アウディA、S、RSの違いとは?グレードヒエラルキーを考える。

アウディには多くのラインナップがありますが、その頭文字は「A」、「S」、「RS」などシンプルなローマ字に数字を組み合わせたものとなっています。このラインナップの違いを読み解いてみましょう。

Chapter
欧州車のラインナップのわかりやすさ
アウディのグレードヒエラルキーの明確さ
「RS」はまさにエボリューションモデルの称号
グレードヒエラルキーを考える

欧州車のラインナップのわかりやすさ

日本車の場合、「プリウス」、「ノート」、「マーチ」など、クルマにはそれぞれ名称が与えられており、それが製品としての大きなイメージとなっています。

しかし欧州メーカーの車名を見てみると、メルセデス・ベンツやアウディのようにローマ字と英数字を組み合わせたものや、BMWやプジョーのように英数字だけで表すものなど、ある種「記号」のようなネーミングが主流です。

これには、クルマの「ヒエラルキー」がすぐにわかるように、という意味合いがあります。たとえばBMWの1シリーズと7シリーズなら、直感的に7シリーズの方が上位グレード(セグメント)なのだと分かるわけです。アウディのローマ字のあとに続く数字も同様です。

一方、日本ではこうしたネーミングはまずありません。「トヨタ1」とか「トヨタ7」なんてことにはならないわけです。そこは奥ゆかしい日本文化というべきか、国民性も大いに関連しているのでしょう。良くも悪くもグレードヒエラルキーなどがすぐに分からない、それが日本メーカーなのだともいえますね。

アウディのグレードヒエラルキーの明確さ

アウディ S3

アウディの基本的なグレード展開は、A1〜A8です。(2は現在欠番)

そしてそれぞれのグレードに「S」が用意されています。Sは、全車4WDで、エンジンもハイパワー版が搭載されます。

当然価格もUP…となるわけで、エントリーグレードのA1が249万円〜であるのに対し、S1は423万円~と、一気に200万円近く変わります。

その分、出力もベーシックな1.0Lモデルの90馬力と比して、排気量、出力ともに倍以上の231馬力にアップするのですから、車格は同じでもまったく違うクルマになっています。

車名をA1Sとせずに、S1としたのは、この明確な違いをアピールするためだったと想像できます。

「RS」はまさにエボリューションモデルの称号

アウディ RS6 アヴァント

前述のようにA、Sと明確にそのキャラクターの違いを打ち出しているのですが、更なるエボリューションモデルといえるのが「RS」です。 さすがにエントリーモデルのA1には用意がありませんが、A3からは「S」と、「RS」が存在します。

A3のパワーユニットには1.4Lと1.8Lが用意されていますが、「S3」にはS1同様の2.0Lターボを塔載、そして「RS3」にはなんと367馬力を発揮する2.5L TFSIエンジンが搭載されており、0-100km加速はわずか4.3秒と、いきなりスーパースポーツの域に入っていきます。

そして価格もやはりスーパーというべきか、A3の303万円~に対し、RS3はなんと756万円~。同じセグメントでありながら、訴求する層は大きく変えているのでしょうね。

グレードヒエラルキーを考える

このようにアウディは「A」、「S」、「RS」に明確なグレードヒエラルキーを設定しており、それは主としてエンジン排気量、出力、ひいてはクルマのパフォーマンスといったところに現れています。

現在、RSシリーズのフラッグシップは「RS7」となっており、エンジンは4.0L ツインターボ、出力はなんと605馬力、価格は1857万円~。庶民には溜息が出そうな価格ですが、当然ニーズあるからこそのグレードでもあり、こうしたハイスペックモデルを所有したい層も多く存在するのは事実でしょう。

あまり認めたくはありませんが、やはりクルマは「ステータス」といった側面もあります。欧州は階級社会から成り立っており、こうしたグレードヒエラルキーのわかりやすさ=伝わりやすさ、という点でも重要なのかもしれませんね。

一方、日本ではあまり露骨な階級社会の文化は残っていません。だからこそグレードに関してもこうしたある種、即物的表現を避けるといった奥ゆかしさもあるのかな、と感ずるところ。とはいえ、マツダやレクサスは世界戦略車をやはり英数字で展開していますし、これは前述の分かりやすさを狙ったものと考えます。

たしかに、グレードヒエラルキーというのはどんなメーカーであれ存在します。しかし、排気量の大きいハイパワーのクルマを乗っていれば偉いのか?といえば、最近ではダウンサイジングエンジンが示すように、そうした価値観はとうに終わっているとも考えます。

やはり自分のカーライフにマッチするモデルに乗るのが「幸せな選択」といえるのではないでしょうか。