国産車は10万キロでも交換不要?ダンパーなどの足回りの寿命はどれくらいなのか?

足回り

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気になる愛車の足回りの寿命。ダンパーなどはどれくらいで消耗していくのでしょうか。交換するタイミングや、どのような自覚症状をもって判断すれば良いのでしょうか。今回はそのあたりを探ります。
Chapter
どんな症状を持って判断するか
国産車は10万キロ無交換が常識?!
輸入車は5万キロ?それ本当?

どんな症状を持って判断するか

走っていればどうしても消耗してくるのが足回り。足回りのリフレッシュや交換と聞いてもだいたいどれくらいの距離や時間で行えばいいものなのか、あるいはどんな自覚症状をもって判断すればいいのかが難しいところですよね。

ただ、自動車のサスペンションというのはその個体ごとの走行条件、使用条件によって摩耗度合には激しく差が生まれるもの。穏やかに走っているクルマならさほど気にならないものでも、ややハードな使い方をするようなクルマなら、早期に摩耗してしまうという性質ものものです。

やはりそうなると一台一台ごとの状態や症状を見ながら判断していくということになっていくのだと思います。

主にダンパーがヘタってくると、乗り心地に締まりがなくなってくると言われます。スプリングというのは弾み続けようとする性質があり、それを制御するのがダンパーです。ダンパーが弱れば、例えば凹凸の乗り越え時の挙動として、「フワン」が一回で収まっていたものが「フワンフワン…」と二回三回に増えてしまう…、これは比較的わかりやすい例です。

また、コーナーリング時にロールの制御が完全にできなくなり、いつもより深く傾いてしまう、などというのも顕著な例と言えるでしょう。

これらはひとつの兆候であって、こうしたヘタリの片鱗によって、足回り全体の磨耗具合を推し量るための材料と考えていただいていいはずです。ひいては、危険回避などの緊急的なシーンで十全に性能を発揮できなかったりすることにもつながるので、決して軽視することはできません。

国産車は10万キロ無交換が常識?!

例えば、ファミリーカーなどをふつうにディーラーさんなどに持っていくと、10万キロは大丈夫、というようなアドバイスを受けることもあります。ま、実際に10万キロ手前で手放すことも多いでしょうから、所有している間は、ダンパーなどの交換は考える必要がないということかもしれません。

スポーツカーなどのややハードユースに供される車の場合、むしろ、オーナーさんの意向でヘタるまえに社外品に取り替えられてしまうことも多いので、これもじつはあまり参考になる要素はないのですが、やはり感覚的には6万キロ以上10万キロ未満といったあたりが目安かもしれません。

車好きの方は中古車で例えばスポーツカーを手に入れられたりすると、「初期化作業」といって、足回りのリフレッシュを最初から組み込んで考えていらっしゃる方も多いですよね。前のオーナーの余韻を消すという意味でもとても有効な手立てになりますよね。

中古で買われる場合は何台も比べて、足回りの状態の良いもの悪いものを見極めておくことも重要です。足回り以外の部分のコンディションを占う上でもとても大きな材料になるはずです。

新車から乗られている場合、気をつけたいのは、ヘタリに気がつかないということ。毎日乗っているからこんなもんだろう、という感覚、どうしても持ってしまいがちです。そうした事態を予防するためにも整備工場での点検に出して、「他人に乗ってもらう、他人の目で見てもらう」ということが大事です。

輸入車は5万キロ?それ本当?

筆者が以前乗っていたちょっと古い97年式BMW320iの時代(E36型)は5万キロが足回りの寿命と言われていました。とくに当時のBMWは完全にダンパーなどを消耗品と割り切って考えていましたから、ヘタったら即交換という認識だったわけです。実際にそれに従って交換すると、たしかに足回りのリフレッシュを実感できたものです。

このBMWは顕著な例としても、やはり輸入車のダンパーなどはやや寿命が短い傾向にあるようです。どうしても消耗品であって、常に新しく良いものを取り付けて最良のパフォーマンスを発揮させたいということなのでしょう。ただ、その費用を考えるとユーザーとしてはやや頭が痛くなる部分ではあります。

国産車では10万キロも走っていないのに足回りの交換?・・・というくらいの認識が一般的な考え方として広く認識されているので、その感覚でいると、やはり輸入車は維持にお金がかかるよなあ、という感想を持たれるかもしれませんよね。

しかし、ビシッと仕上げられた輸入車の足回りが、例えば一点、ダンパーがヘタっただけでも相当に味わいを損なうことにつながっていきます。せっかくの良さを棒に振ることになるわけですから、適切にメンテナンスを行なうことが輸入車をより楽しむコツとも言えるでしょう。そうした手間暇も輸入車の醍醐味というわけです。

足回りのヘタリに神経を使うくらいの感覚でクルマに接していらっしゃる方なら、それのみならず、あらゆる面でクルマを労わり大事に乗られていることと思います。やはりちょっと気になる足回りのヘタリを放置せず、適切に手を入れてあげることでクルマの印象もリフレッシュし、気分を新たにドライブできるようになるはずです。

足回りの劣化は感覚的な面が大きいです。ゆえに、疑問が生じたら自己判断よりも専門家に委ねたほうがいいと思います。もし判断が難しければ整備工場に持ち込んで疑問をぶつけてみる、判断を仰ぐというのも、ひとつの見識ではないでしょうか。

<前田恵之進>
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