レクサス「RZ」のエンジン・パワートレインは?BEV専用プラットフォームにDIRECT4を搭載!【プロ徹底解説】

レクサスRZ

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レクサス初のBEV専用モデルとして2023年3月に発売となったのが「RZ450e」です。そして同年11月末にFFモデルとなる「RZ300e」が追加されました。そこに搭載されるパワートレインは、どのようなモノなのかを解説します。

文・鈴木ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
RZはBEV専用モデルとして専用プラットフォームを採用
「RZ450e」には、2つのモーターからなる「DIRECT 4」システム搭載
「RZ450e」の最適化された前後のe-Axel
FFモデルの「RZ300e」には、フロントのみ1つのe-Axel
RZは 軽量で高剛性なボディが走行性能に貢献
RZの最新技術を多数採用した足回り

RZはBEV専用モデルとして専用プラットフォームを採用

トヨタの中でも電動化の先鋭となるのがレクサス。そして、そのレクサスで、最初のBEV専用モデルとして誕生したのが「RZ」です。

その特徴は、BEV専用のプラットフォーム「e-TNGA」が使われていること。そして「RZ450e」には、前輪と後輪の2軸に、それぞれモーターを搭載する電動4WDシステムとなる「DIRECT 4」が搭載されています。そして「RZ300e」にはフロントだけにモーターが搭載されています。
BEV専用プラットフォーム「e-TNGA」は、車両の前輪と後輪の間の床下にバッテリーを搭載するレイアウトとなっており、低重心・低慣性モーメントという運動性能的に優れた資質を「RZ」に与えています。

搭載される駆動用のリチウムイオンバッテリーは、71.4kWhの総電力量を誇り、一充電において、「RZ450e」では494km(WLTCモード)、「RZ300e」では599㎞(WLTCモード)のEV航続距離を実現しています。電費性能は「RZ450e」で147Wh/km(WLTCモード)、「RZ300e」で120Wh/km(WLTCモード)を達成しています。

「RZ450e」には、2つのモーターからなる「DIRECT 4」システム搭載

「RZ450e」に搭載されているのが、前輪と後輪に、それぞれモーターを備える電動4WDシステム「DIRECT 4」です。フロントのモーターの最高出力は150kW(204馬力)、最大トルクは266Nm。リヤのモーターは、最高出力80kW(109馬力)に最大トルク169Nmを発揮します。2つのモーターは、車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を元に、前輪:後輪の駆動分配を100:0から0:100の間で制御。最適な発進加速性能、操縦餡制定、低電費を実現しています。
発進や直進の加速のときは、前輪:後輪の駆動力配分は60:40~40:60ほどで推移。車両の前後の揺れ(ピッチング)を抑え、ダイレクトな加速感を生み出します。

コーナーリングでは、ステアリングの切り始めにフロント寄りの駆動配分(75:25~50:50)とし、コーナー脱出時はリヤよりの駆動配分(50:50~20:80)として、俊敏な動きと気持ち良い旋回フィールを実現します。

「RZ450e」の最適化された前後のe-Axel

「RZ450e」のフロントとリヤに搭載されたモーターは、インバーターやトランスアクセルなどが一体化されたe-Axelです。フロントのe-Axelは、前後方向に短くなるように作られており、室内空間の拡大に貢献します。後輪用のリヤのe-Axelは、背が低くなるような構成となっており、荷室の空間拡大に役立っています。

また、リヤのe-AxelのインバーターにはSiC素子を採用。効率アップにより、航続距離向上に貢献しています。

FFモデルの「RZ300e」には、フロントのみ1つのe-Axel

一方、FFモデルとなる「RZ300e」には、フロントに最高出力150kW(203.9馬力)、最大トルク266Nmのモーターを搭載します。フロントのe-Axelには、電力ロスの少ないSiC素子半導体が採用されています。

4WDの「RZ450e」とはリヤ周りが異なり、「RZ300e」には専用設計されたリヤサスペンションメンバーと、専用セッティングのスプリング/スタビライザー/ショックアブソーバーが使われています。

RZは 軽量で高剛性なボディが走行性能に貢献

BEV専用プラットフォーム「e-TNGA」から生まれたボディは高剛性かつ軽量であるのが特徴です。ボディ骨格の接合には、レーザースクリューウェルディング(LSW)工法や構造接着剤、レーザーピニング溶接技術などの最新技術を積極的に活用。リヤのラゲッジ開口部には、二重環状構造と高剛性発泡剤を採用することで、変形しにくい構造を実現しています。また、フロント/センターピラー、フロントレールに1.8GPa材と1.5GPa材を重ね合わせるパッチワーク工法を採用。ルーフセンターリーンフォースメントへの1470MPaの引張強度を持つ冷間圧延鋼板、フードへの軽量アルミ、ドアモールディング/ホイールアーチモールディング/バックドアガーニッシュへの発泡樹脂成型を採用するなど、徹底した軽量化も実施されています。

RZの最新技術を多数採用した足回り

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラットでリヤがトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーンを採用。路面から受ける衝撃の周波数にあわせて、伸び側ストロークの減衰力を変化させる周波数感応アブソーバー「FRDⅡ」をレクサス初採用。

また、グレードにより、ボディのフロントとリヤに「パフォーマンスダンパー」が装備さえています。
レクサス初のBEV専用モデルとなった「RZ」。パワートレインをはじめ、走行に関係する部分には、数多くの最新技術が投入されています。BEVならではのスムーズでトルクフルな走りを「RZ」で実現しているのです。
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