2000GTや117クーペ等…中身を最先端にして、復活してほしい外見の車4選

トヨタ 2000GT

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自動車技術の向上は目覚ましいものですが、一方であの頃のクルマは良かったなぁ、という意見も多く聞かれます。その理由のひとつに、デザインの変化があげられますが、それにはクルマにとって大事な安全上の理由が多々あります。今回は、それでも復活してほしいと思うデザインに優れたクルマをピックアップしてみましょう。
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対歩行者の安全を考慮して設計
最先端の中身で復活してほしいあのデザイン

対歩行者の安全を考慮して設計

自動車デザインが変化してきた理由のひとつに、さまざまな安全規制があります。古くは、アメリカの5マイルバンパー、1990年代の衝突安全ボディ、2000年代に始まった「歩行者保護規制(Phase 1)」などです。

なかでも歩行者保護規制は、歩行者が自動車と衝突した際、死亡事故や重症になるのを防ぐために、頭部を保護するよう自動車側の対応を求めたものです。自動車のボンネットを歩行者頭部に対して衝撃を吸収する構造であることが必要です。

そのため、ボンネットフードとエンジンなど内容物との空間を広く取るなどして、衝撃を吸収しやすくした結果、昔に比べるとボンネットが高くなり、横から見ると厚ぼったい印象のデザインになってきています。この最先端の対策例が、スバルやボルボの歩行者保護用のエアバッグといえるでしょう。

薄いボンネットは流麗な高性能車の象徴でもありましたから、カーマニアとしては、前述の歩行者用エアバックといった技術や、デザインで克服できる時代が来るのを期待したいです。

では、最先端の中身で復活してほしい外見の車をいくつかピックアップしてみましょう。

最先端の中身で復活してほしいあのデザイン

トヨタ 2000GT

まずは1967年に発売された伝説のスポーツカー、トヨタ 2000GTです。往年の名車として取り上げられる機会の多いクルマですが、いま見てもそのデザインは流麗そのもの。インテリアの高級感も高く、トヨタの本気が感じられるクルマです。

スペックは、全長4,175mm×全幅1,600mm×全高1,160mmの2人乗り。ソレックス3連キャブを装備した直列6気筒DOHCエンジンは、最高出力150ps、最大トルク18.0mkgです。全長はトヨタ86よりも小さく、日産ノートより若干長い程度。

全幅は5ナンバー枠で収まりますが、最近の5ナンバー車は枠ギリギリの1695mmですから、それよりも狭いです。全高はマツダロードスターよりも低く、現在の日本車で比較できる車種はないほどです。

当時、映画「007」シリーズでオープンカーにされたのは、ショーン・コネリーが乗るには狭すぎたから、という逸話が残っていますが、現在の日本人の体型を考慮すると、実際に造り直すとなるとこのサイズではまず無理でしょう。

また、この低く構えたフロントノーズを再現するには、直列6気筒ではなくトヨタ86に搭載されている水平対向エンジンのほうが適しているようにも思えますが、2.0Lの水平対向エンジンをフロントに乗せ、サスペンションをしっかり設計するとなると…。オリジナルと同じようなサイズに収めるのは、やはり困難そうです。

マツダ コスモスポーツ

世界に誇るマツダのロータリーエンジン。そのマツダ初の量産車がコスモ スポーツです。西ドイツNSU(現アウディ)ヴァンケルスパイダーに続く2番目のロータリーエンジン搭載車、そして世界初の2ロータリーエンジン搭載車として1967年に発売されました。

スペックは、全長4,140mm×全幅1,595mm×全高1,165mmの2人乗り。ボディサイズは、前述のトヨタ2000GTに近似しています。そのフロントに搭載されたエンジンは、491cc×2の2ローターで、最高出力128ps、最大トルク14.2mkgを発揮します。

外観は低くフラットなラインに、リアウィンドウには曲面ガラスを用いるなど、とても特徴的なスタイルを持っています。登場した時代を考えると、かなり挑戦的なデザインでもありました。1971年の「帰ってきたウルトラマン」で、防衛チームMATの専用車両マットビハイクルとしても使われていましたよね。

ロータリーエンジンはコンパクトで、ボンネットを薄くできるのがデザイン上のメリットでもあります。もし、このデザインを蘇らせるとなると、トヨタ 2000GTと同様に、全体的にひと回り大きくすることを余儀なくされそうです。

全体的に厚さが薄いデザインですが、キャブレター時代のクルマなのでボンネットは極端に低くはありません。ロータリーエンジンとの組み合わせであれば、意外と実現しやすいかもしれません。

いすゞ 117クーペ

いまではすっかりトラックメーカーとなってしまったいすゞですが、かつては乗用車も製造しており、トヨタ、日産と並び称されるほどでした。そんないすゞが、1968年から1971年まで製造していた2ドアクーペが、117クーペです。

デザインはカロッツェリア・ギア在籍時代のジウジアーロ。繊細で流麗な4シータークーペは、初期型はハンドメイドで製造され、発売後10年間に1台も廃車が出なかった、という業界記録も残っています。

スペックは全長4,310mm×全幅1,600mm×全高1,310mm。直列4気筒1,600ccエンジンは、ツインキャブレターのDOHCで、最高出力120ps、最大トルク14.5mkgを発揮しました。

エンジンルームだけ見れば、現在の基準でも作成できそうですが、課題はむしろ細いピラーにありそうです。現代のクルマは、ロールオーバー時の乗員の生存空間を確保する目的で、太く頑丈なピラーでしっかりと屋根を支えていますが、117クーペのそれは細く華奢な印象。しかし、この繊細なデザインを構成するうえで欠かせない要素でもあります。

こんなに美しく均整のとれたプロポーションの新車はなかなか出てこないでしょう。ぜひ現代の技術で蘇ってほしいところです。とはいえ、いすゞは乗用車から撤退して長いですから、実現はなおのこと難しいでしょうが…。

ホンダ プレリュード

デートカーなんていう言葉が流行った頃、その筆頭を走っていたのがホンダ プレリュードです。いまやすっかりミニバン、コンパクトカー、軽自動車、またはタイプRのようなやや極端なスポーツグレードのイメージが強いホンダですが、かつては普通のクルマがスポーティでスタイリッシュなのがホンダの特徴でした。

プレリュードは、4シータークーペとして1978年に登場。2001年までラインナップされていましたが、特に印象的なのは1987年から1991年まで製造された3代目です。

ボディサイズは、全長4,460mm×全幅1,695mm×全高1,295mm。直列4気筒DOHC2000ccエンジンは最高出力145ps、最大トルク17.8mkgを発揮しました。足まわりには世界初の4WS(4輪操舵システム)を搭載。サスペンションは、4輪ダブルウィッシュボーン式が採用されました。

現在はリトラクタブルヘッドライトも安全基準の面から採用が難しくなっており、ボンネットの低さ以外にも、このデザインの再現は難しくなっています。1980年代のホンダらしいデザインの再来を期待したいですね。

さて、あなたが再登場して欲しいと思うのは、どんなデザインのクルマですか?
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