ホンダ「シビック」をプロが先代と新旧比較 外装・内装などの違いを解説【プロ徹底解説】

シビック 半顔

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2024年9月にマイナーチェンジした現行型「シビック」のデビューは2021年のことでした。その前の先代モデルは2017年に登場しています。最新の現行モデルと先代モデルを徹底比較し、その違いを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
新型「シビック」を先代と徹底比較
新型「シビック」のエクステリア(外装)とボディサイズを先代と比較
新型「シビック」のインテリア(内装)を先代と比較
新型「シビック」の運転席・助手席・後部座席を先代と比較
新型「シビック」の安全装備・先進装備を先代と比較
新型「シビック」の走行性能・燃費性能を先代と比較
新型「シビック」の価格を先代と比較

新型「シビック」を先代と徹底比較

2017年にデビューした先代「シビック」は、日本市場に7年ぶりに投入された10代目モデルです。特徴は、エンジン車のみであり、また、ハッチバック/セダンという2種類のボディが用意されていたことです。エンジンは、1.5リッターのVTECターボ。トランスミッションは、セダンがCVTのみで、ハッチバックはCVTと6速MTの両方が用意されていました。駆動方式はFFのみとなります。
それに対して、現行型の11代目の「シビック」は、1.5リッターのエンジン車だけでなく、2リッターのエンジンを使うハイブリッド車が追加されています。また、セダンがなくハッチバックのみとなっているのも大きな変化です。トランスミッションはエンジン車にCVTと6速MTを用意。マイナーチェンジで、6速MTはスポーティな「RS」グレードのみとなっています。

新旧モデルを比較してみて良いところと悪いところを指摘すれば、現行モデルはハイブリッドを追加したのが良いところです。現行で悪いのはセダンがなく、選択肢が狭いというところでしょう。旧型はセダンが選べますが、逆にハイブリッドがありません。

新型「シビック」のエクステリア(外装)とボディサイズを先代と比較

先代「シビック」と現行の新型「シビック」は、同じプラットフォームを使っています。新型では先代プラットフォームを改良して使用しています。

エクステリアの変化で大きいのがフォルムです。先代にはセダンとハッチバックの2つがあり、新型はハッチバックのみ。特に違いがはっきりしているのが、横から見たときのフォルムです。先代はセダンがトランクのある分、ハッチバックよりも全長が長くなっていました。ハッチバックは、逆に車の後端が切り落とされたような恰好となっています。それに対して、新型はハッチバックでありながらも、先代のセダンとハッチバックの間のようなスタイルをとっています。一見、クーペ風でセダンなのかハッチバックなのかがわかりにくくなっています。
寸法で言うと、先代のセダンは全長4650×全幅1800×全高1415㎜。ハッチバックは全長4520×全幅1800×全高1435㎜。ホイールベースは両方とも2700㎜でした。
それに対して新型はハッチバックのみで、全長が4560×全幅1800×全高1415㎜(「RS」は全高が唯一1410㎜と低い)、ホイールベースが2735㎜となります。

比較してみれば、新型は先代のセダンとハッチバックの中間の全長です。幅と高さはほとんど変わりません。ホイールベースが新型になって若干伸びているのも特徴です。

新型「シビック」のインテリア(内装)を先代と比較

室内のインパネのデザインは、先代から現行モデルになって大きく変わっています。先代モデルのインパネは「スポーティと上質を追求する」という狙いがありました。出来上がったインパネは、ドライバー前のメーターフードを頂点に、左右になだらかに低く薄くなってゆくデザインです
一方、現行モデルのインパネは、「視覚ノイズを最小限に抑えたクリーンインテリア」がテーマです。車全体のテーマが「爽快」とあるように、すっきりとしたデザインを狙っているのでしょう。特徴的なのはインパネの左右に伸びる、ハニカムパターンのパンリングメタルパネルです。このデザインは、同じホンダの兄貴分となる「アコード」でも採用されています。現行モデルならではのものでしょう。

