ケイマン vs フェアレディZ…"もう一台の主人公"が持つ個性とは?

ポルシェ ケイマン 2016

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ポルシェ•ケイマンは2005年にデビューした、ポルシェ•ボクスターがベースになったスポーツカー。911シリーズよりもとっつき易いイメージがありますが、モデルチェンジを経て、立派なスポーツカーとして主張をしています。そんなケイマンと国産車でライバルといえそうなのが、同クラスともいえるフェアレディZ(Z34)。そんな2台をチェックしてみましょう。
Chapter
フラッグシップではないという共通点…しかしそれぞれが持つ個性とは
両者のスペックは…
その存在はアイコニックか?

フラッグシップではないという共通点…しかしそれぞれが持つ個性とは

前述のように、ポルシェ•ケイマンはまずボクスターがベースになったクローズドボディ、ミッドシップレイアウトのモデルです。このケイマン、スポーツカーとしての素性が良いため、設計時に「911よりも速くならないように制限されて設計された」そうなのです。

「なんとももったいない」とも感ずるエピソードですが、ポルシェのイメージリーダーはやはり911なので、そこは仕方ないところかもしれません。とはいえ、モデルチェンジを経て熟成が進み、ライトウェイトスポーツにも近いニュアンスを持つ、非常に魅力をもったモデルに仕上がっています。

こうした共通点は現行のフェアレディZにも言えそうです。Z34モデルに熟成が進んでいますが、1969年デビューの初代S30から脈々と続く「ロングノーズショートデッキ」を時代を経ても守り続けているモデル。

とはいえ、日産のスポーツモデルといえば「GT-R」の存在があり、決してNo.1フラッグシップモデルとはなっていない存在でもあります。しかし「スポーツカー」としてのイメージは日産で最も強いものがあります。現在ではターボモデルこそないものの、排気量が3.7Lまで拡張され336PSの出力を誇ります。

どちらもフラッグシップではない、という微妙な立ち位置ですが、独特の居場所があるといえそうです。

両者のスペックは…

•ケイマン
現行モデルのケイマンSを例にとると、
エンジン3,436cc 水平対向6気筒
最高出力  239kW(325ps)/ 7,400 rpm
最大トルク 370Nm / 4,500-5,800 rpm
駆動方式 MR
0-100km/h加速4.9 秒
最高速度281km/h
重量 1,400kg
パワーウェイトレシオ 4.30kg
価格は820万円、となっております。

•フェアレディZ(34)
エンジン3.7L V6 VQ37VHR
最高出力  247kW(336ps)/ 7,000 rpm
最大トルク 365Nm / 5,200 rpm
駆動方式 FR
0-100km/h加速5.3 秒
最高速度250km/h
重量 1,530kg
パワーウェイトレシオ 4.55kg
価格は約400万円、となっております。

こうしてスペックをみてみると、かなり近似した部分ですが、ケイマンSの方が軽量ということもあって、運動性能は若干上回っていますね。(Z34もNISMO仕様がありますのでそう考えると互角かも?!)

とはいえ、やはりZはケイマンSの半額!で買えるわけですから、圧倒的なコストパフォーマンスといえます。GT-Rもそうですが、スペックに対しての価格、と考えると日本車は本当に素晴らしいと思います。

ただ、少し気になる点も…

その存在はアイコニックか?

価格を度外視して、どっちが欲しいか?といえば、正直「ケイマン」、と答える方が多いのではないでしょうか。これはポルシェの長年培ったブランドイメージというものもあろうと思いますが、ある意味、デザイン面での整合性、というものが挙げられると思います。

ケイマンをみた瞬間に「ああこれはポルシェのクルマだ」となります。そのデザインは常に過去のレガシーを纏った(良くも悪くも)キープコンセプトのものであり、非常にアイコニックなデザインといえます。

他方で、フェアレディZも1969年にデビューした歴史あるスポーツカー。初代のデザインは非常に秀逸であり、いまだに北米を中心に根強いファンがいるほどです。しかし現行モデルのデザインは初代とは(面影は若干ありますが)かなりかけ離れてしまっています。この点が非常に勿体ないなと思ってしまうのです。Zにも誇るべき歴史があり、こうした過去のレガシーをもっと活かして欲しいな、と考えるファンも多いのではないでしょうか。

おりしも、フランクフルトモーターショーに出展された「Gripz concept」が、かのサファリラリーを制覇した240ZのカラーリングをモチーフにしたSUVに仕上がっており、「次期ZはSUV!?」とも物議を醸しています。もちろん、コンセプトモデルなので次期ZがSUVとは考えにくいところですが、こうした過去のレガシーを上手く現代のマシンに注ぎ込む、というアプローチは間違っていない、とも感ずるのです。

だからこそ、日産の次期Zは、見た瞬間に「あのZだ!」と衝撃を受けるほどのものであると期待したい、と思ってしまいますね。
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