トヨタ GRスープラを試乗レビュー評価…良い点や欠点などをプロが徹底解説

GRスープラ

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2019年5月から販売開始されたGRスープラ。2020年、2022年と毎年のように改良加えられて、進化していました。なかでも3L直列6気筒エンジンを搭載したRZは、エンジンのパワーアップやシャシー性能の向上そして6速MTの追加と目を見張るメニューとなっています。今回は、2022年に追加されたRZ 6速MT車に試乗しましたので、良い点や欠点などを紹介します。
Chapter
"トヨタ GRスープラ RZ 6速MT車"は気持ち良いコーナリングを実現
"トヨタ GRスープラ RZ 6速MT車"はシフトストロークの長さが欠点
まとめ

"トヨタ GRスープラ RZ 6速MT車"は気持ち良いコーナリングを実現

回試乗したのは、GRスープラ RZの6速MT者。車両本体価格は731万3000円です。オプション装備として、タン色の本革シート8万2500円、カメラ一体型ドライブレコーダー2万1516円。そしてETC2.0ユニット2万5366円を装着しており、車両本体価格とオプションの合計金額は744万2382円となっています。

GRスープラRZ の全長4,380mm×全幅1,865mm×全高1,295mmです。GR86と比べると、全長は115mm長く、全幅は90mmワイドとなっています。その一方で、全高は15mm低くワイド&ローのフォルムが特徴です。
搭載している3L直列6気筒DOHCターボエンジンは、以下を発生する一方、燃費性能はWLTCモードで11.0km/Lを実現。高出力・低燃費を両立したイマドキのエンジンとなっています。

最高出力:387ps
最大トルク:500Nm

デビュー当初最高出力は340psでしたが、2020年4月の一部改良で、47ps(従来比+14%)パワーアップしています。また最大トルクの数値は同じですが、発生回転域が1,600~4,500rpmから1,800~5,000rpmはとワイドバンドとなっています。
3Lエンジン搭載車はエンジン出力の向上に合わせて、フロント部にブレースを追加し、ボディ剛性の強化を図るとともに、サスペンションを再チューニングすることで、コーナリング中の安定感を高めました。

さらに、2022年4月にも一部改良を実施し、AVS制御、アショックアブソーバーの減衰特性チューニングにより、ロールバランス、乗り心地の向上をはじめ、スタビライザーブッシュの特性変更により、操舵初期の応答性を向上。

さらに、シャシー制御系の見直しにより、操舵フィーリング、限界域でのコントロール性を向上させています。また、新意匠の鍛造19インチアルミホイールを採用。

重量を1本当たり1.2kgの軽量化を実現し、バネ下重量軽減による乗り心地と操縦安定性の向上を図っています。このようにGRスープラは、2019年のデビュー以来、改良が加えられています。中でも3L直6ターボエンジンを搭載したRZは特に力を注ぎ込んでいることがわかります。
今回、3L直6ターボエンジンを搭載したGRスープラRZにしましたが、前回RZの8速AT車に市場したのは、デビュー直後の2019年のことでした。その時の印象はというと、19インチタイヤをまだ履きこなしておらず、乗り心地はかなり硬め。

荒れた路面を走行すると跳ね気味で、スポーツ走行を楽しむ前に、テンションが下がってしまうような感じでした。しかし、2度の改良を重ねたGRスープラRZの6速MT車の乗り心地は全く違いました。今回は街乗りをはじめ、高速道路そしてワインディングも走行しましたが、ひと言で言うとどんなステージを走っても楽しい!です。
1,800~5,000rpmで最大トルク500Nmを発生する3L直列6気筒ターボエンジンは、アクセルを踏み込み、エンジン回転数が高くなればなるほどパワーがみなぎるように感じます。

また、最高出力387psに合わせて、ボディ剛性の強化、サスペンションのリセッティングが行われたので、高速道路のフラットな路面だけでなく、ワインディングのような荒れた路面でも、ボディをしっかりと路面に押しつけてくれます。

さらに、駆動しているリアタイヤからは、ドライバーにグリップ状態などのインフォメーションを伝えてくれるので、クルマとの対話が楽しむことができます。
ホイールベースとトレッド幅で黄金比を実現しているGRスープラ。サスペンションの安定感が高まったので、優れたハンドリングを十二分に楽しめます。

タイトコーナーが続くワインディングでは一つギアを落として、サウンドを楽しみながら、優れたハンドリング性能によって、自分の思いのままにコーナーをトレースしてくれて、気持ち良く駆け抜けることができます。

その走りはライトウェイトスポーツほどではないですが、ライバル車のフェアレディZと比べると非常に軽快に感じます。
先代モデルまでは、直線番長と言われたスープラですが、最新モデルのGRスープラはそのような姿はなく、高い旋回性能を発揮するコーナリングマシンへと変貌しています。

この気持ち良いコーナリング性能がGRスープラの美点と言えるでしょう。

"トヨタ GRスープラ RZ 6速MT車"はシフトストロークの長さが欠点

今回GRスープラRZの6速MT車に乗って、改善してもらいたいと思ったのは3点あります。まずは、6速MTのシフトストロークが長いこととやや渋めなことです。スポーツカーなので、手首を返すぐらいでスコッと入るような短めのシフトストロークにしてもらいたいと感じました。

そして、もう一点はペダル配置とシートポジションです。身長170cmの筆者はシートポジションを一番前にしても、特にクラッチペダルが踏みにくかったです。もう少しクラッチペダルの位置を下に下げてもらいたいと感じました
そして、最後の3点目は価格です。同じ3Lターボエンジンを搭載する日産フェアレディZの最上級グレードバージョンSTの6速MT車が646万2500円なので、約85万円も高くなっています。この価格差をもう少し縮めてもらえると、ユーザーは選ぶ楽しさも味わえると思います。

まとめ

アクセルペダルを踏めば、どこまでも加速していきそうなフィーリングを体験できる3L直列6気筒ターボエンジン。どんな路面状況でも、駆動するリアタイヤのインフォメーションをドライバーに伝えるサスペンション。

そして、コーナーを抜ける度にワクワクが高まるシャシー性能。自分が20代で体験した80型スープラの走りとは全くキャラクターが異なっています。731万円という新車価格はライバル車と比べると高いですが、このGRスープラでしか味わえない唯我独尊の走りを手に入れると思えば、決して高くはないと言えるでしょう。

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