BMWの代表的なチューナー、アルピナとハルトゲ。それぞれの魅力と主張はどんなところに?

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アルピナ、ハルトゲ…ともにBMWの代表的なチューニングメーカーとして有名です。走るためのクルマとして完成度の高いBMWをさらにチューンするわけですから、ことさら高度な技術が求められます。もともとのバランスを崩さぬように更なる高みを目指すそのチューニングカーを生み出すメーカーとしてのスタンスや考え方とはどんなものなのでしょうか。
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1964年に公認チューナーに。アルピナはBMWのお墨付き。
元はBMWの販売修理を行なうディーラーだったハルトゲ
あくまでもバランスと完成度を重視するアルピナ
手応えある乗り味とデザイン性重視のハルトゲ
アルピナは現在も正規輸入中
ハルトゲにも日本法人

1964年に公認チューナーに。アルピナはBMWのお墨付き。

アルピナはもともと自動車会社ではなく、事務機器メーカーだったのだとか。その創始者の息子ブルカルト•ボーフェンジーペン氏がチューンしたBMWエンジンの性能が評価され、BMWから公認チューナーとしてのお墨付きを得ることになります。アルピナがBMWのメーカー保証を受けられるということでも、その立ち位置が明瞭です。

1965年には正式にチューニングメーカーとしての会社を設立。1968年からツーリングレースに参加するようになると1970年にはロングディスタンス•クラシック、スペイン•フランス24時間耐久レース、そしてすべてのドイツ選手権を制覇するまでに。

アルピナは生粋のエンジン屋でありレース屋でもあったということですよね。その後レースから身を引くことにはなりますが、モータースポーツの現場での経験や実績がアルピナのチューンドカーには息づいているということができると思います。

元はBMWの販売修理を行なうディーラーだったハルトゲ

ハルトゲの設立は1971年。BMW車の販売と修理を行なうディーラーに始まったハルトゲも、1974年以降規模を拡大しチューニングパーツの開発と販売を行なうようになっていきます。年を追うごとに対応するモデルバリエーションを増やして行き、1978年にBMWのフルラインナップに対応。1985年にドイツ政府自動車局から「自動車製造業者」としての認可を受けます。

アルピナとは異なり公認チューナーとしての立ち位置でこそありませんが、ハルトゲも歴史と技術力があり、それが国からも認められる立派なチューナーであるということがうかがい知れます。

スポーク形状のアルミホイールやサイドを貫くデコライン•デカールが、アルピナ、ハルトゲ、それぞれの特徴で、また独自のエアロパーツやステアリングホイール、シートなど、チューンドカーの定番のスタイルを作り上げたといってもいいかもしれませんね。

あくまでもバランスと完成度を重視するアルピナ

アルピナに乗るとあまりに「ふつう」であることに驚かされます。ハイパフォーマンスなチューンドカーということでハードな乗り味であることを想像していると肩透かしを食らうわけです。アルピナの持ち味はここにあります。

「ふつう」である以上に、気が付くと大変に洗練されているのです。エンジンの滑らかな回転フィーリング、音、振動、また乗り心地、ハンドルの切れ味やブレーキの効き味に至るまで、元々のベース車のバランスを完全に満たした上で、さらに性能をアップし、高い実力を結実させているという、ターゲットの高さがアルピナには感じられます。

いじればバランスが崩れる。これが多数の部品で構成された自動車の常識です。しかし、いじる、手を加えるということをしながらバランスを維持し、その上でパフォーマンスの上限を高めるという仕事はなかなかできるものではありません。

手応えある乗り味とデザイン性重視のハルトゲ

日本のバブル期には六本木にあった有名ディスコ「マハラジャ」の脇にショールームを構えていたほどのハルトゲ。当時とくにBMW3シリーズは「六本木のカローラ」などと呼ばれていて、そんな中でのハルトゲの立ち位置はとてもトレンディーでゴージャスなものだったのかもしれません。BMWよりさらに高級車だったわけです。

乗り味はアルピナよりもはっきりとチューンドカーとしての手応えを感じさせるもので、これは並みのBMWではないという認識をドライバーに与える仕上がり。それよりもスタイリング面でアルピナよりも目立つデコレーション、つまり、ホイールやエアロ、デコラインの存在が人気になり、もてはやされた面もありました。

アルピナのバランス派に対してハルトゲはファッション的な人気を得ていたという傾向が見て取れます。

アルピナは現在も正規輸入中

アルピナは長らくニコル•オートモビルズというBMWのディーラー権を持つ会社によって正規輸入されています。先にも書かせていただきましたが、今でもBMWのメーカー保証を受けられる「認定チューンドカー」としての地位も不動です。

BMW本体よりもいち早くクリーンディーゼル車を日本に導入するなど意欲的な活動を見せるアルピナ。メーカーとも直接繋がりがありますからディーゼルに関しては日本における市場調査の役割も果たしたかもしれません。

その意味でもアルピナの存在はメーカーからも大きな信頼が置かれているというふうに見て取れます。

ハルトゲにも日本法人

ハルトゲはかつて、トミーカイラと経営を同じくする「トミタ夢工場」が代理店を務めていましたが、現在はハルトゲジャパンが存在します。アルミホイールや外装パーツ、などの個別のカスタマイズパーツの販売のみならず、エンジンチューンも当然手がけていて、それはどちらかというとプライベーター的な立ち位置に近いようです。

ハルトゲというとやはり一時代を築いた有力チューナーですから、BMWにおけるチューニング、カスタマイズでは今でも高い人気を誇っているようです。

BMWにはこの他にもACシュニッツァーなど有名チューナーが存在しますが、今回は二強とも言うべきアルピナとハルトゲをご紹介しました。完成車をチューンする、という仕事は簡単ではないとこの二者を見ていると思わされます。その中で独自性やキャラクターを主張し、また別次元の完成度を得ていくというのは、並大抵の仕事ではないと思うのです。

歴史と実績、またノウハウの蓄積が高い完成度を誇るBMWのチューニングカーを生み出している、そう考えていいのではないでしょうか。
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