様々な種類がある4WDの電子制御システム…VTDやアクティブトルクスプリットの長所とは?

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近年の4WDシステムは、電子制御の進歩のおかげでさまざまな種類が存在します。今回は4WDシステムのVTDとアクティブトルクスプリットのメリット・デメリットについて紹介したいと思います。


Chapter
ポピュラーな「ビスカスカップリンク式センターデフ式AWD」
トルクスプリット式
「アクティブトルクスプリット式」
車両タイプによって異なる搭載システム

ポピュラーな「ビスカスカップリンク式センターデフ式AWD」

一番ポピュラーなものが、ビスカスカップリンク式センターデフ式AWDではないかと思います。常に50:50になるように前後のトルク配分を行うビスカス式は回転差で作動します。高粘度シリコンが充填されているので、メンテナンスフリー。

「使用するギヤオイルなどの影響を受けないようにしている」とも言えるかもしれません。これを電子制御で任意にコントロールするアクティブデバイスとして、スバルのDCCDがあります。オートモードからロックまでダイアルひとつで制御できます。舗装路から未舗装路・豪雪地帯まで、オールマイティーにこなせるのです。

トルクスプリット式

スタンバイ方式とも呼ばれるトルクスプリット式は、前後のどちらかが滑ると、トルクが変動して駆動するという、少し複雑なシステム。FFベースの場合は、基本FF、FRベースの場合は基本FRです。FRベースで有名なのはR32GT-Rでしょう。

「アクティブトルクスプリット式」

これを電子制御化したものがアクティブトルクスプリット式です。ステアリング蛇角、車速、加減速G、各車輪の回転数などを読み取り、演算。最適な前後のトルク配分を行い、車体の姿勢制御を行っています。運転のスキルに問わずクルマ側で、姿勢制御と前後のトルク配分を自動で行うことで、様々な路面状況下で安全な運行を可能にします。
VTD-AWDと呼ばれる電子制御デバイスAWDシステムは、不等可変トルク配分で回頭性を高め、FRの様な乗り味とハンドリングを得ることが可能です。グランドツアラー的な車両にマッチングの良いAWDシステムと言えます。

どのシステムも、現在のアクティブデバイス(電子制御)として運転支援装置的な役割も果たしています。突然の大雨に襲われてもAWDシステムは、車体の姿勢制御と駆動のトルク配分制御を的確に演算し動作することで、運転のスキルに問わず、誰もが安全にドライブを楽しめるよう開発されたシステムです。

車両タイプによって異なる搭載システム

車両タイプによって異なる搭載システム…どの車両にどのシステムを採用するかは、「その車両の走行状況にふさわしいシステム」とメーカーが判断し決定されます。

モータースポーツ等に使用されるであろうAWD車に、それに合わないAWCシステムは搭載しませんし、重量級の車両に伝達トルクの許容が少ないAWCシステムを採用することもありません。適材適所と言えるでしょう。

モータースポーツの為だけのAWCではなく、悪路走行の為だけのAWDシステムでもありません。AWD車は高速走行時は2WDよりも安定してまっすぐ走ることができ、風が強い時でも直進安定性も優れています。

あらゆる路面状況においてAWDが優位に立つのですが、燃費では不利と言われてきたAWD。しかし、様々な動力伝達装置の開発のおかげで燃費の差はほとんど無いといわれるまでになりました。

ウエット路面、ドライ路面、積雪路面において安全に運行するためのシステムであり、これに加えて、ドライブシーンからモータースポーツシーンまでをカバーする為に様々なAWCシステムが開発されているのです。

どのシステムにも得手不得手はありますが、今ではほとんどモータースポーツシーンにおいてのみと考えて良いでしょう。ジムカーナやサーキットで如何に動作するか、また動作させるかはドライバー次第と言えるかもしれません。
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