「力強く、それでいて安定感たっぷりの走り」ダイハツ「タント ファンクロス」の試乗レポート【プロ徹底解説】

タント ファンクロス

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元祖スーパーハイトワゴンである「タント」。その派生モデルとして2022年10月に誕生したのが、アウトドア志向の「タント ファンクロス」です。その走りは、どのようなものなのか。ターボエンジンを搭載する「タント ファンクロスターボ」を借り出して乗ってみました。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
アウトドアで使うギヤのようなルックス
ターボとD-CVTの加速はダイレクト
充実のADASと快適装備たち

アウトドアで使うギヤのようなルックス

試乗に借り出したのはターボエンジン搭載の「タント ファンクロスターボ」。実車はピラーが黒くなっており、重心が低そうに見えます。それほど背の高さが気になりません。バンパーやボディサイドにあしらわれた黒いプロテクターもあって、アウトドアのギヤのイメージを強く感じます。これであれば男性オーナーにも似合うのではないでしょうか。
また、ピラーごと開く左側スライドドアの「ミラクルオープンドア」の開口部の広さは、やはり特別です。乗り降りや荷物の出し入れが非常に楽。そして運転席が前後に540mmも移動できるロングスライドがあるのも魅力的です。室内で食事をしたり、何かをするときに、いろいろな使い方ができそうです。また、運転席の前後スライドは、運転席の後ろ側からも操作できます。これも便利な機能です。
そして、ラゲッジの床となるラゲッジボードが防水になっているのも、アウトドアでの使いやすさに繋がります。ついでにデッキボードは取り外して、車外でテーブルにすることもできます。
車内の機能をチェックするだけで、キャンプなどで便利に使える風景が想像できてしまうのです。この車に触れているだけで、アウトドアに出かけたくなる気分が盛り上がっていきます。

ターボとD-CVTの加速はダイレクト

試乗したのはターボエンジンということで、加速の力強さが印象的でした。最初の一歩目の加速が、特に顕著です。個人的には、もうちょっと抑えてもいいかなと思うほど。また、新開発のギヤ付きのD-CVTは、アクセル操作に対するレスポンスもなかなかのもの。キビキビと走らせることができます。
とはいえ、車全体の動きは、ゆったり&安定志向。路面の凹凸を柔らかくいなしつつも、フラットな乗り味で、コーナーでグラリと倒れるような不安感もありません。ステアリング中立付近の手応えは鷹揚で、直進性重視といったセッティング。助手席や後席の人に優しい乗り味と言えるでしょう。

充実のADASと快適装備たち

最後に感心したのはADAS系をはじめとする装備の充実度の高さです。衝突被害軽減自動ブレーキだけでなく、オプションとして高速道路での全車速追従機能付きACCが用意されています。全車速追従機能付きACCは、先行車に合わせて自車を停車までもっていきます。
さらに、車線を逸脱しないようにするためのステアリングのアシスト機能まであります。いわゆる自動運転レベル2相当の機能が備わっているのです。また、これもオプションですが斜め後方の他車両を検知するBSM(ブラインドスポットモニター)まで存在します。これらのADAS系の充実は、1クラスも2クラスも上の車と同等。軽自動車でも、最新の安全機能が用意されているのは、嬉しいものでしょう。
また、ステアリングが本革仕様であったり、シートヒーター、電動スライドドア、オートブレーキホールドなどの装備類の充実度も大きな魅力です。
「タント ファンクロス」のアウトドア風のルックスは、男性にも似合うもので、幅広いユーザーに受け入れられるものと感じました。また、室内空間の広さや、開口部の大きなミラクルオープンドア、アウトドアで使いやすそうな防水可能のラゲッジなど、利便性の高さも大きな魅力です。走りは、ターボ車ということで加速は力強いものでしたが、全体としての乗り味は、落ち着きのあるゆったりとしたもの。安全だけでなく快適装備を満載しているのも大きな魅力です。乗員みんなでドライブを楽しめる車と言えるでしょう。
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