ドイツ車は今でもエンジンバリエーションが多いのか?
更新日:2024.09.09
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BMWやメルセデス・ベンツなど、ドイツ車は1車種で何種類ものエンジンを使い、さまざまな需要に応えているというイメージがあります。
はたして現在でもそうでしょうか?
※ 2017年7月時点
はたして現在でもそうでしょうか?
※ 2017年7月時点
昔は日本もそうだった
ドイツ車を見てみると、1車種に何種類ものエンジンを載せることで、多数のグレードを作っている例がありますが、日本でも、以前は同じようなことをしている時代がありました。
その代表が1988年にデビューした6代目のトヨタ マークIIで、4気筒1.8リッターSOHCから6気筒2.5リッター直6DOHCターボ、6気筒3リッターDOHCやその他ディーゼル、LPG仕様まで含めると、7種類のエンジンが一度にラインナップ。
日産のR32スカイラインも、1.8リッター4気筒SOHCから2.6リッター6気筒DOHCツインターボ(GT-R) まで、何種類ものエンジンラインナップがありました。
これは、同じ車種でも高所得ユーザー向けのハイエンドモデルから、法人ユーザー向けのスタンダードモデルまで用意することで、さまざまなユーザーニーズに応え、販売台数増加を目論んだものでした。また、高級車やミドルクラスまでに限らず、コンパクトクラスでも、何種類ものエンジンを用意していました。
その後、メーカーはコストカットして価格を抑えつつ全体の品質を上げるため、エンジンの種類を大幅に整理するようになります。
現在の日本車のエンジンラインナップは、実にあっさりとしており、コストカットが極まった軽自動車など、各メーカーは同じDOHCエンジンでNAとターボを作り分けているだけになっています。
その代表が1988年にデビューした6代目のトヨタ マークIIで、4気筒1.8リッターSOHCから6気筒2.5リッター直6DOHCターボ、6気筒3リッターDOHCやその他ディーゼル、LPG仕様まで含めると、7種類のエンジンが一度にラインナップ。
日産のR32スカイラインも、1.8リッター4気筒SOHCから2.6リッター6気筒DOHCツインターボ(GT-R) まで、何種類ものエンジンラインナップがありました。
これは、同じ車種でも高所得ユーザー向けのハイエンドモデルから、法人ユーザー向けのスタンダードモデルまで用意することで、さまざまなユーザーニーズに応え、販売台数増加を目論んだものでした。また、高級車やミドルクラスまでに限らず、コンパクトクラスでも、何種類ものエンジンを用意していました。
その後、メーカーはコストカットして価格を抑えつつ全体の品質を上げるため、エンジンの種類を大幅に整理するようになります。
現在の日本車のエンジンラインナップは、実にあっさりとしており、コストカットが極まった軽自動車など、各メーカーは同じDOHCエンジンでNAとターボを作り分けているだけになっています。
ボディも作り分けていた日本
1980年代あたりのハイソカーブーム時代、クラウンやマークIIなどは、上級グレードとスタンダードモデルでは、まるで別な車となっていました。
上級グレードは、スーパーホワイトのボディカラーに大型のウレタンバンパー、フォグランプも内蔵したハロゲンライトを装備。一方、スタンダードモデルは、ボディカラーはビジネス車用のホワイトで、バンパーやライトも小さく貧相な印象でした。
このように当時は、エンジンだけでなくボディ形状やカラーも、グレードによって変えていました。
さらにさかのぼって1960~70年代のスカイラインを見ていると、4気筒車と6気筒車で、エンジンの長さに応じてボディのフロント部をロングノーズとショートノーズで作り分けていたほどです。
ところが、それが行き過ぎた結果、トヨタのコロナ系では7車種(コロナ・カリーナ・コロナExiv・カリーナED・セリカ・カレン・カルディナ)、ホンダのシビック系では6車種(シビック・ドマーニ・インテグラSJ・オルティア・パートナー・いすゞジェミニ)と、今見れば無闇に兄弟車が多い時期があり、その反動なのか、現在では各メーカーとも、車種・グレードともにかなり整理された印象です。
上級グレードは、スーパーホワイトのボディカラーに大型のウレタンバンパー、フォグランプも内蔵したハロゲンライトを装備。一方、スタンダードモデルは、ボディカラーはビジネス車用のホワイトで、バンパーやライトも小さく貧相な印象でした。
このように当時は、エンジンだけでなくボディ形状やカラーも、グレードによって変えていました。
さらにさかのぼって1960~70年代のスカイラインを見ていると、4気筒車と6気筒車で、エンジンの長さに応じてボディのフロント部をロングノーズとショートノーズで作り分けていたほどです。
