サーキット用のタイヤと普通のタイヤ、どう違うのか?
更新日:2022.03.08

一般的にサーキットで使うタイヤはいかに速く周回できるかを目的に作られているため、グリップ力が強く、逆によくカー用品店で並んでいるタイヤは燃費、降雨時の排水性、ロードノイズ低減を主に重視しています。
では、両者ともにどのような工夫をしているのでしょうか。
サーキットでよく使うタイヤは大きく分けて3種類
SuperGT等で使用されるスリックタイヤ
よくF1やSuperGT、Super耐久など、トップカテゴリーレースで使われているタイヤです。
スリック(slick)とは、つるつる、すべすべしたという意味で、タイヤもその名の通り溝がなくつるつるしています。
通常、タイヤと路面との摩擦でグリップをさせていますが、スリックタイヤは摩擦熱で表面のゴムを溶かし、路面へ粘着させてグリップを得ているので、強大なグリップ力を得られます。
逆に、溶けないとつるつるのままなのでグリップが得られず、滑ってしまいます。レーシングカーがレース前に蛇行運転しているのは、できるだけ熱を入れてグリップさせるようにしているためです。
この性質上、普通のタイヤと比べ非常に短命です。乾いた路面で熱が入れば絶対的なグリップを得られますが、雨が降った時、溝がないので地面とタイヤの間の水をうまく排水できません。いわゆるハイドロプレーニング現象が常に発生しているような状態になってしまいます。
このため、雨用に溝があり、低温でグリップするようなゴム材を採用したレインスリックというタイヤもレースでは用意されています。公道では使用できないため、競技参加者のみに販売されています。
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