なぜ走行中に車体を変化させる必要があるのか?

ポルシェ 911 ターボ

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走行中に車体が変形する車といえば、黄色いシボレーカマロが一番有名でしょうか?変形と聞くと、トランスフォーマー的なものを思い出してしまいますね。ロボットアニメ大国日本に生まれた性でしょうか。さて、ロボットに変形する自動車は発表されませんが、走行中に形が変わる車は、実は案外多いのです。それらはなぜ、形を変えるのでしょうか?
Chapter
車体を変化させる車|トヨタ 80スープラ
車体を変化させる車|ポルシェ 911
車体を変化させる車|パガーニ・ウアイラ
車体を変化させる車の共通点は?

車体を変化させる車|トヨタ 80スープラ

80スープラは、フロントアクティブスポイラーというメーカーオプションがありました。これは80〜90km/hを超えると、自動的にフロントスポイラーが出てくる装備です。映画TAXIのプジョーほど派手なものではありませんが、意外と効果は抜群で、フロントの設置感が増すアイテムです。

スープラの場合、リアウイングについても当時国産車の中では「飾りではなくてきちんと効果がある」と言われており、車の性格も含めて空力のコントロールに力を入れていることがよくわかります。北米、欧州への輸出もしていた車なので、100km/h以上での公道走行も視野にいれて設計されていたのでしょうね。

フロントアクティブスポイラーは、メーカーオプションで8万円前後と、決して安い装備ではなかったため、装着した車両は決して多くないようです。中古車としてもすでに台数の少ないスープラですので、中古車でアクティブスポイラー付きの車両は超レア車かもしれません。

1990年代初めの頃にはすでにあった、変形する自動車の先駆けともいえるのがスープラです。

車体を変化させる車|ポルシェ 911

ポルシェ911、964型以降の911で初めて採用された装備が可変式リアウイングです。

2014年型の911ターボにはアクティブ・エアロダイナミクス・システムというシステムが装備されます。速度に応じて2段階、最後は手動での切り替えにより、最大140kgものダウンフォースを得られるのだとか。

高速走行、サーキット走行などに主眼を置いたポルシェならではの装備ですね。加えて、911はリアにエンジンを搭載していることもあり、リアウイングの角度を調整することで、エンジンへの空気の導入量を調整している機能もあるようです。

911のリアウイングだけに対して、こちらは前後のスポイラーが自動可変。特に、段差を乗り越える際にこすりそうなフロントスポイラーは、低速走行時などに格納しておけるのが非常にありがたいですね。

車体を変化させる車|パガーニ・ウアイラ

変形する自動車と言えば、パガーニ・ウアイラ。こちらもポルシェと同様に?前後のスポイラーが動作するタイプですが、こちらはスポイラーにあらず「フラップ」です。飛行機が揚力を稼いだり、高度を下げたりする原理をそのまま自動車に持ち込んだのが、このシステム。

さらに、左右のフラップを個別にコントロールすることで、コーナリング中に左右に必要なダウンフォースを自動的に計算。フラップの角度をコントロールしてくれます。

そのため、非常に安定したグリップが得られるうえに、制動力も格段に向上し、加速への影響はまったくなし。アクチュエーターなどの分、少し重くなるかもしれませんが、そもそもカーボンボディにAMGのハイパワーエンジンなのでなんら問題ありません。

車体を変化させる車の共通点は?

どの車にも共通しているのは、空力のコントロールです。もともとはスポーツカーや高出力車のスタビリティのために考えられてきたダウンフォースやエアロダイナミクスですが、現代においては燃費にも多大な影響を与えることから、コンパクトカーやエコカーなどでも空力特性の研究が進んでいます。

ダウンフォースを得ることも大事ですが、車両が安定するのであれば、空気抵抗を減らす。というのも非常に大事です。抵抗が減れば、その分アクセルを踏み込まなくても前に進むので、燃費向上につながっていきます。

技術の進歩によりハイパワー化されていることもありますが、環境性能向上のためにも必要な空力特性。低速時には抵抗少なく、高速時にはダウンフォースを稼ぐ。という相反するものを実現するために、今後も可変式システムは増えていくような気がします。

どんな変形自動車が現れるのか楽しみですね。
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