ところが、それが行き過ぎた結果、トヨタのコロナ系では7車種(コロナ・カリーナ・コロナExiv・カリーナED・セリカ・カレン・カルディナ)、ホンダのシビック系では6車種(シビック・ドマーニ・インテグラSJ・オルティア・パートナー・いすゞジェミニ)と、今見れば無闇に兄弟車が多い時期があり、その反動なのか、現在では各メーカーとも、車種・グレードともにかなり整理された印象です。
ドイツ車も現在はエンジンを少なくする方向
一方、ドイツ車は、以前ほどでないにせよ、現在でも豊富なエンジンラインナップを誇ります。
なかにはミニバン、商用モデルなどコストを低く抑えたい量販車では、最低限のエンジンラインナップとされている車種もありますが、EU圏内であっても、イタリアは馬力、ドイツは排気量・汚染物質排出量・車両総重量・燃料の種類、英国ではCO2排出量、フランスは馬力・CO2排出量、と各国で税制が変わることから、それらに細かく対応するためにエンジンラインナップが増えているようです。
ユーザーは、それぞれの所得や節約の志向によって、エンジンが選べるというわけですね。
なかにはミニバン、商用モデルなどコストを低く抑えたい量販車では、最低限のエンジンラインナップとされている車種もありますが、EU圏内であっても、イタリアは馬力、ドイツは排気量・汚染物質排出量・車両総重量・燃料の種類、英国ではCO2排出量、フランスは馬力・CO2排出量、と各国で税制が変わることから、それらに細かく対応するためにエンジンラインナップが増えているようです。
ユーザーは、それぞれの所得や節約の志向によって、エンジンが選べるというわけですね。
BMWの現状
BMWの各モデルには、多数のエンジンラインナップがあります。例えば3シリーズなら11種類で、そのなかから日本市場にマッチすると判断された数種類を導入しています。
そのかわりに、ボディはセダン/ハッチバック/ステーションワゴンとクーペを別シリーズとして展開。さらにロングホイールベース版を、グランツーリスモまたは、グランクーペとして設定するなど、車種やグレードの細分化が進んでいます。
その意味では、見かけ上、1車種ごとのエンジンラインナップが少なく見えるだけなのかもしれません。
そのかわりに、ボディはセダン/ハッチバック/ステーションワゴンとクーペを別シリーズとして展開。さらにロングホイールベース版を、グランツーリスモまたは、グランクーペとして設定するなど、車種やグレードの細分化が進んでいます。
その意味では、見かけ上、1車種ごとのエンジンラインナップが少なく見えるだけなのかもしれません。
メルセデス・ベンツの現状
メルセデス・ベンツも状況はBMWと似ています。
Cクラス以上では、BMWの3シリーズ同様にエンジンバリエーションが豊富になります。その一方で、車種分けはBMWに先行して進んでいました。ただしCLクラスが、実はSクラスのプラットフォームを使った大型クーペだったりするなど、車種名からどのような車かがわかりにくい状況になっていました。
そこで現在は、CLをSクラスクーペに改めるなど、メルセデスはモデル名を整理、再統合を行っています。
とはいえ、車種やエンジン自体が減るわけではないようです。日本車のようにエンジンのグレードが下がるとボディも極端に貧相になるような作り分けをメルセデスやBMWは行わないので、顧客満足度でもコスト面でも、現状維持でいくのだと思います。
Cクラス以上では、BMWの3シリーズ同様にエンジンバリエーションが豊富になります。その一方で、車種分けはBMWに先行して進んでいました。ただしCLクラスが、実はSクラスのプラットフォームを使った大型クーペだったりするなど、車種名からどのような車かがわかりにくい状況になっていました。
そこで現在は、CLをSクラスクーペに改めるなど、メルセデスはモデル名を整理、再統合を行っています。
とはいえ、車種やエンジン自体が減るわけではないようです。日本車のようにエンジンのグレードが下がるとボディも極端に貧相になるような作り分けをメルセデスやBMWは行わないので、顧客満足度でもコスト面でも、現状維持でいくのだと思います。
その他のドイツ車
他にドイツ車といえば、VWグループ、オペルなどがありますが、両社とも大衆車メーカーで、ある程度細分化した車種に、それほど多くない種類のエンジンが載っているという点では日本メーカーと変わりません。
またドイツメーカーでは、異なる車種に共通のエンジンを搭載するといった手法で、モデルバリエーションを充実させていることにも注目したいですね。
またドイツメーカーでは、異なる車種に共通のエンジンを搭載するといった手法で、モデルバリエーションを充実させていることにも注目したいですね。