タイヤの前輪幅が後輪幅より太い場合、走行性能にどう影響する?

タイヤ

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自動車の前後輪サイズを比較してみると、同じサイズもしくは、後輪が幅広い・扁平率が低い・インチ数が大きいタイヤが採用されています。反対に前輪の大きな車種は、ほぼありません。これはどうしてなのでしょう?
Chapter
タイヤサイズの読み方
タイヤのインチアップの基本
前後輪の役割
前輪をインチアップすると、どうなる?

タイヤサイズの読み方

通常、乗用車のタイヤのサイドウォールには、以下のようなタイヤサイズが表示されています。

215/45R 17 87W

各数字やアルファベットには、それぞれ意味があります。

●215:スラッシュ前の最初の数字は、タイヤの幅(mm)を表す数字
●45:スラッシュ後の数字は扁平率。タイヤ幅に対するタイヤの高さの比率。単位は%
●R:構造を示す記号。Rは、ラジアルタイヤの意味
●17:リム径(ホイール直径)。単位はインチ
●87:ロードインデックス(所定の空気圧の時、タイヤ1本辺りの負荷能力の指数)
●W:速度記号(規定の条件下で、そのタイヤの最高速度を示すもの)

上記サイズの場合は、タイヤ幅215mm、扁平率45%のラジアルタイヤ、ホイールサイズ17インチ、負荷指数87(545kg)、最高時速W(270kmまで)との意味になります。

このタイヤサイズはトヨタ 86の後輪タイヤのものですが、さすがに高性能なタイヤを履いていますね。

タイヤのインチアップの基本

愛車を購入した際、誰でも1度は考えるカスタマイズがインチアップです。大きなホイールに薄いタイヤの組み合わせは、側面からみるとカッコイイですよね。

インチアップの基本は、タイヤ外径を変えないこと。タイヤの外径サイズが変わってしまうと、スピードメーターや走行距離に誤差が発生します。さらに、車両統合制御技術を搭載した車種では、システムが正常に機能するか疑わしくなります。

外径はほぼ同じでホイールを大型化すると、当然タイヤの厚みは薄くなります。このとき、タイヤの空気量を減らしてしまうとタイヤの強度が落ちてしまいます。

そこでタイヤを薄くする際は、空気量を同じにするため、幅広いタイヤにします。余談ですが、これまでタイヤは、フェンダーより外側に出ると整備不良車として扱われましたが、2017年6月22日の車検基準の改定で、10mmまでならタイヤ部がフェンダーよりはみ出ても良いことになりました。

前後輪の役割

タイヤにはそれぞれ役割があります。前後輪に共通している役割は、車体を支えること、路面と密着することです。さらに前輪には操舵の役割があり、車体の進行方向を決定します。また、FFやAWD車なら駆動輪の役割もあります。

操舵を主に考えると、前輪は細いほうがハンドリングが軽くなり、コントロールしやすい車両になります。FF車やAWD車なら前後輪のサイズが同じ車種が、ほとんどです。

後輪は、FF車以外であれば駆動輪の役割があります。通常、後輪の向きは車両前方に向かって固定され、ただひたすら動力源の出力を路面に伝えます。このため、後輪は前輪と比較すると路面と密着する面積の広いワイドタイヤを採用しています。

前輪をインチアップすると、どうなる?

前輪をインチアップしてワイドタイヤを履かせると、走行中どのような現象が発生するのでしょう。

一般道での使用を前提に話をすると、まずは操舵に影響が出ます。ハンドリングが重くなり、小回りが効かなくなります。路面と接する面積が広いので、轍にハンドルを取られやすくもなります。

FF車やAWD車なら直進走行性能が安定しますが、過大なパワーがかかるとハンドルを取られます。

リアタイヤよりフロントを太くすればグリップが上がり、理論的には回頭性が向上することから、以前は、ミニサーキットやジムカーナなどで、FFのフロントに太いタイヤを履くチューニングも見られました。しかし、最近では少なくなっていることから、あまりメリットがなかったようです。

また、天候や季節で路面状況が変わりやすい一般道の場合は、回頭性を上げすぎるとFFであっても簡単にスピンモードになりますから危険です。

つまり、前輪のみのインチアップは、メリットよりもデメリットのほうが多くなるのです。

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