車の排気ガスってどんな成分?なんで環境に悪いの?

排気ガス

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ゼロエミッションが叫ばれて久しい2017年。自動車の動力源が、内燃機関から電気モーターへの移行期に差し掛かっている印象です。その理由は、内燃機関が排出する有害物質によるものであることをざっくりとは知っていると思います。ですが、そもそも自動車の排気ガスはどうして環境に悪いのでしょうか?
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内燃機関の排出ガス成分
各成分が人体に及ぼす影響

内燃機関の排出ガス成分

自動車の動力源となっている内燃機関(エンジン)に使用されるガソリンや軽油。その主成分は、炭素と水素です。

内燃機関は、その炭素と水素に酸素を加え、圧縮して高圧力をかけたうえで点火・爆発させ、それをエ回転エネルギーとして取り出す装置です。

炭素と水素を燃焼させることによって生成される化学物質は、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素化合物(NOx)、粒子状物質(PM)、二酸化炭素(CO2)などがあり、これらが排気ガスの主成分となります。

では、それぞれの成分は、環境や人体にどのような影響を及ぼしているのでしょう。

各成分が人体に及ぼす影響

一酸化炭素(CO)

一酸化炭素は、炭素が不完全燃焼を起こした場合に排出されます。炭素が完全に燃焼した場合は、二酸化炭素となります。温室効果ガスではありませんが、温室効果ガスであるメタンの寿命を伸ばす性質があります。

また、血液中のヘモグロビンと結合して、酸素を運搬する機能を阻害するなど、生物に影響を及ぼす有害物質で、最悪の場合は生物を死にいたらしめます。

炭化水素(HC)

炭化水素は、燃焼が不完全な炭素と水素が結合した化合物です。排出された炭化水素は窒素化合物と光化学反応を起こし、光化学スモッグの原因となる光化学オキシダントを生成します。

光化学オキシダントは人体や植物に有害で、眼のかゆみや呼吸障害を引き起こすほか、植物は立ち枯れが起こります。

窒素化合物(NOx)

窒素化合物は、窒素と炭素の分子量により、6種類に別れます。特に有名なのは、人体に有毒でオゾン層を破壊する二酸化窒素、温室効果の高い一酸化二窒素(亜酸化窒素)です。

軽油を燃料とした内燃機関で生成され、オゾン層の破壊、温室効果だけでなく、酸性雨や、炭化水素とともに光化学スモッグの原因となります。

大気汚染防止法により「自動車排出ガスの量の許容限度」が定められています。

粒子状物質(PM)

マイクロメートル基準の大きさの微粒子のことで、内燃機関で発生する粒子状物質としては、ディーゼル排気微粒子(DPM、またはDEP)が有名。ディーゼルエンジンの排ガスが黒煙である原因物質です。

古いディーゼルエンジンは拡散燃焼を採用していたため、不完全燃焼が起こりやすく10マイクロメートル以下の微粒子を生成していました。その量も多く、ガソリンエンジンのような触媒を使用しても目詰まりを起こしやすく効果が得られないとして、1990年代までディーゼルエンジンに触媒は未搭載でした。

その後、コモンレール式直噴方式のディーゼルエンジンが開発され、触媒の開発にも成功。現代では、ディーゼル排気微粒子はより少なく、より小さくなっています。

粒子状物質は、大気汚染の主原因のひとつであり、黒霧を発生させます。また、建築物などを腐食させ、日傘現象により太陽光を遮断するなど、気象にも影響を与えます。人体には発ガン物質であり、呼吸器系に沈着することで、呼吸障害を誘発します。

NOxPM法により、排出基準に適合していない車両は、大都市およびその周辺地域で登録ができなくなりました。

二酸化炭素(CO2)

内燃機関で燃料と酸素の混合気が完全燃料した場合、二酸化炭素が生成されます。二酸化炭素は本来、大気中にありふれた成分ですが、大気中濃度が3~4%を超えると目眩や頭痛を引き起こし、7%を超えると二酸化炭素中毒となり最悪の場合、死にいたります。

環境に対しての影響は、温室ガス効果が有名で、地球温暖化の一因とされています。また海洋への二酸化炭素の溶存量が高まれば、海水の酸性化が進み海中の生態系に多大な影響を与えるとされています。

技術を進歩させ工夫を凝らしても、石油燃料を燃焼させた場合の環境負荷や人体への影響は、計り知れないものがあります。

全世界的に自動車をEV化して、ゼロエミッションを目指すのは、当然の流れなのかもしれませんね。

ちなみに、自然に優しい太陽光発電については、アスグリというメディアの記事が参考になります。
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