新型「シビック」の運転席・助手席・後部座席を先代と比較

運転席まわりで先代と現行で大きく異なるのがメーターです。先代モデルでは、真ん中に7インチの大きな液晶メーターを置き、左右に別の小さなウインドウを用意して、そこに燃料と水温などを表示させています。近未来的なモダンさを強く印象づけるメーターでした。カーナビゲーションのディスプレイは、インパネの真ん中に埋め込まれています。

最新の現行モデルのメーターは、大きな二眼タイプのデザインが採用されています。伝統的なデザインをベースに、色味の数が抑えられており、スッキリとした印象です。カーナビなどを表示するディスプレイは9インチ。薄型のインパネの上部に据えられています。前方を見ていたドライバーが、視線移動を少なく見ることのできるレイアウトです。
前席のシートは、先代では背面から側面へと面を巻き込んだようなダイナミックな形状が採用されています。優れたサポート性を発揮します。また、肩回りはスリムになっているため、後席の乗員の見晴らしの良さも維持しています。現行モデルの前席シートは、新たなシートフレームを採用したボディスタビライジングシートが採用されています。腰回りを樹脂のマットで支える構造となっており、均一感とサポート性の高い座り心地を実現させています。

新型「シビック」の安全装備・先進装備を先代と比較

先代モデルでは、単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせたホンダセンシングが搭載されていました。衝突軽減ブレーキ(CMBS)や、路外逸脱抑制機能、渋滞追従機能付きACC、車線維持支援システム(LKAS)、標識認識機能、オートハイビームなどの機能が備わっています。

現行モデルでもホンダセンシングが採用されています。ただし、システムは最新世代に進化しており、広い水平画角のフロントカメラと、前後8つのソナーセンサー、斜め後ろを監視するレーダーというセンサーに替わっています。機能は、先代に加えて、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)がCVT車に追加されています。これは、渋滞時にアクセル/ブレーキの支援だけでなく、ステアリングのアシストも追加するというものです。さらに渋滞追従機能付きACCと車線維持支援システム(LKAS)での、アクセル/ブレーキ/ステアリングの支援が、より滑らかで自然なものとなっています。

さらに現行モデルでは、先行車や対向車の存在を検知し、眩しさを与えないように、ヘッドライトの照射範囲を自動で制御する、アダプティブドライビングビームも採用されています。

先進運転支援は、最新の機能ということで、やはり現行モデルの方が優れたものが採用されています。

新型「シビック」の走行性能・燃費性能を先代と比較

先代モデルは、エンジン車のみしか存在しませんでした。1.5リッターのVTECターボ・エンジンのパワーは、セダンで最高出力127kW(173PS)・最大トルク220Nm。ハッチバックでは最高出力134kW(182PS)・最大トルク240Nm(6速MT)となります。燃費性能はセダンで19.4km/l(JC08モード)、ハッチバックのCVTで18.0km/l(JC08モード)、6MTで17.4km/l(JC08モード)です。

現行モデルもエンジン車は、同じ1.5リッターVTECターボですが、ターボやエキゾースト、VTEC、クランクシャフトなど、幅広い改良が実施されました。ただし、最高出力134kW(182PS)・最大トルク240Nmというスペックはそのまま。燃費性能は、試験方法がWLTCに変更したこともあり、カタログスペックは、CVTで15.7km/l(WLTCモード)、6速MTで15.3km/l(WLTCモード)となっています。

また、現行モデルではハイブリッド車が追加されました。こちらの走行用モーターのスペックは、最高出力135kW(184PS)・最大トルク315Nmとなります。燃費性能は、24.2km/l(WLTCモード)と大きく伸長しています。

新型「シビック」の価格を先代と比較

先代モデルの価格は、セダンで265万0320円、ハッチバックでCVT/6速MTが280万0440円でした。それに対して、現行モデルの2024年9月のマイナーチェンジ後の価格は、エンジン車で344万8500~419万8700円、ハイブリッドで399万8500円~430万7600円となります。7年間で、ずいぶんと価格は上昇してしまいました。
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