昔の車にはなぜ「つり革」が付いていたのか?正しい「つり革」の使われ方を紹介

つり革

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「つり革」とは、列車やバスなどの座席上に付いていて、立っている乗客が身体を支えるために使うもの。しかしそんなつり革が、普通の乗用車に付いているのを、皆さんも見たことがあるのではないでしょうか。今回は、なぜつり革が乗用車に付いているのかを探ってみたいと思います。
Chapter
車に「つり革」ってどういうこと?
リアバンパー下部のつり革
ハコ乗り時の落下防止用つり革
乗車補助のためのつり革

車に「つり革」ってどういうこと?

乗用車に電車やバスのつり革が付いている光景は、40〜50歳代の方なら目にしたことがあるかと思います。現在の若者たちは知らないかもしれません。

「車とつり革」、バスならともかく、個人所有の乗用車には縁がないもののように思えますが、以前はそのつり革が車についていることがありました。装着されている箇所は、リアバンパー、車内側のドア上部など色々です。

さて、つり革が車に付いている理由は、なんでしょうか。主な理由と目的を簡単に見てみましょう。

リアバンパー下部のつり革

まずリアバンパー部分に付けられたつり革ですが、これらは車の静電気を逃がすために装着されたゴム皮などを使ったアースがもとのようです。

2017年現在は、ほとんど見ることもありませんが、以前はアース用の黒いベルト状のゴムをぶら下げて走っている車をよく見かけました。しかし、その本来の目的とは違い、ドレスアップ目的でつり革を装着する車がいつしか現れたのです。

ことの始まりは、昭和55年ごろの「街角レーサー」なる人達といわれています。厳密には違うかもしれませんが、いわゆる族車といわれるような違法改造車に装着されていました。

つり革を付け、カラコロいわせて「これだけ車高低くしたぜ!」とアピールしたり、本物のつり革を盗んできて装着したり…。現代では理解しがたい世界が当時はあったようです。

そんな理由なので、形も普通の丸いつり革から、握り手部分がハート形になったり、完全にドレスアップ扱いとなっていきました。80年代を過ぎると今度はつり革が小さいバケツに代わったりもしたものです。

ハコ乗り時の落下防止用つり革

また、身体を支えるために使うこともありました。ただし、こちらも前述のような族車のための装備になります。

しっかり掴まるためのアシストグリップの役割を果たすという点では、ある意味正しい使い方ですが、問題なのはそれがハコ乗りのための落下防止用なのです。

ちなみにハコ乗りとは、暴走族などが窓から体を乗り出して乗るスタイルのことです。なぜ、そんなことをするのかというと、体を乗り出して、族やチームの旗などを振り回したり、大声を発して周りを威嚇したりするためです。

1985年以前は、シートベルト装着義務等も無かった時代ですので、現在と事情は異なりますが、現在は立派な道交法違反ですのでやったら警察に捕まります。

乗車補助のためのつり革

それでは最後に正しい使われ方をしている車のつり革をご紹介します。前述のつり革のご紹介の後であまりにもギャップがありますが、こちらは車の乗降に不自由を感じる方たちのための装備です。

そのつり革は、主にお年寄りや妊婦、手足が不自由な方などのために装備される、つり革タイプのグリップ。助手席や後部座席などのアシストグリップ部に装着され、グリップに体重を掛けてしっかりと掴まって乗降することを可能します。

日産 デイズに装着されている「つり革グリップ」などは、腰や膝の痛みなどで乗り降りに不便を感じている方や乗車時に高くまで腕が上がらない方などをサポートします。

また、日産の「つり革グリップ」のようなタイプの他に、車に標準装着されているアシストグリップにフックなどで引っ掛けるタイプもあります。


このように、乗車補助目的以外のつり革は基本的にドレスアップ目的ということですね。もし、リアバンパーなどにつり革を付けたい方がいましたら、あくまでも保安基準適合する範囲で装着しましょう。
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