86/BRZに搭載されるFA型、インプレッサのスポーツグレードやレヴォーグに搭載されているFB型水平対向4気筒エンジンも同様にチェーン式のため交換は不要になっています。

切れる前に予兆ってある?

トラブルの予兆のようなものが、ほとんどないのがタイミングベルトです。

たとえばメーカーが10万キロまでの交換を推奨していたとしても、車の使用状況によっては8万キロで切れたり、逆に14万キロでも大丈夫だったり、いろいろあるようです。

タイミングベルトは、メーカーに指定された走行距離に近づく前に交換をお勧めします。

【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細