セダン不況のなか、WRXが販売を続ける理由とは?人気の秘密に迫る

スバル WRX S4 2015

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ライバルであるランエボの消滅もあってのことでしょう、スバルWRXが好調です。セダン不況の中で、このスポーツセダンが一人気を吐いているというのは実に頼もしい限りですが、決して値段も安くはないWRXに人気が出る理由とは一体どこにあるのでしょうか。またどのような人が好み、このクルマを求めていくのでしょうか。いくつかの視点から、スバルWRXの魅力の「今」に迫ってみます。
Chapter
ヨンクにターボの速いエンジン、そして居住性…まさに黄金比を実現!?
大人になったらスポーツセダン?
本格スポーツセダンは「高機能」そして「高級車」の新しいカタチ?

ヨンクにターボの速いエンジン、そして居住性…まさに黄金比を実現!?

速いクルマが欲しい人は、必ずしも狭くて使いづらい2ドア車を求めているわけではありません。

どちらかというと、金銭的にも余裕があった上で高性能車が欲しいと考えた場合、やはり家族や同乗者に我慢を強いるわけにはいかないと考えるでしょう。時にはゴルフバッグを積んで出かけることだってありえると…。

そんな時、やはり4ドアセダンの実用的なパッケージングを持ち、かつ速いクルマが現実的なチョイスになってくるわけです。速い=やせ我慢はしないと。

スバルWRXのS4は、334.8万円(2017年2月現在)からの展開になっていますが、この価格帯で、あるいはそれ以下で、この性能と居住性をバランスさせた車種というのはあまり見当たらないわけです。

国内屈指の加速性能や動力性能、旋回性能と、スバルお得意の運転支援システムまで組み合わせて全天候型、全方位網羅のスポーツセダンがこのお値段というのは、まさにお値打ちです。

つまり、スポーツセダンとして”死角”がない。

安くて速くて安全性も高く、さらにはATも選択できるため、簡単にその速さ、性能を享受することができる。こうしたところは日本車の得意分野そのものではあります。そして決してクオリティーが低いわけではなく、むしろそうした点ではとくに欧米で高く評価されてもいるわけです。

あらゆる点で説得力があり、商品としての魅力が非常に高い。これが今のWRXの真実と言えるでしょう。

スバルの営業マンが、「いやーここまで評判が良くなるとは…」と口にしていました。思わず口走ってしまったという感じですが、冷静に見てみると評判を得るだけの要素は備えているのです。

そんなスポーツセダンのWRX、どういった購買層をもっているのでしょう?

大人になったらスポーツセダン?

WRXの購買層は大人が多く、言ってみれば若い頃にスポーツカーで鳴らした元走り屋が、いまあらためてWRXで走り屋のスピリットを蘇らせる…というような図式が見て取れるような気がします。

先述したように、スポーツセダンはユーティリティの高い乗り物です。大人になり、家族もいて、奥様の目もありながら選択するクルマとして、4ドアで普通に使えて、そして安全で速いというのは、今の大人のマインドをガッチリ掴んだのかもしれません。

想定できる年齢層として、現在40歳代から50歳代までの方というのは、ちょうどバブル期に青春時代(古い表現!?)を過ごされた方たちで、たとえばその頃、32GT-Rを現役で購入されていたかもしれないし、スープラやRX-7などといったスポーツカーを競うように走らせていた、いうなれば熱い世代ということができると思います。

スバルもちょうどその頃、レガシィGTやRS、またインプレッサでもちょうどWRXが登場し、人気が高まってきた時期と重なりますから、この世代の方々にとっては実に懐かしい香りのするクルマなのかもしれませんね。

ウェブサイトでスバルは「大人になったらスポーツセダン」と銘打って広告展開をしていますが、もしかするとそれは、もともとそういうマインドを持っていた方たちの、眠っていた熱い何かを呼び覚ますための、迎え水のようなものだったのかもしれません。

スバルには走り屋を納得させ、また熱狂させるだけのリソースを持ち合わせているため、言ってみればそれを再活用した結果のようなもの。人生のセカンドステージをこのクルマで…悪くないですね。

もちろん、若くても大人のマインドを持った方もいらっしゃるでしょう。そんなあなたにもぴったりのはずです。

本格スポーツセダンは「高機能」そして「高級車」の新しいカタチ?

4ドアセダンとしてのユーティリティに高い動力性能や安全性など、死角の少なさを多く挙げました。

つまりWRXは、非常に機能性というものが高いクルマ。投資に見合うだけの見返りが十分にあり、無駄がなく合理的でさえあると感じさせる、そんなところにも大人への訴求力があるのだと思います。

そしてその突き詰め方はやや理詰めではあるものの、高機能車として、たとえばポルシェ911カレラ4などが目指す方向かもしれません。

機能の高さは実用性の高さでもあるのですが、それも全方位にレベルが高いところまで引き上げられ、磨きがかけられていると、単なる実用車には留まらない値打ちを備えるようになる…つまりこのクルマは、高い機能がもたらす「高級乗用車」なんですね。

WRXは、馬力もあり、安全性も高く、実用性もなんら支障がないどころか使いやすい、いわば全方位に貯金がある状態だということができます。このマージンとか余裕のある状態を、新しいカタチの「高級乗用車」と捉えることも出来ると思うのです。

世の中、皆エコカーやミニバンばかりでつまらない、という感覚をお持ちの方は少なくなかったはずです。

しかしここに来て、大人も納得するスポーツセダンとしてWRXが注目を集めるようになりました。WRX以外にも新しいスポーツカーとして、マツダ ロードスターRFやホンダS660、あるいはスバルBRZやトヨタ86、スズキ スイフトスポーツや日産ノート ニスモSなども含めて、魅力的なスポーティーカーも増えています。

世の中の報道や世の中全体の勢いはエコカーやミニバンなのでしょうが、メーカーも必死に走りの楽しさを伝えようと努力しているというのが、現在の日本の自動車市場の状況だと思います。

特にスポーツカーは乗らないと良さがわかりません。一度試乗に出かけてみてはいかがですか?

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